2023.08.17 日本総合研究所|シンクタンクも兼ね備えるコンサルティングファームの企業特徴
日本総合研究所は、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)のシンクタンクです。SMBCグループが展開するさまざまな金融ビジネスの分野を中心に、ITソリューションの提供・経営戦略のコンサルティング・新事業の創出・リサーチ事業などを展開する日本総合研究所。その事業内容やファームの特徴を紹介します。
目次
日本総合研究所の事業内容
リサーチ(シンクタンク)事業
インキュベーション事業
コンサルティング事業
ITソリューション事業
日本総合研究所の会社概要
日本総合研究所のファーム特徴
SMBCグループの財務基盤が強み
専門家集団「先端技術ラボ」を創設
まとめ
日本総合研究所の事業内容
日本総合研究所は「リサーチ(シンクタンク)」「インキュベーション」「コンサルティング」「ITソリューション」の4つの事業を展開する総合情報サービス企業です。国内外の経済の調査分析や政策提言などの発信、新規事業の創出支援、経営戦略・行政改革などのコンサルティング、グループ企業に対する戦略的なITシステムの企画・構築など、多岐にわたり活動を展開しています。それぞれの事業を解説しましょう。
リサーチ(シンクタンク)事業
日本総合研究所のリサーチ部門では、シンクタンクとしてグローバル経済・マーケット分析・予測などに関する情報を発信しています。政府に対しても、経済成長と財政再建の両立、地方経済の活性化、税や社会保障制度の抜本改革など、経済社会問題政策を提言。社員が政府の各種審議会・委員会にメンバーとして参画して、政策立案にも貢献しています。
日本総合研究所のリサーチ部門の具体的な実績としては「税・社会保障の抜本改革」プロジェクトへの参加が挙げられます。「税・社会保障の抜本改革」プロジェクトでは、日本の実情に応じた社会保障のあり方を追求。社会保障制度の持続性確保と財政健全化の両立を図る方策などの情報発信を行っています。
「地方創生の再構築」プロジェクトにも参画。地方の人口減少が本格化していることで生じているさまざまな問題への対処法や、持続可能な地域モデルの構築などの提言もしています。また「デジタル時代の価値創造」プロジェクトでは、ICTの飛躍的進歩に伴う社会環境の劇的な変化、世界的な産業構造の変化などをふまえ、企業の新たな価値創造に関する提言を行っています。
インキュベーション事業
インキュベーションとは、起業や新事業の創出を支援して、成長を促進させること。日本総合研究所のインキュベーション部門では、サスティナブルな経済活動の促進や環境・エネルギー問題、高齢者問題や農業改革などの課題解決に向けて、ビジョンを提示し実現に向けた戦略と実行の支援を行っています。
インキュベーション部門では、社会的課題を起点として独自のビジョンや事業コンセプトを創出して、行政や業界に対して新たな事業スキームを提言。賛同するステークホルダーと共に、プロトタイプの製作・検証や事業計画の策定を行い、新規事業を創出します。
インキュベーション部門の具体的な活動としては、地域内の公共交通として期待されるラストマイル自動移動サービスを実現させる「RAPOCラボ(Risk Assessment Process Of Community-Vehicle Lab)」や、スマートシティ構築の核となる再生可能エネルギー導入の拡大を図る配電事業について提言を行う「ローカルグリッド研究会」などがあります。
コンサルティング事業
コンサルティング部門が行うのは、官公庁の支援、民間企業の経営支援、新しい国づくりのための提言、持続可能な社会に向けた仕組みづくりなど。それらを通じて質の高い成長が実感できる日本の実現を目指しています。
コンサルティング部門が理念とするのは、新たな顧客価値の共創。日本が世界に通用するための競争力向上に寄与すべく、クライアント企業や、政府、自治体に対してさまざまなコンサルティングサービスを提供しています。
コンサルティング領域は「経営戦略・事業戦略」「M&A戦略」「財務戦略」「経営改革」「マーケティング・営業力強化」「オーナー経営支援」「業務改革・IT技術戦略・イノベーションサステナビリティ経営」「組織・人材マネジメント」など。競争力のある得意分野に絞った組織設計によって、戦略の策定から実行支援までを一貫してサポートしています。
ITソリューション事業
ITソリューション部門では、SMBCグループの中核企業として蓄積してきた金融ITのノウハウをベースに、デジタルトランスフォーメーションやデジタライゼーションを支援しています。
