2015.12.31 2015年コンサルティング業界 10大トピック総括!
2015年、当ニュースサイトで取り上げた記事を中心に、2015年にコンサル業界で起こった印象的なトピックを纏めてみました。
1.マッキンゼーによる買収
マッキンゼーのルナー買収の記事は、今年最も反響が大きかった記事でした。Newspicksでも多く拡散され、デザイン、コンサル、経営に関し、様々な意見が書きこまれました。さらに年末には、マッキンゼーはビッグデータ技術に強みを持つ、クァンタムブラックを買収したことを発表。
両ニュースとも、業界の頂点に立つコンサルティングファームの動きとして大変注目されました。コンサル業界が提供する価値が今後すこしずつ変わっていくことを暗示するのかもしれないと印象付けました。
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2.会計系コンサルティングファームとITの巨人の協業
6月、PwCがGoogleと協業を発表しました。今年、いくつか会計系コンサルティングファームと大手IT企業の協業を伝えた記事がありましたが、その中ではPwCとGoogleの協業が最も注目を集めた記事でした。
相変わらず「経営」におけるITの重要性は高まるばかりであり、コンサルティング会社単独ではクライアントの経営課題解決に対応しきれないということが起こっているのかもしれません。こういった環境において、買収や提携という経営判断により、コンサルティングファームがサービスの幅を拡大・強化していくのは最近の特徴かもしれません。
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3.デジタル・ビッグデータ関連サービスの拡張
1900年代終わりごろから、ITを使って業務を効率化するという動きは活発になってきましたが、今年はITがデジタルという言葉に置き換わり、コンサルティング各社がサービス展開を広げてきているような印象があります。ITを経営効率化のために使うというだけではなく、ビジネス拡大・売上増加のために使っていくこと。コンサルティング会社がこういったことに取り組み始めた印象を受けます。
そんな中、コンサルティングファームと、大手小売業が協業を強化し合弁会社を設立するという動きが2015年後半に2つ続きました。アクセンチュアとファーストリテイリング、シグマクシスとローソンです。両提携とも業務変革と人材育成を目指しているようです。これらの合弁会社が今後どうなっていくのか?注目して追いかけていきたいと思います。
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4.セキュリティーに関するコンサルティングサービスが伸長・拡大
PwCの新会社「PwCサイバーサービス合同会社」設立など、セキュリティ関係のサービスを強化した動きがたくさん見られました。ベネッセ、日本年金機構など大規模な世間を賑わすセキュリティ事故が相次ぎ、情報セキュリティが、IT部門の課題のみならず「経営課題」として捉えられるようになり、これに対応した動きだといえます。
事前の漏えい防止策という考え方だけでなく、事故は起こってしまうものだと考え、発生してしまった時に以下に被害を最小に抑えるかという考え方のシフトも見られました。セキュリティ事故に関するニュースは後を絶たず、企業の取り組みに応じた今後のコンサル各社の取り組みに注目です。
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5.電力自由化やマイナンバーなど、社会変化に対応した支援サービス拡張
2016年1月からのマイナンバー運用開始、2016年4月からの電力小売り自由化など、社会的にもニュースになっており、企業は対応を迫られています。そういった企業に対しコンサルティング会社が支援内容をサービス化し、価値提供をするという動きが見られました。ただ、マイナンバーに関する支援は、SI各社では特需と言われるほど、受注が相次いでいるようですが、コンサル業界界隈では思ったほどニュースにはなっていないような印象でした。
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6.新規事業支援・イノベーション支援のサービス広がる
効率化で利益を増やすといったテーマよりも、売上を上げるとか、新事業やサービスを作るというコンサルティングテーマは、不確実性が高く、コンサル会社が取り組む際も失敗のリスクが比較的高いものになります。しかし今年、コンサル各社からは新規事業やイノベーションの支援といった、より難易度の高いテーマに取り組むという発表が見受けられ、そういった動きが多かったことは印象的でした。
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7.コンサルファーム出身ベンチャー起業家への出資が相次ぐ
新規上場企業数はここ数年、徐々に増加傾向にあり、2015年には100社近くの会社が上場。スタートアップ界隈が盛り上がっています。コンサル会社で働くコンサルタントにも、将来的にはベンチャーを起業したいという方も多いですね。
当ニュースでは今年コンサル出身起業家が億単位の資金調達を行ったニュースを5つ取り上げました。
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8.様々なコンサルティング会社が代表・社長の交代を発表
コンサル業界界隈で代表の交代が本当に多かった1年でした。数が多かっただけでなく、中身を見ても、11年ぶりに社長が交代したボストンコンサルティンググループ、10年ぶりのアクセンチュアなど、長く代表を務めた方の交代も多かったことも特徴です。
見方によっては、こういった代表交代も時代の変わり目であるとも言えるかもしれません。各社代表が変わり、今後どのような方向に経営の舵取りをしていくのか、来年以降も楽しみです。
9.スポーツ関連ニュース
今年もいくつかコンサル業界の人や企業と、スポーツとの関わりをニュースとして取り上げました。スポーツ関連の話題を取り上げると、読者の方からの関心は高いです。
東京オリンピックに向けて、コンサル業界界隈でもスポーツに関する話題は増えてくるのでしょうか?
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以上になります。
10個にまとめるつもりでしたが、9個しかなくてすみませんでした。
2014年の年末にも、一年の纏めとして総括を行いました。(参考:編集部が選ぶ2014年コンサル業界ニュース/)当時も、一年を振り返り、色々な出来事があったと感じたものでしたが、今思うとずいぶん前の出来事のようにも思います。業界のトレンドも変わったなと思います。それぐらい、2015年もコンサルティング業界では様々ニュースがありました。
一つ一つのニュースを丁寧に追いかけると、業界の動きが確かに見えてきます。業界に身を置く人も、これから入ろうとする人も、2015年業界で起こった出来事を振り返っていただき、今後、コンサル業界と自分の距離感を考える参考になると幸いです。
株式会社ワークスタイルラボ
真貝 豪