2023.10.11 4週間で生成AIを使いこなし20以上の実用機能を開発、LMの「GPTブートキャンプ」
米OpenAI(オープンAI)が提供する対話型AI(人工知能)「ChatGPT」などの生成AIを利用したサービスを提供する企業が増えている。そんな中、組織人事コンサルティングのリンクアンドモチベーション(LM)は2023年4月から6月にかけて、GPTなどの大規模言語モデル(LLM)を利用した機能やツールを開発する「GPTブートキャンプ」という取り組みを実施した。
同社に所属するほぼすべてのエンジニアである約70人がこの取り組みに参加。5~6人でチームを組み、それぞれのチームが3~4週間で機能やツールを開発した。その結果、20以上の機能やツールを開発できたという。
短期間で多くの成果物を生み出せたのは、開発にも生成AIを活用したからだ。
生成AIと人事コンサルは相性がいい
リンクアンドモチベーションは、ChatGPTなどの生成AIが登場した当初からサービスの開発に生かそうと模索していた。その理由は「自然言語の扱いがとてもうまいことや文章の意味を含めて理解できることが、自社のビジネスと相性がいいと考えた」(柴戸執行役員)からだ。
組織人事コンサルティングを手掛けるリンクアンドモチベーションにとって、顧客である企業や組織に変革を促す提案をすることは重要な業務の1つだ。社内には、データがExcelやPowerPointなどの形式で蓄積されていたが、顧客ごとに独立性が高く、従来は活用が難しかったという。
AIを利用すれば、従来のデータとヒアリング時の画像や動画などを組み合わせて分析し、人間では気付かないわずかな変化を検出できる可能性がある。
訓練だけでなく実用的な成果を目指す
とにかく現場が生成AIに慣れるように、冒頭で説明したGPTブートキャンプを企画した。ブートキャンプはもともと米軍の新兵訓練を意味する。しかし、同執行役員は「練習しても試合に出ないと意味がない」と考えた。
そこでGPTブートキャンプでは、実用的な機能やツールを完成させることを目指した。また、あえて3~4週間という短い期間を設定することで、「無駄な作業を削減し、参加者が自らの役割を超えて取り組むことを狙った」(柴戸執行役員)という。
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