2023.02.20 AIコンサルタントが求められる理由とは?AI活用事例や市場の将来性と合わせて解説
DX化などのAIブームにより注目されているのが、AIコンサルタントです。AIコンサルタントとは、クライアントの課題に対してAIの知見を活かして解決する仕事です。AIによって様々な仕事がなくなると言われていますが、AIコンサルタントはそのAIを導入・運用する仕事であるため、今後はますます需要が高まっていくことが予測されます。
ITエンジニアやプログラマーからの転職も可能であり、キャリアアップとして検討している人も多いのではないでしょうか?当記事では、そんなAIコンサルタントを志望している人に向けて、AIコンサルタントについて詳しく紹介していきます。
目次
AIコンサルタントが求められる理由とは?AI活用事例や市場の将来性と合わせて解説
AI(人口知能)活用事例
自動車の自動運転
SiriやAlexaなどのバーチャルアシスタント
非接触検温
クレジットカードの不正使用検知
AIコンサルタントの役割・仕事内容
調査・ヒアリング
分析
提案
マネジメント
AIコンサルタントに必要なスキル
AIとITに関する知識
論理的思考力
コミュニケーション能力
そもそもAIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、直訳すると「人工知能」という意味です。人間は日々、外界から多くの情報を受け取っています。そしてその情報を脳内で処理し、推測や判断を行っています。このような人間の知能をコンピューターで再現する技術がAIです。
このAI技術を企業に導入することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現できるようになります。これまで人間が行っていた労働をAIが取って代わることで、質を一定に保ちながら、効率的に行ってくれるのです。日本の労働人口の減少が叫ばれる中、AIはもっとも期待されている分野の一つと言えるでしょう。
AI(人口知能)活用事例
AI(人工知能)は様々な分野で活用されています。その中でも今まさに注目を集めているのが、「ChatGPT」です。ChatGPTとは、2022年11月にOpenAIがリリースしたチャットボットツール。AIがユーザの質問に回答するだけでなく、自動で記事やコードなどを書いてくれる革新的なサービスです。1週間で100万人、2023年1月末には1億2,300万人にユーザー数が達したとして、大きな話題となっています。それに対抗するように、2023年2月、GoogleがAIを搭載した新たなチャットボット『Bard(詩人)』を試験者に公開したことも世界的に関心を集めています。
もちろん、AIはチャットボットだけではありません。他にどのような活用事例があるのでしょうか?主なAIの活用事例として、以下のようなものが挙げられます。
- ●自動車の自動運転
- ●SiriやAlexaなどのバーチャルアシスタント
- ●非接触検温
- ●クレジットカードの不正使用検知
- ●工場における不良品検知
- ●資産の運用・管理
- ●自動会計
この中から4つの事例を具体的に紹介していきます。
自動車の自動運転
今様々な自動車メーカーが力を入れているのが自動運転です。この自動運転の技術にもAIが活用されています。カメラやセンサー、人工衛星の位置情報システムなどによって周囲の状況を認知し、AIが予測と判断をして、ハンドルやアクセル制御などの操作をするという仕組みです。
SiriやAlexaなどのバーチャルアシスタント
SiriやAlexaなどのバーチャルアシスタント機能を日常生活で利用している人も多いのではないでしょうか。このバーチャルアシスタントにも、音声認識やテキスト変換などのAI技術が使用されています。
非接触検温
新型コロナウイルスの影響で普及した非接触検温。この非接触検温にAIの技術を用いたのが、ソフトバンク株式会社が開発した「SenseThunder(センス・サンダー)」です。AIによる顔認識技術と赤外線カメラを活用することで、マスクを着用したままでも検温ができるようになったのです。
クレジットカードの不正使用検知
クレジットカードの不正使用も、AIが検知できるようになっています。AIの特徴であるディープラーニングを活用し、ユーザの利用パターンや不正利用時のパターンを学習させます。そして不正利用が疑われる場合には、ユーザに連絡がいく仕組みになっているのです。
急拡大のAI市場のこれから
