2022.11.14 ベインアンドカンパニー|結果主義を信条とする世界有数のコンサルティングファーム
ベインアンドカンパニーは、マッキンゼーやBCCと並び、戦略コンサルティングファームの中心的企業の一つです。さまざまな分野における専門知識と包括的な視点を活かして、結果にこだわるコンサルティングを展開しています。またESG投資やプロボノ活動といった社会貢献分野でも存在感を示しているファームです。今回は、ベインアンドカンパニーの事業内容や企業概要、独自の特徴について紹介します。
目次
・ベインアンドカンパニーのファーム特徴
- ESG調査への協力
- 積極的なプロボノ活動
・まとめ
ベインアンドカンパニーの会社概要
まずはベインアンドカンパニーの会社概要について見ていきましょう。
●代表者:マニー・マセダ
●会社公式URL:https://www.bain.com/ja/
●設立年:1973年
●資本金:非公開
●売上高:45億ドル
●従業員数:10,500名
●企業理念:「True North」(真北)
●沿革:
・ 1982年 東京オフィス開設
・ 1984年 ベインキャピタル設立
ベインアンドカンパニーは、世界39ヵ国に64拠点を備える、グローバル経営戦略コンサルファームです。
1973年、新しいコンサルティングを追求・実現したいと願う4名のコンサルタントが独立し、米国ボストンで会社を設立。
ベインには、「コンサルタントが顧客に届けられるのは、単なるレポートではなく、結果だ」という原則があります。不確実な未来の中でも競争に勝つために、独自性の高い戦略を提案し、具体的な行動まで落とし込んでいます。
社風
ベインの社風を語る際によく使われる言葉が「True North」(真北)です。この言葉が示しているのは「本当に重要な目標」であり、一見正しいと思える答えや理論上は可能だが実現は難しいような机上の空論に惑わされずに、クライアントの最大価値を追求しようと言っています。
ベインは従業員からの評判も良く、働きやすい企業ランキングで米国の大企業で3位、コンサルティング会社では1位に立ったこともあります。
ランキングは業務内容や職場環境、報酬、カルチャー、ワークライフバランスなどの職場特性に対する従業員からのフィードバックによって作成されています。
従業員は多様性の尊重、協力的な文化、チーム間の仲間意識、知的でやりがいのある業務、柔軟なキャリアパスなどが魅力だと答えています。
シニアメンバーが、メンバーの長期的なキャリア形成や専門的な能力開発を積極的に支援してくれるメンター制度もランキングで好評を得た要因です。
ベインアンドカンパニーの事業内容
続いて、ベインの事業内容を紹介します。ベインは、クライアントの経営層に働きかけ、変革を実現する最適な意思決定・実行を手助けし、継続的な利益の創出を支援しています。
ベインは企業を「変化を続ける有機体」だとみなし、さまざまな観点から多面的に捉えることを重視しています。今まで培った幅広い業界での知見を融合させることで、クライアントの最重要課題に対して、具体的かつユニークな解決策を提案できるのが強みです。
結果を出すコンサルティングに注力し、フォーチューン500(米国のフォーチューン誌が年一回発行する、収入額の上位500社を示したリスト)で名が出るような企業へのサポートでも実績を残しています。
幅広い業界で培った深い専門知識と、他業界における主要な経営テーマでの経験を結び付け、独創的な発想で具体性のある解決策を提案。
例えばテクノロジーの領域では、クラウドコンピューティングの導入によってどのように既存ビジネスを成長に導けるか、いかにコアビジネスにテクノロジーを組み込めるかなどの戦略構築を支援しています。
消費財の場合も価格設定や顧客ニーズの分析、製品イノベーションに加え、ブランディングからサプライチェーンの効率化に至るまで、利益拡大や持続的な発展に役立つコンサルティングサービスを展開中です。
機能別プラクティクスでは戦略、マーケティング、オペレーション、デジタル化、コーポレートファイナンスなどを中心に展開しています。機能面の深い専門知識と包括的な視点の両方が備わっていると定評です。
