2021.03.09 ベイン「グローバルM&Aレポート」、2021年のM&Aは活発化
3月1日、ベインアンドカンパニー(以下、ベイン)は、「グローバルM&Aレポート2021」を発行し、その結果を公表した。本レポートは、M&Aを手掛けた約300人を対象とした調査を行い、その結果がまとめられている。
今回の調査における回答者の約半数が、自身の業界で2021年にM&Aが活発化すると予測しており、今後3年間における自社成長の45%をM&Aが後押すると予測していることが明らかになった。さらに、この数字は過去3年と比較すると、約15%増加している。
本レポートで示された2021年のM&Aに関するポイントは、以下の5点である。
・取引マルチプルの驚くべき上昇:
世界全体におけるEV/EBITDA倍率(企業価値を利払い税引前減価償却前利益で割った数値)の中央値は、テクノロジーや通信、デジタルメディア、製薬などの急成長産業がけん引し、2019年と比較して13~14倍に上昇。
・売却の緊急性の高まり:
M&A実行者の約40%が、今後1年で売却取引の増加を見込んでおり、主に小売りやエネルギー、医療業界での売却が活発化すると予想。
・成長と新たなケイパビリティ獲得に対する興味は継続:
テクノロジーやデジタル関連の新たなケイパビリティ獲得を目的としたスコープディールのシェアが高まっており、10億ドル超の取引全体に占めるスコープディールのシェアは件数ベースで56%であり、2015年比で15%増加。
・ローカル化が進むサプライチェーン:
本調査の約6割の回答者が、今後のサプライチェーンの取引評価においてローカル化を重要視すると予測。それにより、アジア企業による南北アメリカやヨーロッパでのアウトバウンドM&Aは前年比29%減少。
・バーチャルなデューディリジェンスと統合:
オンラインでのデューディリジェンスの浸透などを含め、ESGもM&Aの基準として重要とされるようになり、新たなデューディリジェンス能力の開発やデータソースの活用が求められる。
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