AI市場はこれからどうなっていくのでしょうか?株式会社アイ・ティ・アール(ITR)の調査に(※1)よると、日本国内の2022年度の売上金額は513億3,000万円、前年度比では19.9%の増加となりました。また、2020〜2025年にかけてのCAGR(年平均成長率)は18.7%、2025年度には市場規模が1,200億円に達するという予測も発表しました。
「AI主要8市場規模推移および予測:分野別(2019~2025年度)」
今後、各業種における導入がさらに加速していくと考えられるAI技術。DX化などを目的としてAIを導入することで、業務効率化だけでなく、ユーザや従業員の満足度を上げることも期待できます。一方で、AIを導入している企業と導入していない企業でビジネス格差が開いていくことも懸念されています。
※1 出典:ITR Market View:AI市場2021|株式会社アイ・ティ・アール(ITR)
AIコンサルタントが求められる理由
急拡大しているAI市場で今求められているのがAIコンサルタントです。AIコンサルタントとは、AI技術の知見を活かして企業の課題を解決する仕事です。多くの知識やスキルが求められるため、対応できる人材が少ないのが現状です。
経済産業省の調査(※1)によると、国内のAI人材は2018年時点で3.4万人不足し、2030年には12.4万人までにも拡大していく見通しです。DX化などのAIブームで開発案件が急増している一方で、AIコンサルタントは対応できる人材が少ない「超売り手市場」になっています。
※1 出典:平成31年4月 IT人材需給に関する調査|経済産業省 情報技術利用促進課
AIコンサルタントの役割・仕事内容
AIコンサルタントの役割は、クライアントが抱える経営課題や業務課題に対して、最適なAIソリューションを導入することです。課題解決の手段以外は、一般的なコンサルタントと同様です。AIコンサルタントの仕事内容について、具体的に説明していきます。
調査・ヒアリング
まずは調査やヒアリングでクライアントの情報を集めます。クライアントが認識している課題と実際の課題が異なるケースもあるため、しっかりと調査を行うことが重要です。また、クライアントによっては、AI技術を過大評価しているケースもあります。AI技術によってできることの擦り合わせも忘れないように行います。
分析
調査・ヒアリングで把握した課題に対して、どのようなソリューションがあるのかを分析していきます。課題によっては、AIで解決する必要がないものである場合があります。本当にAIが必要なのかを見極めることも大切です。またソリューションだけでなく、優先順位を考えたり、現状や課題を整理したりするのもこのフェーズです。
提案
分析が完了したら、クライアントに提案をします。クライアントの現状や課題を説明し、その課題に対して最適なソリューションは何かを提示します。この際には、なぜそのソリューションが最適なのかを論理的に伝えることがポイントです。
マネジメント
ソリューションに対して合意を得たら、実際にプロジェクトマネジメントしていきます。予算や納期に応じて人材をアサインし、円滑に業務を遂行していきます。場合によっては開発チームの一員となり、技術指導やノウハウ提供などを行うこともあります。
AIコンサルタントの年収・報酬
AIコンサルタントの年収は、勤める企業や勤務形態によって大きく異なります。会社員の場合、AIコンサルタントの平均年収は以下の通りです。
- ●20代:500万円程度(316.5万円)
- ●30代:730万円程度(427.5万円)
- ●40代:900万円程度(487.5万円)
※()内は国税庁調査(※2)よる同年代の平均年収
専門性が求められる職種であるため、同年代の平均年収と比べると高い金額です。シニアやマネージャーなど経験豊富なコンサルタントであれば、年収2,000~3,000万円になることもあります。
経営者やフリーランスの場合、給与ではなく、プロジェクトごとに報酬が支払われますが、報酬は平均して月額100万円以上であることが多いです。継続して案件を受けていると、年収1,000万円を超えることが珍しくありません。
ちなみに稼働時間についてですが、弊社のフリーコンサルタント向けマッチングサービス「POD」で紹介している案件では「100%稼働が必要な案件」が割合として多いですが、中には稼働率が20%〜80%で可能な案件や、週に1回訪問するなどの顧問型の案件もあります。このように稼働時間などはプロジェクトやクライアント企業次第になるので、フリーコンサルタントとして案件を選択する際は報酬だけでなく、稼働時間も考慮する必要があります。
※2 出典:民間給与実態統計調査|国税庁長官官房企画課
ITコンサルタントの求人・案件を探す
