2023.11.07 NTTデータとテュフズードがAIアプリケーションの品質向上に向けて協業
国際的な第三者認証機関であるテュフズード(本部:ドイツ・ミュンヘン)は、NTTデータとのAI(人工知能)アプリケーションの品質向上に関する協業をした。NTTデータは今後、テュフズードが開発したAI品質フレームワークを活用し、AIを活用したアプリケーションの信頼性を高め、その品質を保証していく。協力契約には、テュフズードが開発したAI品質フレームワークおよび適切な分析ツールの使用が含まれる。これにより、NTTデータの顧客は、市場にフォーカスした高品質のAIアプリケーション設計・開発が可能になる。
テュフズードのAI品質フレームワークは、組織がAIアプリケーションに潜在するリスクを特定し、アプリケーションの公正性(fairness)、説明可能性(explicability)、堅牢性(robustness)を試験できるガイダンスとツールを提供する。
市場に合った設計・開発プロセスを可能にする、AI品質フレームワークとは
AI品質フレームワークは、品質と市場を重視したAIアプリケーションの開発・利用を目指す組織をサポートする。このフレームワークには、データ管理、AIの堅牢性、AIアプリケーションのライフサイクルと品質保証、安全性とセキュリティ、AIアプリケーションの制御や試験など、高品質なAIアプリケーションの基礎が盛り込まれている。
同時に、消費者は、安全でセキュアなAIアプリケーションを確保するための法的枠組みを求めている。テュフ組織(TUV-Verband)がドイツ国民を対象に、AIの問題に対処する法規制に関する意見調査を行ったところ、その結果は非常に明確で、回答者の91%が、AIの安全でセキュアな利用を確保するための法的枠組みを確立するための法整備を求めていた。さらに回答者の83%が、AIの規制と利用の方向性として、ヨーロッパの価値観を取り入れるべきだと考えていることも明らかになった。
欧州(EU)のAI法によって規制される、AIに関する品質保証と倫理的な問題
しかしながら、AI関連のリスクはしばしば過小評価されていた。AIのアルゴリズムバイアスは、年齢、性別、民族性などで差別し、特定のグループに不利な決定を下すことが多々ある。これは顧客の信頼を失うだけでなく、欧州の価値観や法律に違反し、将来的には高額な制裁金を科される可能性もある問題である。このAIアプリケーションの悪影響を最小限に抑えるため、AIシステムの使用と開発に関する規則とガイダンスを定める欧州(EU)のAI法は、今年中に最終決定されると見込まれている。
世界的な第三者認証機関であるテュフズードは、AIアプリケーションの品質管理(QM)と品質保証(QA)に関する多数のサービスを提供しています。トレーニングに加え、テュフズードは品質分析、リスク評価、監査サービスを提供する。
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