2019.05.19 アクセンチュアがVR・ARの最新調査を発表 没入体験やアバター利用による犯罪リスクを警告
【ニューヨーク発】5月15日、アクセンチュアはXR※に関する最新の調査を発表した。アクセンチュアがG20若手起業家連盟(G20 YEA)と共同で作成した調査結果によると、XRは経済や社会に極めて大きなメリットをもたらしうる反面、アバターの使用や没入的な体験をによって、従来にはなかったリスクをもたらす可能性があることが明らかになった。
※XR(Extended Reality):仮想現実(Virtual Reality)や拡張現実(Augmented Reality)、そのほかの没入型ツールなどを含めた総称
新たなリスクとしては、具体的には以下が示されている。
・個人情報の悪用:個人情報やソーシャルメディア上の行動履歴のほか、人の感情や行為、判断までもが盗難・改ざんされるリスク
・フェイク体験:没入型の体験により事実とフィクションを切り離すことが困難になるリスク
・サイバーセキュリティ:アバターによる新たな形態の犯罪リスクや、外科手術のような没入型技術への依存度が大きい業務が脅威を受けるリスク
・反社会的行為:アバターを使った仮想世界で反社会的行為が常態化するリスク
上記を踏まえ、ビジネスリーダーはXR導入の初期段階から、XRツールやビジネスモデルの責任ある設計、開発および市場への導入に積極的に関わることが求められる。調査では、XRを適切に活用していくため、企業や政策立案者といったXR産業のステークホルダーに対して以下のような行動を要請してる。
<企業>
・独自の早期警戒システムを構築:「責任意識のある文化」を醸成すること
・多様なエキスパートの動員:神経科学やメンタルヘルスの専門家、社会学者、行動理論の専門家などの領域を含めたエコシステムを組織化し、XRツールの責任ある設計や利用を強化すること
・従業員の能力強化への投資:従業員の生産性向上やトレーニング、創造性にターゲットを定めてXRへの投資を行うこと
<政策立案者>
・XR体験へのアクセス確保:5Gネットワークのような新しく強力なインフラを拡大し、XR体験を適切な料金で幅広く利用できるようにすること
・地域のイノベーター・起業家を奨励:中小企業でもXRツールやXR体験に開発フェーズから参画できる環境を整え、地域密着型のソリューションを生み出すこと
・XRに関する研究・議論の促進:さまざまな業界や領域からエキスパートを結集させ、XRが適切なセーフガードを維持しながらイノベーションを生み出せるよう、必要な共通理解や指針の構築に取り組むこと
本レポートの日本語版は抄訳のみが公開されており、全文和訳は追って公開予定だという。
詳しくは以下のリリースをご覧ください
https://www.accenture.com/jp-ja/company-news-releases-20190516