2017.07.14 PwCがデジタル化を調査。日本企業のChief Digital Officer設置企業は7%
PwCコンサルティングの戦略策定チーム「Strategy&」は12日、グローバルと日本国内のCDO(Chief Digital Officer)の設置企業動向を調査したレポート「日本企業のデジタル化とCDO」を発表し、日本はCDO設置企業が7%にとどまっていることが明らかになった。また、デジタル化実行フェーズでの経営層のサポート不足も88%と高い割合を示しており、まだまだこれからということが浮かび上がってきた。
CDOはデジタル化対応のための全社的な変革を担当する役職。2015年から2016念の間に、グローバルではCDO設置企業は6%から19%に拡大。日本企業も0%から7%に増加しているものの、グローバル企業との間では差が大きいこともわかる。
日本は、「デジタル化を推進している」と回答した企業は88%にも上る。しかし、その一方で「今後の推進の意向」について、75%が「横並びあるいは同業他社の状況を見つつ進める」と回答しており、唐木明子パートナーは「横並び、あるいは後追いの姿勢では、真のデジタル化は望むことができない」と分析している。
また、実行段階にある企業においては、経営層のサポートには不満が大きく、検討段階のサポート満足度43%から実行段階で12%にまで低下。いざデジタル化の実行段階になって同業他社を見るような日本国内特有の事情があるようだ。
デジタル化は全社的な変革となるために、グローバルでは社外からCDOは社外から招くケースが47%もある。唐木氏は「社外からの招聘は従来の常識にとらわれないスピード感をもった本質的なデジタル化の推進という意味ではきわめて有効である一方で、社内のインフォーマルなネットワークの構築が重要となります」と述べた。
今回のCDO調査(グローバル)は、2016年7月1日現在、世界の時価総額トップ2500社について、役員データベース、SNSなどで調査を実施。
日本国内の調査は、従業員500人以上の部長職以上2423人を対象スクリーニング調査。デジタル化を推進しているとした企業の部長職以上300人に対して16年11月に調査。また、特徴的な取り組みを行う10社にインタビュー調査を行っている。