2013.06.24 IFRS最新情報。任意適用要件の緩和により、20社から増えるのか?
金融庁は6月19日に開催したの企業会計審議会においてとりまとめた「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を公表した。
国際会計基準(IFRS)の導入について、日本では2009年より本格的な議論がなされており、2010年3月期決算より任意適用となっている。IFRSを任意適用している日本国内の企業は20社という状況。国際会計基準を公表することにより、投資家が同じ尺度で会計を比べられることになり、日本の企業が海外の投資家に評価されやすくなり、海外の資本が流入しやすくなるメリットがあると一般的に言われる。一方、任意適用するにしても、その作業は大変である。システムへの投資も必要になってくるであろう。そのため、簡単に「じゃ、導入!」というわけにはいかないのが、この手の話であろう。J-SOXのように強制適用になったとすれば、話はまた別だ。
今回、金融庁は、IFRSへの対応の当面の方針として、「任意適用要件の緩和」、「IFRSの適用の方法」及び「単体開示の簡素化」の3つを示した。
そのうち、任意適用要件の緩和が最も注目される。現在のIFRSの任意適用制度は、「1.上場していること」、「2.IFRSによる連結財務諸表の適正性確保への取組・体制整備をしていること」、「3.国際的な財務活動又は事業活動を行っていること」の3つの要件を全て充たした会社を「特定会社」と定義し、IFRSを適用して連結財務諸表を提出することができることとしてる。今回の方針で、このうちの「上場企業」及び「国際的な財務活動・事業活動」の要件は撤廃する方向。
この撤廃は、上場準備段階からIFRSの適用を希望するIPO企業の負担が軽減されるなど、新興市場の育成という観点からも有用で、「IFRSの任意適用が可能な企業数は大幅に増加することになる」としている。果たしてそうなるのであろうか?
今回のとりまとめでは、その強制適用を企業に課するかについては「未だその判断をすべき状況にないものと考えられる」とした上で、IFRSの導入によって国際的な競争力が涵養されることを鑑み、その導入基準を緩和することは「有意義」であり、「IFRSを任意適用する企業が増加することにより(中略)国際的にも、IFRS策定への日本の発言力の確保等に資することになる」ともしている。
詳しくは以下、金融庁のページをご覧ください。
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20130620-2.html