2016.04.25 VOYAGE GROUP宇佐美進典氏(トーマツ出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
宇佐美進典氏のプロフィール
旧トーマツコンサルティング、ベンチャー企業での経験を活かし起業
Voyage Group宇佐美進典氏
Voyage Group代表取締役社長兼CEOの宇佐美進典氏は、愛知県出身の1972年生まれ。早稲田大商学部を卒業後、経営コンサルティング会社の旧トーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に入社。信販会社のシステムリプレースのプロジェクトなどに従事し、2年後に退職。知人が立ち上げたソフトウェア関連のベンチャー企業への転職を経て、1999年にアクシブドットコムを設立。
同社は当初、さまざまな企業が実施しているキャンペーンを集めた懸賞サイト「MyID」を運営していたが、マーケットの競争激化を背景に、中長期的な成長は困難と判断。2004年に立ち上げた価格比較サイト「ECナビ」に事業を移行。当時「カカクコム」の独壇場であった同マーケットに勝算を見込んだ。2011年に社名を「Voyage Group」に変更。
出典:同社WEBサイト http://voyagegroup.com/
Voyage Group社のサービス
メディア事業とアドテクノロジー事業の二軸展開
宇佐美進典氏が設立したVoyage Group社は、メディア事業とアドテクノロジー事業を展開。メディア事業では、欲しい商品の価格を比較できるインターネットサイト「ECナビ」を運営。アドテクノロジー事業では、メディアの広告枠や広告収益の最大化を支援するツールを販売している。
ECナビは商品価格の比較だけでなく、オンラインショップや商品に関する口コミ情報も掲載。また、ユーザーに親しみを持ってもらおうと「ポイント制」を導入した。一定のポイントが貯まると現金や電子マネー、ギフト券に交換できる仕組みだ。ポイントはECナビでの買い物のほか、懸賞への応募、アンケートへの協力、簡単なゲームに参加することなどで貯まる。また、レシートを撮影してスマートフォンアプリの「レシトク」に登録すれば、ECナビのポイントにもできるというユニークなサービスもある。
自社メディア運営の中で、広告収入に関するノウハウが蓄積。そのノウハウを活用してアドテクノロジー事業を開始した。同事業ではWeb検索やリスティング広告の導入支援、広告配信の最適化を支援するSSP(Supply-Side-Platform)事業をインターネットメディア事業者に対し展開。
学生時代から起業を見据えてコンサルファームへと就職した宇佐美進典氏。順調に事業を展開し、ECナビでは2014年に会員数400万人、累計ポイント発行額100億円を超える実績を持つ。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
既存事業の拡大と、積極的な新規事業の開拓
同社は2014年7月に東証マザーズ市場へ上場。2015年9月には東証第一部へ市場変更。
また、今後の事業展開の方針性として、アドテクノロジー事業での広告プラットフォームへの進化、メディア事業での新規メディアの創造などを挙げている。
アドテクノロジー事業では、既存SSPシェア拡大に加え、従来のメディア視点だけではなく広告主の課題やニーズにも応えた広告プラットフォームの構築を目指す。メディア事業でも、ECナビを始めとするポイント制の既存販促メディアの拡大だけでなく、新規メディア開拓のための事業提携や協業、M&Aも視野に入れるという。