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2017.11.17 ~INTERVIEW~ 経営共創基盤の10年【第3回】IGPIはなぜ「AIブーム」到来前から取り組むことができたのか

経営共創基盤 川上登福氏

経営共創基盤(IGPI)という会社は実にユニークな会社だ。コンサルティングファームの枠を超え、ヒト・チエ・カネを活用してビジネスをするプロフェッショナルファームだ。今までの2回の連載では、稼ぐ力が眠っている企業や、最先端の技術・サービスを持つ企業への投資というIGPIの側面が明らかになった。

今回はIGPIの多様な事業領域の一つ、「株式会社IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス」(以下BAI)に焦点を当ててみたい。
 
BAIは、昨今話題のAI分野におけるIGPIの戦略子会社で、ビッグデータの活用やAI(人工知能)の最先端の開発を行っている。IGPIはなぜ現在のAIブームに先駆けてBAIを立ち上げられたのか、また、何が行われているのか、今回はその点を解き明かしていきたい。BAI代表取締役CEOの川上登福氏がその疑問に答える。

AIとビジネスデータをどう使えばいいかがわかっている経営パートナー

聞き手(コンサル業界ニュース):「IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス」(BAI)ではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

川上登福BAI代表取締役CEO(以下、川上氏):経営課題に対してAIをどのように活用すべきかという問いに対して、クライアントごとに個別に検討から、場合によってはAIの構築まで支援しています。クライアントに対するBAIの位置付けは、AIとデータをどう使えばいいかがわかっている経営パートナーといったところでしょうか。

昨今、AI導入を支援する様々な企業がマーケティングを積極的に行っていることもあり、メディアを中心にAIへの注目が高まっていますし、多くの企業でもトップが「AIを活用しなければならない」という考えに至りつつあります。

ただし、一言で「AIを活用する」といっても、その実現の仕方は色々。エクセルでデータを処理するだけで留めておくことが企業にとって良い判断の場合もありますし、単純な条件分岐を行うシステムを構築する場合もある。さらには深層学習(ディープラーニング)等のAIの開発が必要な場合もある。

こういった様々な選択肢の中で、実現したいことや、AI活用に対する投資対リターンを考慮し、各企業が判断していかなければならないのですが、その支援をパートナーとして行っています。

我々は、決してAI至上主義ではないので何でもAIで解決すべきとも考えていません。何もAIを使わなくても解決できることもあるのです。AIで解くべき問題もありますが、エクセルで十分な時もあるのです。しかもエクセルはほとんどの人が使えるので、経営課題に対してみんなが突っ込むことができ、企業経営における活用レベルは圧倒的に高いのです。だから、経営判断としてはそちらの方が正しいとも言えるのです。

ビジネスで活用するためには精度の問題も重要です。仮に人間がやれば精度70%なのに、AIの精度が35%ならば、使っても意味がありません。経営判断において、どの精度がないとビジネスレベルで使えないか、ということを考えてAIの活用を考えることは重要です。

我々、BAIは、事業経営支援、そして実際のAI開発を通して、ビジネス・経営と、AIやデータ活用の両方を知っているので、そういった経営支援をクライアントに対して行うことが出来ます。

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プロフィール:川上登福氏 大手商社・GEで営業・マーケティング、新規事業開発、M&A、JV・業務提携等に従事。IGPI参画後は、戦略策定・新規事業開発、データ解析・アルゴリズム開発、データ活用戦略策定のプロジェクトを多数統括。IGPI取締役マネージングディレクター、国立研究開発法人「産業技術総合研究所」客員研究員、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)技術委員、日本ディープラーニング協会 理事。

→NextPage : IGPIではどのようにしてAI領域が事業化されBAIが新設されたのか。そのパートナーとは?

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