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2022.12.21 BPRコンサルの全体像|プロジェクト種別や必要なスキルを解説

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BPRコンサルタントとは、事業や業務プロセスの変革を通じて業績向上を支援するコンサルタントです。近年、IT技術活用や人材不足への対応などを背景に、多くの企業・組織は改革に迫られており、BPRコンサルタントの活躍の場が広がっています。 

本記事では、BPRの概要や求められる背景を紹介したうえで、BPRコンサルタントに必要なスキルを解説します。BPRコンサルタントを目指している方は、ぜひ参考にしてください。 

   

  

目次

BPRコンサルの全体像|プロジェクト種別や必要なスキルを解説

BPRとは?

企業にBPRが求められる背景
 グローバル競争の激化
 国内市場のコモディティ化や人口減少
 生産性向上

BPRプロジェクトの種類
 ビジネスモデル変革
 オペレーション変革
 キャパシティ変革

BPRコンサルタントが求められる理由
 社内に知見やリソースが不足している
 部門横断の変革にはセクショナリズムが障壁に

BPRコンサルタントになるために求められるスキル
 論理的思考力
 クライアントに対する交渉・折衝力
 経営やITの知識
 プロジェクトマネジメント
 業務分析能力

BPRコンサルタントのキャリア
 コンサルティングファーム
 BPR専門ベンダー
 フリーコンサルタント

まとめ

  

   

BPRとは?

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BPRとはBusiness Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の略称です。日本語では、「業務改革」を意味し、業務プロセス全体や人事評価、組織構造等を含む抜本的な見直しによって業績向上を図るものです。 

BPRの考え方は、元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマーと経営コンサルタントのジェイムス・チャンピーが1993年に出版した著作によって、世界的に広まりました。 

業務の内容やプロセスは、策定当初は最新のものであったとしても、時間の経過とともに必ず古くなります。従って、世の中の状況や技術の進化にあわせて業務プロセスを見直し、業績向上を図る必要があるのです。 

また、BPRは「業務改革」であって、「業務改善」ではない点には注意が必要です。BPRにおいては既存のルールを打ち壊し、新しいルールを作ることが必要です。これは既存のルールに則って課題解決を図る「業務改善」とは違うものと考えたほうがよいでしょう。 

   

  

企業にBPRが求められる背景

近年、日本でもBPRの重要性に対する意識は高まっています。ここでは企業にBPRが求められるようになった背景を解説します。 

  

グローバル競争の激化 

BPRが求められる背景には、競争が激化する社会を生き残るために、ビジネスを土台から見直す必要性があります。 

一時は「ジャパンアズナンバーワン」と言われていた日本ですが、中国や東南アジア諸国の台頭など、グローバル競争が激化するなかで成長が難しい状況に直面しています。企業がこの状況を打開するには、小手先の改善ではなく抜本的な変革が必要になります。 

グローバル競争で生き残るためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)やカーボンニュートラルをはじめ、サステナビリティへの対応なども重要なテーマとなるでしょう。 

   

国内市場のコモディティ化や人口減少

日本国内ではさまざまな産業で「コモディティ化」が進んでいます。コモディティ化とは、市場の成熟とともに似たり寄ったりな商品やサービスが溢れ、差別化が難しくなることです。こうした産業では価格競争に陥りやすく、結果、多くの企業が収益性の悪化に苦しみます。 

また、日本の人口は減少を続けており、顧客の奪い合いは加速するばかりです。 

コモディティ化や人口減少による競争激化や収益性の悪化に直面するなか、企業はビジネスを根本から見直す必要に迫られているのです。 

  

生産性向上

「労働生産性の国際比較 2021」によれば、日本の一人あたりの労働生産性はOECD加盟国主要31カ国中28位と下位に位置します。 

日本の労働生産性の低さの要因には、残業を良しとする企業文化や付加価値に値段を付けることが苦手な国民性などさまざまです。いずれにせよ、こうした状況を打開するためには、インフラや人事を含め、組織的な変革が必要と言えるでしょう。 

参照:「労働生産性の国際比較 2021」公益財団法人日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/press_2021_new.pdf

   

  

BPRプロジェクトの種類

続いて、BPRプロジェクトの種類について解説します。 

BPRプロジェクトは大きく、ビジネスモデル変革、オペレーション変革、キャパシティ変革の3種類に分けることができます。 

  

