2023.06.27 フリーランスになるには|必要な手続きや案件獲得について|フリーコンサルタントのPOD
フリーランスとして働く人が多くなってきている近年、会社からの独立をお考えの方も多いのではないでしょうか?自由な働き方が魅力のフリーランスですが、リスクもつきものですので、事前の準備が欠かせません。
本記事では、フリーランスへの転身を検討されている方に向けて、フリーランスになるにはどうすればよいのか、メリットやデメリットも含めて解説します。
目次
フリーランスとは
フリーランスになるメリット・デメリット
メリット
デメリット
フリーランスに向いている主な職種
フリーランスになるためにやっておくべきこと
キャリアプランを明確にする
ビジネスプランを考える
事務用の口座
WEBサイトや事業用メールアドレスを作成する
フリーランスになるために必要な手続き
国民健康保険の切り替え
国民年金への加入
開業届・青色申告承認申請の提出
必要書類の準備
案件獲得の方法
フリーランスエージェントから案件を紹介してもらう
求人サイトで業務委託案件を探す
クラウドソーシングで案件を探す
ビジネス系SNS・マッチングアプリで交流を持つ
まとめ
フリーランスとは
フリーランスとは、組織に所属することなく、仕事を請け負う働き方のことを指します。つまり、フリーランスは職種ではなく、仕事の依頼ごとにスキルや成果物を提供し、その対価として報酬を得る形態を取っている人のことを指します。
「個人事業主」や「自営業」と意味を混同しやすいですが、フリーランスが働き方を表すのに対し、個人事業主とは税務署に開業届を提出して、法人ではなく事業を個人で営んでいる人のことを指します。
また、「自営業」は、自身で事業を行う事業主のことで、個人事業主と法人どちらも含まれます。
フリーランスになるメリット・デメリット
フリーランスという働き方には、組織に縛られることなく自由に働けるというメリットが ある反面、収入が不安定になるというデメリットもあります。 ここでは、今後、会社から独立してフリーランスになることを検討されている方へむけてメリットとデメリットをご紹介します。 独立するかどうかの検討材料にしてみてください。
メリット
働き方の自由度が高い
一般的に、働く場所や時間に縛りがなく、カフェや自宅で働くこともできます。出勤にかける時間がなくなり、疲れた時には仮眠をとることができたり、好きな音楽をかけながら作業に集中することもでき、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
仕事の内容を自分で選べる
会社に所属している限り、自分の苦手な仕事やしたくない仕事もする必要がありますが、フリーランスは自分で仕事内容を選ぶことができます。自分のなりたい将来像に向けてキャリアップすることも可能ですし、得意なことや好きな分野の仕事に絞って働くことも可能です。
収入アップが目指せる
会社員であれば月給が固定で支給されるのに比べて、フリーランスは受けた案件の数だけ報酬を得ることができます。案件の数や報酬単価次第では、会社員よりも多くの報酬を得ることも可能になります。また、案件受注の際に自分で報酬金額を交渉することができるため、スキルに見合わない案件であれば報酬の増額を交渉したり、お断りすることもできます。自分のスキルや成果、交渉次第で報酬を上げることができるのがフリーランスとして働く際のやりがいの一つになるでしょう。
ストレスや悩みを軽減できる
フリーランスは組織に所属しないため、職場の人間関係を気にする必要性が低く、人間関係のストレスも軽減されるでしょう。仕事のタイプによっては、企業担当者と密にコミュニケーションを取らなければならないものもあるため、自身の希望に合った案件を選ぶと良いでしょう。また、フリーランスは出社する必要がない案件も多く、満員電車に毎日決められた時間に乗りたくないといった方は、出社義務のない案件を選ぶことをおすすめします。
デメリット
収入が不安定になる
フリーランスは会社員と異なり、毎月固定で必ず収入を得られるという働き方ではないため、クライアントと結んでいる契約が打ち切りになると収入を得ることができません。 また、体調を崩して仕事ができなくなってしまった場合にその間仕事ができず、収入が減ってしまうというリスクもあります。
保険料負担や有給休暇、福利厚生等が受けられなくなる
フリーランスは事業主になるため、労働者として守られることがなくなります。 会社員と比較すると、健康保険や年金などの社会保障に関する内容が劣ってしまいます。 例えば、会社員として働いていると保険料は会社と折半となりますが、フリーランスが健康保険に加入する場合、保険料全額を自分で負担する必要があります。 年金に関しても、会社員は厚生年金に加入できますが、フリーランスは国民年金になり、国民年金の方が受給額が少ないため、そういったことも念頭に置いて、老後への備えが必要です。
社員に比べ社会的信用に乏しくなる
