2023.02.27 ITコンサルタントの年収は?会社員とフリーコンサルの違いや高年収を目指す方法を解説
ITコンサルタントとは、経営課題に沿ってシステム開発の提案やシステムの最適化などを行い、経営をITの側面から支援するIT戦略のスペシャリストです。ITエンジニアやSEなどの経験を経てから目指す人も多い職業ですが、実際にITコンサルタントになるとどのくらいの年収を得ることができるのでしょうか?
当記事では、ITコンサルタントの年収・報酬について詳しく紹介していきます。
目次
ITコンサルタントの年収は?会社員とフリーコンサルとの違いやさらに高年収を目指す方法を解説
ITコンサルタントの平均年収は?
ITコンサルタント会社員の場合
フリーのITコンサルタントの場合
ITコンサルタントの年収・報酬を上げるには?
スキルレベルを上げて年収アップ
役職/昇進昇格で年収アップ
専門分野・領域を変えて年収アップ
ITコンサルタントの求人・案件を探す
ITコンサルタントを募集する企業
フリーランスITコンサルタントの案件
ITコンサルタントの平均年収は?
ITコンサルタントの年収は、会社員かフリーランスか、また役職などによっても大きく変わってきます。経済産業省のIT関連産業の給与に関する調査によると、ITコンサルタントの平均年収は928.5万円です。令和3年の国税庁調査によると日本人の平均年収は443万円となっており、他の職種に比べて非常に高い水準であることが分かります。
そしてITコンサルタントの年収は、今後さらに上がることが予想されます。大きな成長が期待されている産業であるにもかかわらず、人材が不足しているという状況であるからです。
また、一概には言えませんが、ITコンサルタントは会社員よりもフリーランスの方が高収入を得ることができる傾向があります。次の章で、会社員とフリーランスそれぞれの平均年収を詳しく紹介していきます。
※ 出典:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
※ 出典:令和3年分民間給与実態統計調査|国税庁長官官房企画課
ITコンサルタント会社員の場合
まずは、会社員の場合の平均年収からみていきましょう。厚労省が発表している2つのデータを参照して、システムコンサルタントとして働いている会社員の平均年収を紹介していきます。
(※ここではシステムコンサルタントのデータを参照しています。)
<年代別:システムコンサルタント会社員の平均年収>
- ● 20代:660万円
- ● 30代:772万円
- ● 40代:914万円
※算出方法:時給*180*12+賞与(4か月分)
※20代は基準値に能力・経験調整指数を乗じた値を5年で算出
ちなみに転職サイトのdodaが発表している専門職(コンサルティングファーム)の年収は以下の通りです。コンサルティングファーム全体と比較しても年収が高いことが分かります。
<年代別:専門職(コンサルティングファーム)会社員の平均年収>
- ● 20代:475万円
- ● 30代:640万円
- ● 40代:698万円
<企業規模別:システムコンサルタント会社員の平均年収>
- ● 1~99人:614万円
- ● 100~999人:640万円
- ● 1000人以上:792万円
※算出方法:きまって支給する現金給与額*12+年間賞与
この2つのデータによると、年収は年齢や企業規模によっても大きく異なることが分かります。勤務年数が多く、企業規模が大きい方が高年収を得ることができると言えるでしょう。
※ 出典:令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金|厚生労働省
※ 出典:平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】|doda
※ 出典:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
フリーのITコンサルタントの場合
フリーのITコンサルタントの場合は、給与ではなく案件に対する報酬という形で収入を得ることができます。案件の内容や稼働時間によっても異なりますが、月額報酬が100万円以上の案件も多くあります。年収に換算すると、一般的なフリーコンサルの年収は1,200万円〜1,600万円です。フリーランスは一般的に福利厚生などのサービスはないものの、会社員と比べて高い収入を得ているケースが多いです。
しかし、「どのように案件を探せばいいのか」「実際に案件を獲得できるのか」と不安な方もいるのではないでしょうか。近年はPODなどフリーランス向けに案件を紹介しているエージェントも増えており、多くの方がフリーランスとして活躍しています。
フリーのITコンサルタントに興味がある方は、PODに掲載しているIT関連の案件をぜひご確認ください。
ITコンサルタントの年収・報酬を上げるには?
