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2023.10.11 「AIがプラットフォームになる時代の始まり」–米マイクロソフト沼本EVP

日本マイクロソフトは10月2日、報道機関向けの説明会を開催し、来日中の米Microsoftのエグゼクティブ バイスプレジデント(EVP)兼コマーシャル チーフ マーケティング オフィサーである沼本健氏が同社のAI戦略を明らかにした。

 

 Microsoftでは、インフラストラクチャーやデータ&AIサービス、ビジネスアプリケーション、セキュリティのほか、既存製品へのAI導入を進めている。

 沼本氏は、AI導入に当たって企業が抱える課題として、(1)Unlock productivity with Copilot、(2)Build your own AI capability、(3)Safeguard your business and data――の3つを挙げる。

 

 Copilotは、同社が提供する対話型AIサービスであり、PowerPointにWordやExcelなどの他のアプリケーションからデータを取り込んで、プレゼンテーションを自動的に作成したり、自然言語で指示を出すことで、アニメーションやデザインを変更したりできる。

 

 Microsoftは、企業が自社のAIケイパビリティーを構築するのを支援する、さまざまなサービスやツールを「Copilot stack」として提供しており、その基盤となるのが「Microsoft Azure」である。Azureは世界に60以上のリージョンがあり、200以上のデータセンターで運営されているクラウドプラットフォームになる。

 沼本氏は「データをうまく持ってきて、有機的に活用しないと良いAIは作れない」といい、そのために最も必要になるのがデータサービスであると強調した。

 

  
AI開発のためのツールチェーン

 AIの事業導入においては、ビジネスデータの安全確保が欠かせない。Micorosoftは「責任あるAIの基本原則」として、「公平性」「信頼性と安全性」「プライバシーとセキュリティ」「包括性」「透明性」「アカウンタビリティー」の6つを社内で徹底しているとし、顧客データをモデルのトレーニングに利用せず、エンタープライズ級のセキュリティとコンプライアンスを確保しているとのこと。

 
Microsoftが掲げるAIセーフガード

 沼本氏は最後に、AI導入に向けた第一歩として、まずは自社の現状を把握することが重要だと話す。特に日本では、AIの活用を検討する前にクラウドへの移行が先決であると指摘する。

 次に、実際にCopilotなどのAIツールを導入して生産性を向上させてみることだ。コードを自動的に生成する「GitHub Copilot」を使えば、開発者の生産性向上につながるし、11月にはMicrosoft 365 Copilotの一般提供が開始される。

 また、AIの導入効果を測定することも必要だ。AIの導入によってどのような成果が出たのか、どのような影響があったのかを評価するため、事前に重要業績評価指標(KPI)を設定しておくことが大切になる。

 

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