フリーランスは組織に属さず働くことになるので、身元保証をすることができず、社会的信用が乏しくなります。 また、フリーランスは収入が不安定で将来の収入が保証されていないため、クレジットカードの作成、ローン審査、賃貸契約等が難しくなる傾向があります。特に会社員からフリーランスに転身する際は、会社員のうちに新しいクレジットカードを作成しておくと、安心でしょう。
フリーランスに向いている主な職種
フリーランスの働き方に興味をお持ちの方も多いと思いますが、そもそもフリーランスとして受けられる案件が多い職種とそうではない職種があります。 中でもPCとインターネット環境さえあれば仕事ができるエンジニア・クリエイティブ関係の職種はフリーランスとして活躍されている方が多くいます。 独立する前に自分の職種の案件が多いのか、少ないのかといったことは確認しておきましょう。 以下では、フリーランスに向いている主な職種について解説します。
コンサルティング系
フリーランスといえば、エンジニアやデザイナーのイメージが強いかもしれませんが、近年、急成長している分野のひとつとして、コンサルティング領域が挙げられます。マッキンゼーやBCGなどの戦略系やBIG4、 Accenture、アビームなどの総合系、 IBMやNTTデータ、ベイカレントといったIT系、その他、総研、中小ファーム、監査法人、人事系など、幅広い企業の出身者がフリーのコンサルタントとして働いています。
IT系
PM、エンジニア、WEBディレクター、ITコンサルタントなどは中でも市場が伸びており、案件数もかなり多く出回っているため案件も獲得しやすく、在宅で仕事を完結できる職種のためフリーランスに向いている職種といえるでしょう。
クリエイティブ系
フォトグラファー、映像クリエイター、イラストレーター、 WEBデザイナー等は専門的な学校に通って技術を身につける方もいれば、独学で経験を積んで独立する人も少なくありません。 フリーランスが受注できる案件も多く、学生からフリーランスとして活動している方も多いです。
マーケティング系
ライター、広告運用、SNSマーケター、SEOマーケター等は職種によって案件単価は様々ですが、スキルや実績が豊富であればあるほど報酬が向上していく職種になります。 基本的には在宅で働くことができる案件も多いためフリーランスに向いている職種といえるでしょう。
その他
士業系、美容系、トレーナー、モデルなども前職の関わりを活かし、フリーランスとして独立されるケースが多い職種です。 クラウドソーシングサイトや副業サイト、エージェントの公開案件を見てみると多くの職種の依頼が掲載されています。上記の職種に限らず、自分の特技やスキルがフリーランスにあっているのか確認してみてはいかがでしょう。
フリーランスになるために必要な手続き
事務用の口座
フリーランスになると経理も自分で行う必要があるため、私用の口座と事業用の口座を分けておくと、フリーランス関連の出納管理が楽になります。
出納管理がしっかりできていない、または私用のものと混ざってしまっていると確定申告の際に困ってしまいますので口座は分けておくのが良いでしょう。
健康保険の切り替え
フリーランスとして独立した場合、社会保険への加入方法は4つあります。
①健康保険を任意継続
現在加入している健康保険を任意継続することができます。 所属している企業が保険料を半額を負担していましたが、退職すると自分自身で全額を負担する必要があります。継続期間は2年までですが、保険給付内容が変わらないというメリットがあります。
ただし、任意継続被保険者となるためには、次の資格要件をすべて満たす必要があります。
●適用事業所に使用されなくなったため、または適用除外者に該当するに至ったため、被保険者(日雇 特例被保険者を除く)の資格を喪失したこと。
●資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者であったこと。
●資格喪失の日から20日以内に保険者に申し出ること。
●船員保険の被保険者または後期高齢者医療の被保険者でないこと。
国民健康保険と比べて安価で済む場合がありますので上記の資格要件を満たすことができる方は 是非任意継続をご検討してみてはいかがでしょうか。
②国民健康保険
国民健康保険に加入することができます。 退職後すぐは任意継続被保険者となることができますが、任意継続する条件を満たすことができない方は国民保険に加入することになります。 国民健康保険は、国民皆保険(強制加入)制度です。退職・離職した日から、14日以内に自治体の窓口にて届出をする必要があります。 お住まいの市区町村や年度によって保険料は変わり、所得や家族構成、資産などによっても変動しまので正確な情報を把握するために、お住まいの市区町村の役所にご相談ください。
③文芸美術国民健康保険
こちらの保険は国民健康保険と違い、デザイナー・作家・ライター・フォトグラファー・美術など、クリエイティブな業務に関わる人が加入対象となっています。 下記が加入条件になります。