ビジネスモデル変革

ビジネスモデルとは、企業が持続的に収益を上げるための仕組みであり、誰に・何を・どうやって、付加価値を提供するかに関する一連のプロセスとも言えます。 

ビジネスモデル変革とは、このプロセスを見直すことで業績向上を目指すものです。 

例えば、「販売するモノを変更すること」「従来あったモノにさらに付加価値をつけて販売すること」「販路を変更すること」などが挙げられますが、どれもがビジネスモデル変革の一部です。 

  

オペレーション変革

ビジネスにおけるオペレーションとは、業務目標に沿って物事を運営したり、推進していくための手順の整備や実行における一連の作業のことであり、オペレーション変革では、「業務フロー」や「作業の進め方」を見直します。最近では業務支援のプラットフォーム活用やデータ活用にも注目が集まっています。 

   

キャパシティ変革

ビジネスにおけるキャパシティとは、受け入れることができる数・量などを意味します。例えば飲食店におけるキャパシティは、「お客様の入数」のことです。従来どおりお客様を入れて営業する場合、座席の数までしかお客様に座っていただくことはできません。キャパシティ変革はこの限界の概念に改革を加えることをいいます。 

実際の飲食店のキャパシティは席数ではなく、1週間、1カ月に訪れるお客様の「総数」です。もちろんこの考え方が通用するのは飲食店だけではありません。運輸業、ホテルなどの宿泊、シアターなどにもいえることです。居心地のよい空間をつくり、再来店していただける動機を増やすと総数を増やすことができます。 

   

   

BPRコンサルタントが求められる理由

業務改革を進める際には、さまざまな壁に直面するものです。BPRコンサルタントは障害を乗り越え、変革を推し進めるキーパーソンとして、多くの企業から求められています。 

ここでは、BPRコンサルタントが求められる理由について、具体的に解説します。

   

社内に知見やリソースが不足している

BPRに取り組んだ経験がない企業には、業務改革の知見やリソースが不足しているケースが多いでしょう。 

従って、すでに多数の企業でBPRの実績があるコンサルタントに依頼することが成功への近道になると考えられます。 

   

部門横断の変革にはセクショナリズムが障壁に

どんな組織でも、変化を好まず、現状を維持しようとする人は一定数いるものです。また組織全体の利益よりも、自部門の権限や利益にこだわってしまうセクショナリズムが横行していれば、全社最適の視点で改革を進めることはできません。 

そのため、企業に対して外部から客観的に意見を言えるコンサルタントを入れた方が、プロジェクトを円滑に進めやすいメリットがあります。 

   

  

BPRコンサルタントに求められるスキル

BPRコンサルタントには、業務改革を円滑に推進するためのスキルが求められます。ここではBPRコンサルタントに求められるスキルについて解説します。 

また、各スキルを利用した実際のプロジェクト例については、以下の記事でご紹介しています。あわせてご参照ください。 

BPRとは?BPRプロジェクトの検討手順やポイントをプロが解説 

  

論理的思考力

論理的思考力とはいわゆるロジカルシンキングのことを指します。現状を分析し、課題や対策の示唆を出すうえで必要不可欠なスキルです。 

業務改革では、複雑な問題を構造的にとらえ、特に重要な課題を発見し、効果的な打ち手を講じる必要があります。限られたリソースで最大のインパクトを出すためにも、BPRコンサルタントにとって特に重要なスキルと言えるでしょう。 

さらに、BPRプロジェクトでは、経営陣や関係各部門に対して課題や打ち手に関する事前説明や状況報告を行う必要があります。相手に理解・納得してもらうためにも、各種ドキュメンテーションやプレゼンテーションを含む、論理的なコミュニケーションが必要になります。 

   

クライアントに対する交渉・折衝力

BPRコンサルタントは、業務遂行するうえで、クライアント内外のさまざまなステークホルダーと連携する必要があります。 

ステークホルダーはそれぞれの立場があり、必ずしも利害が一致しないケースもあります。従って、BPRコンサルタントはクライアント内のキーパーソンが社内で交渉しやすいように後方支援したり、時には自ら調整に出向く必要があります。 

こうした背景から、BPRコンサルタントには、組織内外におけるステークホルダーの把握をはじめ、各々の利害に対する理解と調整を含む交渉・折衝力が求められます。 

  

