2021.11.25 BCG(ボストンコンサルティンググループ)の事業内容や特徴
コンサルティング業界は有名大学出身者に人気の業界のひとつであり、なかでも外資系戦略ファームは特に人気です。今回は、外資系戦略ファームのBCG(ボストンコンサルティンググループ)について、事業内容や会社概要、専門チーム、BCG発の経営コンセプト等をご紹介します。外資系戦略ファームに興味がある学生や転職を検討されている方は、ぜひご覧ください。
目次
・BCGの事業内容
- BCGのケイパビリティ
- BCG出身の起業家・経営者
・BCGの会社概要
- 企業理念
- オフィス
・専門チーム
- BCG Digital Ventures
- BCG GAMMA
- BCG TURN
- BCG Platinion
- BCG Henderson Institute
- BCG BrightHouse
- BCG Expand
- Inverto
- Centre for Public Impact
・BCG発の経営コンセプト
- エクスペリエンス・カーブ(経験曲線)
- プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス(PPM)
- タイムベース競争
- デコンストラクション
・まとめ
BCGの事業内容
ボストン コンサルティング グループ (Boston Consulting Group:BCG) は、1963年に設立されたコンサルティングファームで、ブルース・ヘンダーソンやジェイムズ・アベグレンによって設立されました。世界50ヶ国、90以上の都市で事業を展開するグローバルな戦略系コンサルティングファームであり、マッキンゼー・アンド・カンパニーと並び、世界を代表するコンサルティングファームのひとつとして知られています。
日本オフィスは1966年に東京に設立され、現在は名古屋、大阪、京都にもオフィスを構えています。日本国内で経営コンサルティングというもの自体があまり知られていない時代から事業展開しており、世界はもちろん、日本のコンサルティング業界を牽引してきたファームの一つといえます。
BCGのケイパビリティ
BCGが取り扱うテーマは多岐に渡り、例えば次のようなものがあげられます。
Business Transformation
Business and Organizational Purpose
Corporate Finance and Strategy
Customer Insights
Digital, Technology, and Data
Diversity, Equity, and Inclusion
International Business
Innovation Strategy and Delivery
M&A, Transactions, and PMI
Manufacturing
Marketing and Sales
Operations
OrganizationPeople Strategy
Pricing and Revenue Management
Social Impact and Sustainability
Zero-Based Budgeting
BCG出身の起業家・経営者
日系戦略ファームのドリームインキュベータ(DI)やコーポレイト ディレクション(CDI)はいずれもBCG出身者が立ち上げたファームであることは知られていますが、コンサルティング業界をはじめ、様々な業界でBCG出身者が活躍しています。
ここでは、BCG出身の起業家・経営者について、代表的な役職をご紹介いたします。
・パナソニック株式会社 代表取締役専務 樋口泰行
・ラクスル株式会社 取締役COO 福島 広造
・株式会社 経営共創基盤 代表取締役 冨山 和彦
・株式会社アルー 代表取締役社長 落合文四郎
・ライフネット生命保険会社 取締役会長 岩瀬 大輔
・株式会社ドリームインキュベータ 創業者 堀 紘一
・株式会社ミスミ 代表取締役社長・CEO 三枝匡
・株式会社一休 代表取締役 榊 淳
BCGの会社概要
ここではBCGの会社概要について記載します。
・社名 :株式会社ボストン コンサルティング グループ
・代表者 :リッチ・レッサー(President & CEO)
秋池 玲子(日本共同代表)
内田 有希昌 (日本共同代表)
・会社HP :https://www.bcg.com/ja-jp/
・設立年 :1963年
1966年(日本オフィス)
・従業員数:22,000
・沿革 :1963年 ブルース・ヘンダーソンがアメリカ、ボストンで設立。
1966年 東京オフィス開設。
1980年頃 欧州へ進出。
2000年頃 アジア、インド等へ進出。
2003年 名古屋オフィス開設
2016年 BCGデジタルベンチャーズ 東京に新センター設立。
2020年 大阪オフィス、京都オフィス開設。
企業理念
BCGのHPには「About Our Purpose」として、以下が示されています。
1. We bring insight to light by challenging traditional thinking and ways of operating and bringing new perspectives to the toughest problems.
2. We drive inspired impact by looking beyond the next deadline to the next decade and by collaborating closely with our clients to enable and energize their organizations.
3. We conquer complexity by discovering unique sources of competitive advantage and hidden truths in dynamic, complex systems.
4. We lead with integrity by confronting the hard issues, staying true to our values, and stating our views candidly and directly.
5. We grow by growing others, enabling our clients, colleagues, and the broader community to build success and achieve their full potential.