●日本国内に住所を有していること
●文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、組合加盟の各団体の会員であること(会員の家族も含む)
●個人事業主であること(法人の場合は、健康保険が強制適用されるため、国民保険には加入できない)。社会保険・失業保険・厚生年金などが適用されている給料制の社員は加入不可。
●後期高齢者(75歳以上、または65歳以上75歳未満で広域連合より認定を受けている障がいのある方)は加入できない
まずは文美国保に加盟している団体の会員になる必要があります。
④家族の扶養に入る
ご家族の扶養に入る方法があります。
下記の条件を満たす方であればご家族が健康保険に加入していれば扶養家族になれます。
●自身の年間収入が130万円未満
●ご家族の年収の2分の1未満
フリーランスの場合、年間収入から経費を指し引いて計算する必要があります。
加入の際は、被保険者であるご家族に手続きをお願いしてください。
引用元:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650/r316/
開業届・青色申告承認申請の提出
フリーランスとして独立して仕事をする際には税務署へ開業届を出す必要があります。原則事業を開始してから1ヶ月以内に提出しなければなりません。
開業届を出すと税金面でメリットがある青色申告を行うことができるようになります。 青色申告を行うためにはまずは承認申請を提出する必要がありますので合わせて提出するようにしましょう。
年金への加入
厚生年金は会社員が対象の年金のためフリーランスが加入することはできません。 そのため国民年金へ加入することが必要になります。 国民年金への加入は義務とされているため必ず加入の手続きが必要になります。
市区町村役場の窓口にて行います。会社を退職してから14日以内に実行するようにしましょう。その際、年金手帳や印鑑、身分証明書(免許証など)、元の勤務先とその退職年月日が明らかになる書類(退職証明書、離職票、健康保険資格喪失証明書など)といった持ち物が必要になります。
引用元:https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/kokunen/index.html
案件獲得の方法
フリーランスエージェントから案件を紹介してもらう
フリーランスとして独立した当初は、自身で営業活動を行い、案件を獲得するのもなかなか大変です。場合によっては、フリーランス向けの案件を紹介してもらえるエージェントサービスを利用するのも手です。
エージェントサービスによって、強い職種や案件テーマが異なるため、自分に合ったサービスを使いましょう。例えば、コンサルタント系であれば、PODが挙げられますが、こうしたサービスに登録しておくと、希望のテーマや報酬額に合わせて、案件を紹介してもらうことができます。
求人サイトで業務委託案件を探す
求人サイトには正社員としての募集だけでなく、業務委託の案件紹介を行なっているものもあります。業界未経験の方でも募集されている案件もあるため新たなスキルを身につけたい方にもオススメです。 希望に沿った案件があれば応募してみることをオススメします。
クラウドソーシングで案件を探す
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい企業や個人が案件の詳細を提示し、 気になるものがあれば応募することができるサービスです。 フリーランスや企業がスキル経験などを記載し、案件を募集することができるサービスもあるため、スキルや経験に自信のある方はこの機能も活用するのが良いでしょう。
ビジネス系SNS・マッチングアプリで交流を持つ
ビジネスマン同士がマッチングできるSNSを利用し、人脈を増やしたり、経営者に 直接アピールすることができます。
マッチングアプリで知り合った方からの紹介で案件を獲得することができたり、仕事仲間を増やすことができるのがメリットです。
まとめ
今回は、フリーランスになるにはどのような準備が必要なのか、フリーランスのメリットやデメリットも交えて解説しました。
フリーランスに関心をお持ちの方は、会社員を辞めた後、フリーランスの案件を獲得できるのか、不安な方も多いと思います。昨今、フリーランスエージェントやビジネス系SNSの他、さまざまな案件獲得方法が出てきているので、いちど自分の職種の仕事を得るにはどのような方法があるのかリサーチしてみると良いでしょう。
また、フリーランスになるまでには、仕事を獲得する以外にも年金や保険など、おさえておくべきものがあるので、独立を検討されている方はこの記事も参考にやるべきことを整理してみてください。
Professionals on Demand (POD)
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