2016.04.24 ラクスル松本恭攝氏(ATカーニー出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
松本恭攝氏のプロフィール
A.T.カーニーでのコンサル時代の気づきから起業へ
ラスクル松本恭攝氏
ラスクル代表取締役の松本氏は、1984年、富山県生まれ。2008年に慶應義塾大商学部を卒業し、A.T.カーニーに入社。2009年にラクスル株式会社(以下ラスクル)を設立。
A.T.カーニーで、クライアントのコスト削減プロジェクトに携わる中で、印刷費がコスト削減を行う上で最も効率が良いと考えた。大規模市場でありながら「非効率な仕組み」が残る印刷業界を、インターネットの力で変えるべくラスクル社を設立したという。
2010年に印刷通販の価格比較サイトを立ち上げた後、全国の印刷業者のデータベースを強みに印刷通販事業に着手。そして2015年には「チラシラスクル」「ラスクルポスト」「ハコベル」と立て続けに新規事業を展開。
出典:同社WEBサイト http://corp.raksul.com/
ラスクル社のサービス
印刷関連サービスを包括的に事業化
松本恭攝氏が設立したラスクル社は、印刷通販事業を始め、安価なチラシ制作・折込サービス、配送ビジネスなどの事業を展開。
同社は自社で印刷機を持たず、全国1700社以上の印刷会社と提携して事業を展開。ウェブサイト「ラクスル」から顧客の注文を受け、印刷物のサイズや種類、納期に応じて最適な印刷会社をマッチングし、発注、印刷する仕組みだ。印刷会社が稼働していない時間帯を使って印刷することでコストを削減。印刷会社もインターネット経由の受注で営業コスト削減に。ユーザー数は2013年の提供開始から約2年で20万人を超える。
「チラシラスクル」サービスはチラシのデザイン、印刷、折込配布までをワンストップで提供。同社受注の7割以上が中小企業によるチラシ印刷の依頼ということを受け、販路の拡大に悩んでいる一方で、チラシデザインなどのノウハウに乏しい中小企業や個人商店の集客支援を目的とし、同サービスを開始したという。
また「ラスクルポスト」サービスでは、チラシのポスティングをウェブサイトから依頼できる。ウェブサイトの地図上で配布したい地域を町丁単位で選択すると、配布枚数と配布可能日が分かる。さらに、同社が2015年12月に始めた最新事業「ハコベル」は、運送会社の空き時間を利用して低価格な配送を実現している。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
総額40億円の増資。事業展開の加速を狙う
ラスクル社は、2015年に事業強化を目的に総額40億円の第三者割当増資を実施。引受先は、既存株主であるオプト、グローバル・ブレイン、WiL、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ANRI、電通デジタル・ホールディングス、GMO VenturePartnersに加え、新たにリンクアンドモチベーション、グリーベンチャーズ、Global Catalyst Partners Japanが参加。
この増資により印刷Eコマース事業を基盤に、中小企業のオフラインでの集客支援を目的とした、集客支援プラットフォーム事業の加速を目指すという。
関連ニュース: ATカーニー出身の松本恭攝氏が起業したラクスルが総額40億円の増資https://pod.jp/consulnews/2015/02/18/raksul/