経営やIT・専門的な業務の知識

抜本的な改革による業績向上を目指すためには、上流の戦略やITに対する理解が必要です。 

IT技術の高度化・普及を背景に、今やあらゆる産業、組織においてIT活用が必要不可欠となっています。BPRにおいても、多くのプロジェクトで何らかITが関わることが多く、IT技術やプラットフォームに関する知識は役立ちます。 

例えば、BPRと密接な関わりがあるものとしてはERP (Enterprise Resource Planning)と呼ばれる基幹システムが挙げられます。 

ERPは企業の会計や人事、生産、物流、販売などの基幹業務を統合し、情報の一元化によって効率化を図るためのシステムです。BPRにおいては、ERPの導入やリプレイスにあわせて業務設計を見直したり、現場への定着化を支援したりするケースがあります。 

ERPを提供する有名なベンダーとしては、SAPやOracle、Intuitなどがあり、最近ではパッケージからクラウド型への移行が進んでいます。

  

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントとはプロジェクトの成功に向けてプロジェクト全体を管理することです。メンバーに割り振った業務などをマネージャーとしてしっかり管理することで、効率良く業務を遂行できます。 

プロジェクトマネジメントを行うためには、目的を達成するためにすべきこと、達成までのスケジュールなどを細やかに設定する必要があります。スケジュールに沿った進行ができているかを常に確認し、問題があればスケジュールを変更したり、プロジェクトそのものに変更や調整を加えたりする場面もあるでしょう。 

BPRにおけるプロジェクトマネジメントは、目標とする期限内にBPRを達成するためにも必要不可欠です。マネジメントの知識や管理ツールに関するスキルが求められます。 

PMOの役割とは?PMとの違いや必要なスキルを解説 

    

業務分析能力

BPRコンサルタントは、現状の業務プロセスや業務内容を正しく理解し、問題点を見つけ出すために業務分析を行います。この際役立つのが業務フローチャートです。 

例えば、クライアントへのヒヤリングを通して業務フローチャートを作成し、以下のような点をふまえて問題点を炙り出します。 

  

  • ●繰り返し業務や阻害業務 
  • ●重複業務(別チーム、別部門との重複) 
  • ●本質的には不要、あるいは付加価値が低い業務 

   

   

BPRコンサルタントのキャリア

市場ニーズが高まるBPRコンサルタントにはさまざまな活躍の場があります。以下ではBPRコンサルタントのキャリアを解説します。 

   

コンサルティングファーム

BPRコンサルタントの活躍の場として代表的なのがコンサルティングファームです。 

大手ファームでは、比較的大きなプロジェクトに関われる機会があり、BPRコンサルタントとして経験を積むうえで良い環境と言えます。 

   

BRR専門ベンダー

BPR関連のサービスやツールを提供するBPR専門のベンダーで働くという選択肢もあります。 

こうしたベンダーでは、BPR関連の自社ツールやシステム提供に加え、BPRコンサルティングを行っているケースもあります。 

システムの専門知識が身に付くというメリットがある一方、所属するベンダー製品しか扱えないといったデメリットもあります。コンサルティングファームのBPRコンサルタントに比べると、俯瞰した立場での問題解決がしづらいとも言えます。 

   

フリーコンサルタント 

最近では、ファームや専門ベンダー経験を経て、フリーランスのBPRコンサルタントとして活躍する人も増えています。 

組織に属さないため、好きな時間や場所で仕事ができることや自身の好みに応じてプロジェクトを選べるメリットがあります。 

スキルや経験次第ですが、月に100万円〜250万円ほど稼ぐことも可能なので、収入アップを実現しやすいのも魅力と言えます。 

デメリットとしては案件開拓が挙げられます。ファーム在籍時は会社の看板がありますが、個人で営業すると相手にしてもらえないことの方が多いでしょう。 

そのような場合におすすめなのが、PODなどの案件を紹介してくれるエージェントの活用です。 

PODにはBPRの高額案件や幅広い稼働率の案件が豊富なので、気になった方は相談してみると良いでしょう。 

  

   

まとめ

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今回は、BPRの概要をはじめ、BPRコンサルタントに必要なスキルやキャリアについてご紹介しました。 

近年、ビジネス環境の変化を背景に、改革に迫られる企業が増えており、事業や業務プロセスの変革を通じて業績向上を支援するBPRコンサルタントの活躍の場が広がっています。BPRコンサルタントに興味のある方は、ぜひご自身の進路の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。 

  

   

  

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