金融の基幹業務システムは24時間365日、止まることが許されない重要な社会インフラ。金融の基幹業務システムを支えるためには、システム自体に高い信頼性と耐障害性が求められます。
また万一、障害が発生したときに影響を最低限にとどめる機能やサポート体制が不可欠なため、日本総合研究所のITソリューション部門は、常に新しい技術の採用や研究開発を行いながら、銀行や利用者の利便性向上に貢献しています。
ITソリューション部門の開発実績としては、個人向けインターネットバンキング「SMBCダイレクト」や外国為替先物予約サービス「i-Deal」、グローバル統合財務管理サービス 「SMAR&TS」やクレジットカードサイト「Vpass」などがあります。
日本総合研究所の会社概要
【代表者】
代表取締役社長 谷崎 勝教氏
【会社公式URL】
【設立年】
1969年2月20日
【資本金】
100億円
【売上高】
1,417億円(2021年3月期)
【従業員数】
2,768名(2021年3月末現在)
【企業理念】
「知識エンジニアリング」活動によるお客様価値共創
【沿革】
1969年2月 株式会社 住友銀行から分離独立。「日本情報サービス株式会社」設立
1989年12月 「株式会社日本総合研究所」に社名変更。総合研究本部を新設
1995年4月 住友ビジネスコンサルティング株式会社と合併
2003年2月 株式会社三井住友フィナンシャルグループに合流
日本総合研究所のファーム特徴
経済・社会の本質を的確に捉える「リサーチ」、時代に求められる産業を創造する「インキュベーション」、持続的な成長の構築・支援する「コンサルティング」、デジタルイノベーションを実現させる「ITソリューション」の4つの機能を提供してきた日本総合研究所。その強みや特徴を紹介します。
SMBCグループの財務基盤が強み
日本総合研究所の強みは、銀行業務を中心にさまざまな金融サービスを提供してきたSMBCグループの総合力を活用できるところです。2003年にSMBCグループに吸収合併されて以来、日本総合研究所はSMBCグループの事業展開に深く関わり、ITの観点からSMBCデジタライゼーションを支えています。
単なるシステム開発にとどまらず、SMBCグループ各社の事業にも踏み込み、ビジネス戦略の実現をITの観点から支援。近年ではSMBCグループ各社のデジタルトランスフォーメーションも支援しながら、各社との協業を通じて新たな金融デジタルサービスの創出に貢献しています。
売上高が例年、1000億円を超える基準で右肩上がりに推移しているのもSMBCグループの安定した財務基盤があるため。銀行、リース、証券、クレジットカード、コンシューマーファイナンス等、幅広い事業を展開する「複合金融グループ」の中核企業であることは、日本総合研究所の大きなアドバンテージです。
専門家集団「先端技術ラボ」を創設
コンサルティングファームに近年、求められているのがITコンサルティング・ITソリューションです。その需要に対応するべく日本総合研究所が2017年10月に設立したのが「先端技術ラボ」です。
先端技術ラボがリサーチ対象としている技術は、スマートデバイス、IoT・ネットワーク、ビッグデータ、AI(人工知能)、ブロックチェーン、量子コンピュータなど。例えば、AIにもさまざまな領域や技術の成熟度があります。その中からSMBCグループの顧客に役立つ技術を見極めることで、日本総合研究所のITソリューションを高めていくことが先端技術ラボの使命です。
まとめ
調査分析・政策提言、新規事業の創出支援、経営戦略・改革などのコンサルティング、グループ企業へのITシステムの企画・構築など幅広い活動をしている日本総合研究所の事業内容とファームの特徴をご紹介しました。
日本有数の法人顧客層を持つ銀行や証券等を有するSMBCグループの安定した財務基盤や総合力の活用は日本総合研究所ならではといえるでしょう。
近年は、専門家集団によるITソリューションを高めることを目的とした先端技術の見極めで、さらに活力ある日本の実現に向けて活動の場を広げています。
Professinals on Demand
PODは「フリーコンサルタント」と「プロフェッショナル人材を求める企業」とをつなぐマッチングサービスです。経営戦略をはじめ、IT上流要件定義、DX、PM/PMO、新規事業、BPR、M&Aなど、幅広いプロジェクトが豊富です。
フリーコンサルタントとして活躍されている方や独立・起業を検討されている方はお気軽にご相談ください。
詳しくはこちら