2023.10.10 リヴァンプ|日系グローバルファームの企業特徴| フリーコンサルタントのPOD
リヴァンプは、ロッテリアやカメラのキタムラの経営再建で知られる経営支援会社です。コンサルティングファーム、再生ファンド、ベンチャーキャピタルなどさまざまな事業を手がけるリヴァンプとはどのような会社なのか。事業内容や会社概要、ファームの特徴を紹介します。
リヴァンプの事業内容
リヴァンプは2005年に設立された経営支援会社です。創設したのは、元ファーストリテイリング副社長の澤田貴司氏、元ファーストリテイリング社長の玉塚元一氏の両名。「企業を芯から元気にする」との経営理念を掲げて設立されました。
「企業を芯から元気にする」の理念どおり、リヴァンプは数多くの企業再生案件を担当。過去にはロッテリアの経営再建が話題となり、近年も良品計画社の基幹システム刷新や、ユナイテッド・シネマ社やカメラのキタムラの再建案件を手掛けてきました。
再生案件で有名なリヴァンプですが、現在は再生支援にとどまらず、マーケティングとITを軸とした経営支援にも注力しています。
現在の経営支援事業のサービスラインは、マーケティングを中心とした経営企画・実行支援・デジタルテクノロジーコンサルティング、ITシステムの開発など。支援企業の成長に必要なさまざまなニーズに対応する総合ファームとなっています。
リヴァンプの事業の核となっているのは「経営支援」事業と「投資・事業経営」事業の2つ。それぞれを紹介しましょう。
経営支援
リヴァンプは経営支援事業として、「経営・マーケティング」および「業務・デジタル&IT」の2つのセグメントで顧客向けサービスを提供しています。
「経営・マーケティングセグメント」では、支援先企業の経営に深く関わり、CxO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)をサポート。経営戦略の策定から実行、製菓の確認までを行っています。
マーケティング&クリエイティブに強いのも特徴で、マーケティング戦略の立案・実行だけでなく、企業ブランディングやテレビCMの制作も行っています。
「業務・デジタル&ITセグメント」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を一過性のものとせず、クライアント企業内にITのケイパビリティを根付かせて永続的な変化対応に貢献。SCM・CRM・オムニチャネル等の機能特化チームを組成し、専門性の高いコンサルティングを実施しています。
DX支援にしても、リヴァンプは顧客企業の情報システム部門の一員として机を並べて、内製化を支援するスタイル。業務部門の人々に対してIT人材教育も行い、システムの導入だけにとどまらないIT組織づくりを支援しています。
投資・事業経営
リヴァンプの事業で特徴的なのは、自社での投資・事業経営も手がけていることです。事業投資は、50以上の会社に自己資本で投資を行い、ベンチャー企業への投資にも力を入れています。
独立した投資専門のチームを立ち上げるのではなく、経営支援チームが自ら投資業務を行うのがリヴァンプの投資事業の特徴です。経営支援によって価値を上げられるかどうかが投資の重要な軸となっているため、投資後にバリューアップを担う経営支援チームが投資業務を行うのです。
リヴァンプは自社で事業経営も実施しています。2014年に六本木ヒルズにオープンさせたレストラン「eggcellent(エッグセレント)」、カプセルホテルを運営する「9 hours」、企業向けの資料作成を代行する「リヴァンプ・アカデミー」など、さまざまな分野の事業に出資。事業経営に直接参画して成果をあげています。
リヴァンプの会社概要
【代表者】
代表取締役社長 執行役員CEO 湯浅 智之氏
【会社公式URL】
【設立年】
2005年9月
【従業員数】
319名(2023年5月末現在)
【企業理念】
「企業を芯から元気にする」
【沿革】
2005年9月
東京都港区南青山で設立
2007年12月
リヴァンプ・ビジネスソリューションズ(株)を設立
2010年3月