オフィス
東京オフィス
〒103-0022
東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号
日本橋室町三井タワー25階
+81 (0)3-6387-2000
名古屋オフィス
〒450-6036
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4
JRセントラルタワーズ36階+81 (0)52 533 3466
大阪オフィス
〒532-0003
大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36
新大阪トラストタワー17階+81 (0)6-7178-1000
京都オフィス
〒600-8009
京都府京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町88
K.I.四条ビル2階+81 (0)75-777-1100
BCG DIGITAL VENTURES IN TOKYO
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿4-5-3 ブエナビスタ恵比寿2階
専門チーム
BCGには様々な専門チームがあります。ここでは各専門チームの概要をご紹介します。
BCG Digital Ventures
BCG Digital Ventures(BCGDV)はBCGの知見を活かしながら、イノベーション創出やデジタル領域のビジネス構築を世界有数の企業と提携しながら行う組織です。
従来、大企業がデジタル分野の新規事業を開発する際、機能レイヤーごとに専門のファームと協業するケースが多く、レイヤーごとに生じた分断により、戦略の機能不全や事業開発スピードがあがらないといった問題がありました。こうした課題を解決するために立ち上がったのがBCGDVです。
また、エンド・トゥ・エンドのサービスを支えるうえで重要なのが多様なバックグラウンドをもつ専門家です。BCGDVにはグローバルに6拠点、400人の専門家が在籍(2016年4月時点)しており、例えば以下のような専門家を抱えています。
・ベンチャーアーキテクト
・プロダクトマネージャー
・ストラテジックデザイナー
・エクスペリエンスデザイナー
・エンジニア
・マーケティング/グロース・エキスパート
BCG GAMMA
BCG GAMMAは、コンピューターサイエンスや人工知能、統計、機械学習等の専門スキルを武器に組織変革支援を行うチームです。データアナリティクスのエキスパート集団であり、分析にとどまらずサービスやアプリケーションをつくるところからクライアントに入り込む点が特徴です。
BCG TURN
BCG TURNは、企業改革・再生の専門グループです。
BCG Platinion
BCG Platinionは、プラットフォームやデジタル関連製品、ITアーキテクチャの設計、構築、実装等を通じてクライアントの業務効率化を支援する専門組織です。
BCG Henderson Institute
ヘンダーソン研究所は、将来のビジネスに関するアイデアの開発を行っている組織です。
BCG BrightHouse
BCG傘下の世界的なクリエイティブ・コンサルティングファームです。パーパス・コンサルティングのパイオニアであり、企業の諸活動の原動力となる「WHY」にスポットを当て、組織の生産性と収益性を根本的に向上させる支援を行っています。
BCG Expand
金融サービス機関の運用戦略支援、開発、検証、実行等の支援を行う組織です。
Inverto
BCGのグループ企業であるInvertoは、調達およびサプライチェーンのコンサルタント会社です。
Centre for Public Impact
政府機関を支援する非営利財団です。
BCG発の経営コンセプト
BCGといえば、コンサルティング業界の先駆けとなる経営コンセプトを開発したことで知られています。例えば、「エクスペリエンス・カーブ(経験曲線)」や「プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス(PPM)」、「タイムベース競争」は元々、BCGが発行していた「Perspectives(展望)」と名付けた戦略に関する小冊子のなかで発表されたものです。その他にもインターネット時代の競争戦略に関わる「デコンストラクション(deconstruction)」もBCGが考案した経営コンセプトです。
ここでは上記4つの経営コンセプトについて、それぞれ簡単に概要をご紹介したいと思います。
エクスペリエンス・カーブ(経験曲線)
Wikipediaによると、エクスペリエンス・カーブは以下のように書かれています。
経験曲線効果(けいけんきょくせんこうか、英: experience curve effect)とは、経験と効率との間の関係を示す経験則である。単に経験効果とも呼ばれる[1]。一般に個人や組織が特定の課題について経験を蓄積するにつれて、より効率的にその課題をこなせるようになることを指す。また累積生産量の増加に伴って、製品数量ごとの間接費を含めた総コストが予測可能な一定の割合で低下していくことを指す。
プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス(PPM)
Wikipediaによると、プロダクト・ポートフォリオ・マトリクスは以下のように書かれています。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは経営資源を最適に配分することを目的として、ボストン・コンサルティング・グループが1970年代に提唱したマネジメント手法。製品ライフサイクルと製品製造現場における経験曲線効果の概念を元にした経営理論。GE社のマネジメントスクリーンはこれを応用して開発されたもの。
タイムベース競争
タイムベース競争とは、1980年代にBCGが考案した経営コンセプトのひとつです。企業の競争戦略において「“時間”こそが希少資源である」と考え、時間短縮によって競争優位を築こうとする考え方です。
デコンストラクション
デコンストラクションはBCGが考案した経営コンセプトのひとつで、バリューチェーンの再構築に関するものです。バリューチェーンの再構築にあたり、脅威や機会を確認するためのチェックリストとして以下の5つが挙げられます。
①バリューチェーン全体の中でコストの割に価値の低いところはどこか
②自社の事業は、顧客のバリューチェーンの一部か、全部か
③自社の事業で、ネットワーク化によって影響を受けるのはどこか
④現在の戦略的資産のうち、負債となるものはどれか
⑤どのような新しい活動・能力が必要になるか
バリューチェーンの再構築は、競争優位構築の観点から新規ビジネスの創出にも役立ち、BCGはビジネス創出のパターンとして以下の4つをとりあげています。
①レイヤーマスター(特定の付加価値活動で優位性を築く方法
②オーケストレーター(独立した企業が連なる新たなバリューチェーンを構築・運営し、全体の価値を高める方法)
③マーケット・メーカー(既存チャネルの弱みや、欠点をついて新市場を開拓する方法)
④パーソナル・エージェント(ネット上の無数の情報を整理するナビゲーターが、新たな購買代理店として機能する方法。)
まとめ
今回は戦略系コンサルティングファームのBCGについて、事業内容や会社概要、専門チーム、BCG発の経営コンセプト等について解説しました。コンサルティング業界に興味がある学生や社会人の方の参考になれば幸いです。