2016.04.21 ジェネックスソリューションズ高橋勇人氏(アクセンチュア/ジェネックスパートナーズ出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
高橋勇人氏のプロフィール
アクセンチュア、ジェネックスパートナーズでのコンサル経験から起業へ
ジェネックスソリューションズ
高橋勇人氏
ジェネックスソリューションズ代表取締役の高橋勇人氏は、京都大理学部、同大学院理学研究科を卒業後、アクセンチュアに入社。3年半、クライアント企業のIT戦略や業務改革、業務システムの設計・開発に携わった。2003年にジェネックスパートナーズに転職。外食、アミューズメント、ヘルスケアなど様々な業界を手掛けた。2009年から3年間、回転寿司チェーン「あきんどスシロー」の経営改革に参画。売上180%・営業利益300%増、同業界1位達成に貢献し、「スシローを改革した男」として複数メディアに紹介された。その後、居酒屋・レストラン経営のダイヤモンドダイニングで社外取締役を務め、同社の東証二部、東証一部への上場に貢献。
コンサル時代は「起業は全く考えていなかった」という高橋勇人氏だが、クライアントの外食産業社長らとの出会いが転機になった。外食産業は創業社長が多く、創業者ならではの物の捉え方、考え方に触発された。資金調達などビジネス展開における選択肢もコンサルタントよりも格段に多い。40歳間近になり起業を決意したという。
出典:同社WEBサイト http://genexsolutions.co.jp/
ジェネックスソリューションズ社のサービス
店舗を持つBtoC企業へ、動画ツールでスタッフ教育支援
高橋氏が設立したジェネックスソリューションズは、実店舗を持つBtoC企業を中心にコンサルティングとソリューションを提供。特に、過去の支援実績が多い外食産業に注力している。同社の代表的なサービスである「ClipLine(クリップライン)」は、動画を使った教育支援ツールで、本社と現場をつなぐ双方向で円滑なコミュニケーションを実現。タブレット端末のiPadにスタッフ用と管理者用のアプリを搭載。スタッフ用のアプリには接客・調理方法などの動画教材が、管理者用のアプリには、指導教材やスタッフの学習状況を管理する機能がついている。
このツールにより「各店舗のアルバイトが、接客マナーや動作などのお手本が収められた動画を繰り返し見て練習」、「練習の成果を自ら撮影して本社に送信」、「本社の上司が動画を見て評価・アドバイスを返信」というサイクルを繰り返す。一つひとつの動画は、体の動きがいくつも収められた長時間のものだと利用者が覚えづらいため、30秒ほどに設定。他にも学習しやすいようにとToDoリストも備わる。
クリップラインは教育コストのほか、採用コストの削減にも役立つ。アルバイトスタッフが店舗の教育体制への不満で辞めることも多いという。1年目の離職率が50%とも言われる外食産業において、同ツールのメリットは大きい。飲食業に加え、フィットネスやマッサージ店など現場のノウハウが重要となる業種に多く採用。大手では牛丼チェーンの吉野家、アミューズメント企業のナムコ、ダイヤモンドダイニング子会社のゴールデンマジックに採用されているという。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
2度にわたりVCからも資金調達
2015年3月にはインキュベイトファンドを引受先とする、総額約1.3億円の第三者割当増資を実施。2016年にはSMBCベンチャーキャピタル、DBJキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルの4社が運営する投資事業組合を引受先とする、総額9,600万円の第三者割当増資を実施したことを発表。
今後は「ClipLine」に蓄積されるクリップを活用した新たな教育・評価制度の確立や業務改善、従業員の戦力化までのリードタイム短縮、従業員の定着率向上など、多店舗展開型企業が抱える経営課題を解決するパートナーとして、サービスマネジメントの革新を実現していくという。