一つの組織や領域にとどまらず、その視座の高さを活かして、どのような組織でも機会を産み出すことが可能です。組織全体の最適化を目指し、一つ一つの組織を扱う場合と比較して、何倍もの価値を産み出す支援を行っています。
ベインの独自のコンサルティング手法「Results360®」は、豊富な専門知識と最先端の研修・ツールを組み合わせたアプローチです。企業に一回だけではない継続的な変化をもたらし、真の変革の実現に寄与します。
ベインアンドカンパニーのファーム特徴
ベインアンドカンパニーは世界を席巻するグローバルコンサルティングファームとして、社会貢献活動にも意欲的に取り組んでいます。
具体的にどのような取り組みを行っているか、2つの活動を紹介します。
ESG調査への協力
ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のそれぞれの頭文字を取っており、持続的・長期的な発展のために企業が取り組む活動の軸を示す言葉です。
ESGに関する報告書を発行する企業も増えており、今や投資家とのコミュニケーションの上でも不可欠な要素です。
ベインアンドカンパニーはあるデータ解析企業と連携して、日本企業のESGに関する論文を発表しました。
ベインは脱炭素化のテーマにおける調査に携わり、今回のレポートでは脱炭素化の活動で優れた企業のランキングを公表しています。産業・企業別の炭素排出量にとどまらず、有望な技術領域、脱酸素の必要性が高い個別産業までも示しています。
今まではESGをリスクだと捉え、どういった対策を練るかという議論が一般的でしたが、今後は各企業が持つ技術やイノベーションを活かして、事業として昇華させることが重要になってきます。
特に脱炭素化は2050年のカーボンニュートラル実現を目標に、世界各国が高い目標を設定し、削減に取り組んでいます。脱炭素ビジネスは事業としての成長性も期待できる領域です。
ベインはクライアントと協働し、全世界の再生可能エネルギーや公共事業の領域で数百件におよぶプロジェクトを展開してきました。
クライアントには各セクターを代表する、発電会社や公益事業会社、コングロマリット、エネルギー取引企業などが含まれます。
こられの経験によって、ベインには発電、送電、配電、取引、保管といった専門知識が蓄積されました。したがって、クライアントが脱炭素ビジネスを展開する際も、強力なサポートを実施できるでしょう。
積極的なプロボノの実施
ベインは非営利活動に対して無償サポートを行ったり、リソースを割いて業務で取り組んだりするプロボノ活動にも積極的です。
清掃や植林など、企業が地域のボランティア活動を行うケースは珍しくありませんでしたが、プロボノは単なる労力の提供ではなく、従業員が自らの能力を活かして、問題解決を担うことが特色です。
例えばコンサルタントがNPOの運営に関してアドバイスを行ったり、一般企業が活動に必要なノウハウを伝授したりすることが挙げられます。
プロボノは通常の仕事と同様、結果を出すことに意義があり、プロフェッショナルとして質を重視した活動が求められます。
近年、社会の課題解決に取り組む活動が盛り上がっており、NPO法人の数も年々増加。意欲やアイディアを活かして、社会課題解決に携わりたいと考える人が増えていると言えるでしょう。
プロボノに積極的なベインは、今後は新たに活動を始める後進者の模範になるかもしれません。
まとめ
ベインアンドカンパニーは「True North」を合言葉に、クライアントの発展に直結する答えを何よりも重視する、結果にこだわる企業です。
コンサルティングサービスの質が高いことは言うまでもなく、従業員からの評価も高いことが特徴です。働きやすい企業ランキングではコンサルティング会社でNo.1を獲得しています。多様性が尊重され、チーム間の仲間たちの結束も強いため好評です。
また脱炭素化やプロボノ活動といった、社会貢献度が高い領域でも存在感を示しています。
ベインは事業内容・社風・社会貢献のどれをとっても一流で、お手本となる企業です。コンサルティング業務に従事する方はベインの理念や仕事の進め方を取り入れてみても良いでしょう。