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2023.10.11 三菱総合研究所|自然科学までカバーする総合シンクタンク


三菱総合研究所は、1970年に三菱創業100周年記念事業として設立された総合シンクタンクです。設立から半世紀、三菱総合研究所は企業経営から政策・公共・科学技術分野に至る幅広い領域で、コンサルティングサービスを提供し続けています。中央官庁から民間企業まで、社会的意義の大きな案件に取り組んでいる三菱総合研究所。その事業内容のファームの特徴を紹介します。 

 
目次 
 
三菱総合研究所の事業内容 
 広い専門性を持つシンクタンク事業  
 中央官庁などを顧客とする公共性の高い事業 
 民間企業では「金融×IT領域」での事業に強み 
 
三菱総合研究所の会社概要 
 
三菱総合研究所のファーム特徴 
 「THINK」タンクから「THINK & ACT」タンクへ 
 プラチナ社会構想 
 
まとめ 
 

三菱総合研究所の事業内容 

調査・研究・政策支援などのシンクタンク機能や、企業の経営戦略のサポートなどのコンサルティングサービス、ICTソリューションの提案で社会と顧客の課題を解決する三菱総合研究所。その事業は次のようなものです。
 

幅広い専門性を持つシンクタンク事業

三菱総合研究所が事業の特徴は、幅広い分野にサービスを提供していることです。経営コンサルティングはもちろん、事業領域はデジタルトランスフォーメーション、エネルギー、情報通信、テクノロジー、交通インフラ(MaaS)、スマートシティ・モビリティ、ヘルスケアなど多岐に渡ります。 

自然科学領域への広範な取り組みも、三菱総合研究所の特色の一つ。他にも科学技術政策や、地球環境への提言など、他のコンサルティングファームが手がけない領域での活動も目立ちます。 

幅広い領域でサービスを提供できるのは、研究者の専門性が多様なため。約700名の研究者が在籍し、それぞれが法律・政治・政策から航空・宇宙、環境工学、情報システム科学などを専門に扱っています。 

多様な人材がいるのは、人材育成に関する施策を「総合人財育成計画」 として体系化しているため。研究員を大学・研究機関などでの武者修業に挑戦させたりしながら、専門分野に精通させるだけでなく、専門分野と異分野を関連付けるような人材育成システムを構築しています。 
 

中央官庁などを顧客とする公共性の高い事業

中央省庁などの公共性の高い事業を受注する機会が多いことも、三菱総合研究所の特徴です。中央省庁や地方自治体などの公共セクターに対し、政策立案、実証支援などのサービスを提供。長期的に取り組んでいる分野が多いため、異動の多い各省庁の担当者からも信頼が寄せられています。 

ITソリューションの分野でも、中央官庁の大規模システムの更新プロジェクトなどで実績を築いている三菱総合研究所。近年は、官公庁と民間企業にまたがる領域での事業ニーズが増えているため、官公庁に幅広い顧客基盤がある同社には、新たな事業展開のチャンスとなっています。 
 

民間企業では「金融×IT領域」での事業に強み

三菱総合研究所は官公庁だけでなく、民間企業へのコンサルティング、各種ソリューションの提供も幅広く行っています。特に近年は「金融×IT領域」での支援を強化。2005年にシステム開発会社である現在の三菱総研DCS(旧ダイヤモンドコンピューターサービス)を連結子会社化して、2006年には三菱UFJ銀行、三菱UFJリサーチ&コンサルティングとも業務提携をしました。 

金融機関向けには、ビッグデータを活用した住宅ローンの与信システムも提供しています。審査担当者の経験則に頼っていた従来の与信業務にスコアリングモデル(貸出先がデフォルトする確率を統計的に推定する計算式)の考え方を導入。収益・回収シミュレーションを行うことで、客観的な審査と価格設定が可能なシステムを構築するなど、金融機関の融資方針や営業戦略の立案も支援しています。 
 

三菱総合研究所の会社概要 

【代表者】 
代表取締役社長 籔田 健二氏 

【会社公式URL】 

https://www.mri.co.jp/

【設立年】 
1970年5月8日 

【資本金】 
63億3,624万円 

【従業員数】 
4,235名(2022年9月30日現在、単体1,093名) 