会社員の場合、大手正社員向け転職サイトなどで求人を探します。フリーコンサルタントの場合は、先ほど紹介したPODのようなフリーコンサルタント向けのマッチングサービスを利用して案件を探すことができます。
AI市場のニーズの拡大によって、正社員求人・フリーコンサルタント案件のどちらも増えている状況ですが、AIやITに関するスキルや経験が十分にあるコンサルタントであれば、フリーコンサルタントとして案件を受注することを一度検討してみてはいかがでしょうか。会社員としてAIコンサルを行うよりも、比較的高い報酬を得ることができるでしょう。
ITなどのテーマや報酬金額から探せるPOD案件一覧はこちらから
AIコンサルタントに必要なスキル
AIコンサルタントに必要なスキルは、以下の3点です。
- 1. AIとITに関する知識
- 2. 論理的思考力
- 3. コミュニケーション能力
それぞれのスキルがなぜ必要とされるのかを説明していきます。
AIとITに関する知識
クライアントの課題をAIソリューションで解決をする仕事であるため、AIとITに関する幅広い知識が求められます。AIの技術は日々進歩しているため、AIやITに関する最新の情報は必ずチェックしておきましょう。
論理的思考力
論理的思考力はAIに限らず、コンサルタントに不可欠なスキルです。現状や課題を分析したり、クライアントにソリューションを提案したりする上で必要になります。なぜそのAIソリューションを導入すべきなのかをクライアントに説明して納得してもらうために、論理的思考力は養っておきましょう。
コミュニケーション能力
論理的思考力と同様にコンサルタントに必須のスキルです。調査やヒアリングをしたり、ソリューションを提案したりする上で、複雑かつ高度なコミュニケーションが必要になるからです。また、プロジェクトをマネジメントする際には、チームメンバーに指示を出して納期までにAIソリューションを完成させなければなりません。様々な人の協力を得て進めていく必要があるためにもコミュニケーション能力は欠かせないスキルです。
AIコンサルタントになるには
AIコンサルタントになるためには、資格や免許などは不要です。しかし、ITコンサルやITエンジニアなどのIT関連業界でスキルや知識を蓄える必要があります。具体的には、以下のような企業で経験を積むのがおすすめです。
- ●コンサルファーム
- ●AIベンチャー
- ●事業会社で自社のAI開発に携わる
コンサルティングファームの中でも、AIコンサルを提供している企業に就職することができると、そのままAIコンサルタントになれる可能性があります。AIコンサルを提供しているコンサルティングファームとして、具体的に以下のような企業が挙げられます。
・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストン・コンサルティング・グループ
・IBM
AIベンチャーや事業会社で自社のAI開発に携わった場合は、上記のような企業に転職をしてAIコンサルタントになることができます。さらに、企業でAIコンサルタントとして経験を積むと、ステップアップとしてフリーランスのAIコンサルタントも視野に入れることができるでしょう。
そして、AIやITに関する最新の情報をチェックすることが大切とお伝えしましたが、最新の情報は英語で発信されることが多いのもAI分野の特徴です。またクライアントの公用語が英語であるケースもあるため、語学力を磨いておくと武器になります。
まとめ
AIコンサルタントは、ITを中心に様々な知識やスキル、そして経験が求められる仕事です。新しい技術で専門性も高いため、人材が不足している状況です。
現在IT関連の業務に携わっている人であれば、当記事でご紹介したAIコンサルタントへのスキルアップを検討してみてはいかがでしょうか。IT関連の業務で経験を積み、フリーランスのAIコンサルタントに転向すれば、大幅な年収アップが見込めるでしょう。
フリーランスのAIコンサルタント案件に興味をお持ちの方は、フリーコンサルタント向けマッチングサービスのPODでAI・IT関連の案件をぜひチェックしてみてください。
フリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」
「POD」は、先端技術(AI・Fintech)以外にも経営・戦略やIT上流・要件定義、SAP、DX、新規事業、PM・PMOなど、幅広い分野のプロジェクトを取り扱う、フリーコンサルタント向けの案件紹介サービスです。
「フリーコンサルタントに興味があるけれど、どの程度稼げそうか…」、「理想の働き方を実現したいけれど、可能だろうか…」、「年収アップを実現できるか…」など、独立に際して気になることがあれば、事前に相談してみてはいかがでしょうか。