アクトタンク(株)を設立
2012年4月
(株)リヴァンプ・アウトソーシング(現リヴァンプ・アカデミー、連結子会社)を設立
2013年8月
(株)ナインアワーズ(関連会社)を設立
2014年4月
アクトタンク(株)が(株)catch(現 連結子会社)に資本参加
2017年10月
吸収合併存続会社としてリヴァンプ・ビジネスソリューションズ(株)、アクトタンク(株)を吸収合併消滅会社とする合併を実施
2018年4月
(株)catchの株式を追加取得し、子会社化
リヴァンプのファーム特徴
「企業を芯から元気にする」を合い言葉に、クライアント企業の中長期的な成長を目指して企業経営および経営支援を行っているリヴァンプ。ベンチャー、スタートアップから既存事業のビジネスモデルの変革、経営不振に陥った事業の再生まで、企業のさまざまなフェーズに関わるリヴァンプの特徴を解説しましょう。
「カメラのキタムラ」の再建
リヴァンプの名を有名にしたのが、設立直後の2005年から手がけた、ロッテリアの再生支援でした。以来、数多くの企業再生を手がけてきたリヴァンプ。最近では「カメラのキタムラ」の再生支援にも成功を収めています。
「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」などを展開する写真用品店大手のキタムラは、一時期、深刻な経営不振に陥りました。そして2018年にはカルチュア・コンビニエンス・クラブのTOB(株式公開買い付け)により、CCCの子会社となりましたが、その後にV字回復。黒字化しただけでなく4期連続の増益となりました。
キタムラの再生支援を行ったのがリヴァンプでした。リヴァンプはキタムラの再生のため事業を、中古カメラの販売を行う「リユース」事業、子ども向け写真館「スタジオマリオ」を中心とする「スタジオ」事業、「ビデオ・フィルムのデータ化」や「スマホ写真データのクラウド化」を行う「思い出サービス」事業の3つに特化。粗利率が高い3つの事業に集中して客単価や店舗の売り上げを向上させ、全社的な黒字化を達成しました。
リヴァンプはこうした実績を重ねていくことで「事業再生ファーム」としての認知を拡大して、営業組織を置かなくても、顧客からの紹介とリピートを中心に集客につなげて成長しています。
ベンチャー気質でモチベーションの高いメンバーが多い
リヴァンプはベンチャー気質の風土で、メンバーにもモチベーションの高い人が多いといわれています。メンバーの年齢のボリュームゾーンは20代後半から30代前半が中心。将来は自分で会社経営者になりたいと考える人が多く在籍しているといいます。会社としても「経営者を輩出する」ことを目指しているため、未来のCxOを志す人が多く集まりやすいのでしょう。
大手の経営コンサルティングファームが手がける大企業の案件では、関与するコンサルタントの数も多く、それぞれ役割が細分化されるため、コンサルタント個人が全体を俯瞰できない場合も少なくありません。その点、リヴァンプでは、コンサルタントに高い裁量を持たせるようにしています。プロジェクトの全体像を把握しやすいのも特徴です。
リヴァンプは、企業の成長を支援するため、メンバーが企業の中に入って、経営の核心部分での支援を追求してきました。社内ではそのことを「突入する」と表現しています。
深く経営に関わることで、経営者と同じ視点に立って、ファイナンスやマーケティングなど、企業経営に関わる全てを包括的にとらえられる。そのことが働くモチベーションとなっているメンバーも少なくありません。経営により近い場所で意思決定に関わり、決定された企画の実行までを一貫して見届けたい。そうした希望をもつ人に向いているようです。
まとめ
コンサルティングから企業の経営再建まで幅広い事業を展開しているリヴァンプのファームの特徴をご紹介しました。
リヴァンプは、企業経営により近い場所での意思決定に関われるため高い志をもつメンバーが多く、より核心に迫った支援が可能な事が特徴です。
この攻めのマインドで今後も「企業を芯から元気にする」という理念の元、より多くの企業の再建を手掛けていくでしょう。