【企業理念】 
果たすべき使命 

社会課題を解決し豊かで持続可能な未来を共創する 

目指す企業 

未来を問い続け、変革を先駆ける 

ステークホルダーへの約束 

研鑽 知の統合 スタンス 挑戦 リアリティ 

【沿革】  
1970年5月  
調査・分析業務および委託調査・コンサルティング業務、情報処理サービス等を事業目的とし資本金5億円で(株)三菱総合研究所を設立 

2000年10月 
ビジネスソリューション事業本部を新設し、本格的にソリューション事業を開始 

2004年12月 
ダイヤモンドコンピューターサービス(株)(現 三菱総研DCS(株))の株式を取得(三菱総合研究所所有議決権比率25%) 

2005年3月 
ダイヤモンドコンピューターサービス(株)(現 三菱総研DCS(株))の株式を追加取得し子会社化(三菱総合研究所所有議決権比率60%) 

2005年4月 
コンサルティング事業本部を新設するとともに、(株)東京三菱銀行(現 (株)三菱UFJ銀行)との業務提携により、民間企業向け事業体制と営業体制を強化 

2009年9月  
東京証券取引所市場第二部に株式を上場 

2010年9月  
東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 
 

三菱総合研究所のファーム特徴

中央官庁から民間企業まで、幅広い顧客に対して社会問題の解決と事業展開を支援する三菱総合研究所。日本を代表するコンサルティングファームである三菱総合研究所の特徴と目指すものを紹介します。 
 

「THINK」タンクから「THINK & ACT」タンクへ

三菱総合研究所は1970年、三菱グループ創業100周年記念事業として設立されました。目的は「日本にも、社会問題の解決に役立つ研究に取り組み、政策を提言するシンクタンクを創設する」ためです。その母体は財団法人三菱経済研究所、三菱製鋼(当時)の子会社だった技術経済情報センター、三菱原子力工業(当時)の計算センター部門でした。 

三菱総合研究所は創業時から「独立性」 を重視しています。そのため顧客基盤を三菱グループに依存することなく、中央官庁などの公共セクターの仕事に軸足を置きながら、民間セクターでも三菱グループ以外の企業からオープンに仕事を請け負ってきました。 

半世紀におよぶ歩みの中で、大きな転機となったのが、2000年にリサーチ主体の事業から、ソリューションビジネスへ参入したことです。以来、三菱総合研究所は、総合シンクタンクとして社会問題の解決に向けた政策や戦略の立案だけでなく、その実行までをサポートする「THINK & ACT」 タンクとして、顧客と共に未来を創造するミッションに取り組んでいます。 
 

プラチナ社会構想

三菱総合研究所は、物質的な豊かさが実現し、価値観が多様化している21世紀に目指すべき社会モデルとして「プラチナ社会構想」を提唱しています。 

プラチナ社会とは、三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏が提唱しているもの。日本が直面している4つの課題、「人口制約」「欲求制約」「環境制約」「財政制約」を克服して、人々の幸せや社会の持続を目指すビジョンです。 

具体的には「誰もが参画・活躍し、生活の質が高く、心豊かな人生を送れる社会(全員活躍社会)」であること。「持続可能な経済と制度を実現する社会(持続可能社会)」を実現することがプラチナ社会構想の目的。そのために社会のさまざまな課題解決や制度持続の前提条件としての経済成長の実現が重要だとしています。 

プラチナ社会構想が訴えているのは、少子高齢化や人口減少を前提とした持続可能な社会保障制度の再設計や、CO2や廃棄物などの環境負荷を最小化する社会システムの必要性です。さらに実現したソリューションを海外にも展開中。課題先進国である日本が「世界の課題解決に貢献する社会(世界貢献社会)」を目指すとしています。 

プラチナ社会構想実現のため、三菱総合研究所は2010年にプラチナ社会研究会を設立。500以上の産学官の会員とともに、日本の課題を解決するプラチナ社会構想の実現に向けた取り組みを続けています。 
 

まとめ

官公庁から民間企業まで、政策・公共・科学技術など幅広い分野でコンサルティングサービスを提供している三菱総合研究所の事業内容とファームの特徴をご紹介しました。 

多様な人材・確かな実績・三菱グループならではのネットワークから生み出された幅広い専門性が最大の強みの三菱総合研究所。 

国民全員が活躍できる持続可能社会の実現というプラチナ社会構想への取り組みでさらなる展開が期待できます。 

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