今回のコラムでは、金融業界におけるDX（デジタルトランスフォーメーション）の取組みについてご紹介します。近年では、あらゆる業種でDXへの取組みが推進されており、金融業界も例外ではありません。特に証券業界では、対面営業からオンラインチャネルへの移行や手数料ゼロ化など、これまでと競争軸が変わってきています。そこで今回は、各証券会社のIR資料を参照しながら、「証券業界の最新DX事情」についてシェアしていきたいと思います。

※売上高:2021年10月時点

　　

目次

・金融/証券業界の最新DX事例・取組み｜売上トップ5社
　-　１位：野村證券
　-　２位：大和証券
　-　３位：三菱ＵＦＪ証券ホールディングス
　-　４位：みずほ証券
　-　５位：ＳＭＢＣ日興証券
・まとめ

　　

金融/証券業界の最新DX事例・取組み｜売上トップ５社

証券売上高トップ5社のDX事例や取組みをまとめました。各社の戦略とあわせて、参考ページもまとめておりますので、ご一読ください。

　　

１位：野村證券

最初に、証券売上高１位の野村證券（5,897億円）のDX事例です。

野村證券は、デジタル技術を活用してオンラインとオフラインをシームレスに融合させたサービスを提供しています。

　　

社内業務の効率化/高度化

・社内業務の自動化・効率化を推進し、付加価値の高い分析・アドバイザリー業務に注力

　　

既存顧客UI/UXを改善

・満足度の高いコミュニケーション手法を活用して、野村のサービスを提供
・コンタクト・センターを通じたコンサルティング
・Nomura Navigation

　　

新たな顧客層へのアプローチ

・スマホ投資サービス
・スマホアプリによる野村コンテンツ提供

　　

全く新しい価値提供

・オリジネーション&アドバイザリー
・市場インフラ
・お客様のイノベーション推進をサポート

※出典:「特集 |デジタル・トランスフォーメーション」

野村證券のDXの取組みについて、詳細が知りたい方には以下のページが参考になります。

野村證券がDX戦略の一環として展開する「FINTOS！」の認証･認可機能にAuth0を採用

特集 | デジタル・トランスフォーメーション

　　

　　

２位：大和証券

証券売上高2位（5,395億円）、大和証券のDX事例です。

大和証券は新中期経営計画”Passion for the Best”2023を策定しており、スローガン・基本方針として以下を掲げています。

　　

新中期経営計画 基本方針

・クライアントファーストとクオリティNo.1の実現
・ハイブリッド戦略による新たな資金循環の確率
・デジタルとリアルのベストミックスの追求

　　　

デジタル戦略の推進の主な注カテーマ

・対顧客チャネル(オンラインコンサルティング)
・プロダクト・ソリューションの拡充
・バック事務のデジタル化・集約
・データ解析・活用の強化 等

※出典:「2021年度経営戦略説明会」

大和証券のDXの取組みについて、詳細が知りたい方には以下のページが参考になります。

2021年度経営戦略説明会

　　

　　

３位：三菱ＵＦＪ証券ホールディングス

証券売上高5位（3,880億円）、三菱ＵＦＪ証券ホールディングスのDX事例です。

三菱ＵＦＪ証券ホールディングスは、銀行と証券が一体となってデジタルトランスフォーメーションに推進し、新しい価値提供を行うことを目指しています。

　　

MUFGの事業活動

下記4分野でデジタルトランスフォーメーションを実施。

・コマーシャルバンキング（貸出・預金・決済など）
・インベストバンキング（M＆A、資本市場業務）
・アセットマネジメント/インベスターサービス
・市場（セールス＆トレーディング等）

三菱ＵＦＪ証券ホールディングスのDXの取組みについて、詳細が知りたい方には以下のページが参考になります。

MUFG Report 2020ディスクロージャー誌 2020 本編　統合報告

デジタルトランスフォーメーション戦略

　　　

　　

４位：みずほ証券

証券売上高4位（3,736億円）、みずほ証券のDX事例です。

みずほ証券は、お客さまとのパートナーシップの更なる深化に向けて、「ビジネス」、「財務」、「経営基盤」の3つの構造改革を進捗中です。ビジネス領域においては、DX推進による対面営業スタイルを高度化することで、個人運用を深化させていこうとしています。

　　

3つの構造改革

・ビジネス（個人運用/中堅IB法個一体/投資銀行/S&T）
・財務（収益・経費構造）
・経営基盤（人事/IT・システム）

※出典:「2021年3月期 第2四半期決算説明資料」P3

みずほ証券のDXの取組みについて、詳細が知りたい方には以下のページが参考になります。

2021年3月期 第2四半期決算説明資料

　　

　　

５位：ＳＭＢＣ日興証券

証券売上高3位（3683億円）、SMBC日興証券のDX事例です。

SMBC日興証券は、デジタルトランスフォーメーションの推進を掲げており、新たな金融の未来を創っていこうという姿勢が伺い知れます。

“今、私たちは、お客さまの多様なニーズにお応えするために、AIや最先端のデジタル技術を積極的に導入するだけでなく、一人ひとりのお客さまへのよりきめ細やかな対応を目指した商品・付加価値の提供に取り組んでいます。”

※出典:「Digital Transformation ‐創る金融の未来-」

SMBC日興証券株式会社のDXの取組みについて、詳細が知りたい方には以下のページが参考になります。

SMBC日興グループSDGsコミュニケーションブック2021 P12、16

中期経営計画Second Stage 2021 P11

Digital Transformation ‐創る金融の未来-

　　

　　

まとめ

今回は金融業界の中でも特に、証券売上高トップ5社にスポットをあてた形で、各社のDX事例/取組みをまとめました。金融業界では急速にDXが広がっており、各社の戦略においてもDXの重要性が伺えます。デジタル技術の変化は早く、業界に携わる方にとって日々の情報収集は大変だと思いますので、今後も最新動向や事例など、皆さんのお役に立つような記事を発信していきたいと思います。