ITコンサルタントとして経験を積んでいるが、なかなか年収を上げることができないという方もいるのではないでしょうか?ITコンサルタントの年収・報酬を上げるにはどうすればいいのか、ここでは具体的に3つの方法を紹介していきます。
スキルレベルを上げて年収アップ
ITコンサルタントに必要なスキルレベルを上げたり、資格を取得したりすることで年収が上がりやすくなります。ITコンサルタントになるために必要な資格などはありませんが、取得しておくと役に立つ資格には以下のようなものが挙げられます。
- ●応用情報技術者試験
- ●ITコーディネータ
- ●ITストラテジスト
- ●プロジェクトマネージャ(P2M)
- ●PMP
- ●中小企業診断士
このような資格を取得するためにスクールに通ったり、積極的に新しい案件に携わったりすることで、スキルアップを図れます。スキルレベルを向上させられると、会社員の場合は昇進に繋がる可能性が高まるでしょう。
また転職をする際には、資格を取得しておくと有利に働くことがあります。フリーランスの場合も、資格があることで信頼度が高まり案件を受注しやすくなります。
スキルに関してもう一点お伝えすると、利用されている母数が多いプログラミング言語を学んでおくことも重要です。また複数のプログラミング言語を習得しておくと、様々な企業のニーズに応えることができ、対応できる案件の幅を広げることができます。
ITコンサルタントが取得しておくべき資格については、以下の記事で詳しく紹介しています。
⇨ITコンサルタントおすすめの資格6選|未経験から目指す方法も解説
役職/昇進昇格で年収アップ
コンサルタントの役職は、一般的に以下のように分けられています。最初はコンサルタントから始まり、パートナーまで昇格すると戦略以外の経営や新規クライアント獲得を任せられるケースもあります。
- ●コンサルタント
- ●シニアコンサル
- ●マネージャー
- ●シニアマネジャー
- ●パートナー
このように役職が上がるにつれて年収アップが期待できるでしょう。では、役職を上げるためにはどうすればいいのでしょうか?具体的には大きく2つの方法があります。
- ●社内で経験を積み、成果を出して昇進する
- ●上役を募集している企業にエントリーして転職する
多くの企業でIT人材が不足しているため、マネージャーやシニアマネージャーなど上役でも採用してもらえることがあります。その場合は当然ですが、より高いスキルが求められます。例えばシニアコンサルタントがマネージャーとして転職を希望する場合、マネジメントのスキルも求められるでしょう。
フリーのITコンサルタントの場合は、プロジェクトによって求められる役職が異なり、役職によって報酬額が変わります。PODでは役職別に以下のように案件を紹介しています。
専門分野・領域を変えて年収アップ
専門分野・領域を変えて年収をアップさせることも可能です。専門分野で例を挙げると、AIやロボティックスなど最先端のテクノロジーに関するコンサルは年収が上がる可能性が高いでしょう。最先端の技術に関する知見を有している人材が少ないため、需要が高いのです。
また、ITコンサルには様々な領域があります。中でも専門性が求められる領域は、年収が高い傾向にあります。ここでは8つの領域の概要や年収について紹介していきます。
IT戦略コンサルタント
IT戦略コンサルタントとは、企業や組織が抱えるIT関連の課題を解決するために、戦略立案やコンサルティング業務を行う専門家のことです。具体的には、企業のITシステムの最適化や業務改善、情報セキュリティ対策、データ分析やAI導入の戦略策定などを行います。
会社員の場合、年収は600万円〜1,000万円が平均です。フリーランスの場合は、月額報酬100万円前後の案件が多くあります。
SAP/ERPコンサルタント
企業がSAPというERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアを導入する際に、その導入やカスタマイズ、トレーニング、サポートなどを担当するコンサルタントです。
年収は取得資格や役職によって異なりますが、会社員の場合は500万円〜1,500万円が相場です。フリーランスの場合、月額報酬は100万円〜400万円の案件が一般的です。
SAPコンサルタントとは?仕事内容や年収・将来性など詳しく解説
SFA/CRMコンサルタント
SFA/CRMコンサルタントは、企業がお客様との関係を最適化するための戦略やプロセスを開発し、実行することに特化したコンサルタントです。
会社員の場合、年収は600万円〜1,200万円が平均です。フリーランスの場合は、80万円~150万円の月額報酬が多いです。
SCMコンサルタント
SCMコンサルタントとは、企業や組織におけるサプライチェーンの最適化を専門としたコンサルタントです。システム導入の支援やプロセス改善を通して、コストの削減などを目指します。
SCMコンサルタントの年収は、会社員の場合600万円〜750万円が相場です。フリーランスの場合は、月額報酬50万円〜150万円の案件が多くあります。
RPA/AIコンサルタント
RPA/AIコンサルタントとは、企業や組織に対して人工知能(AI)の導入や活用に関する戦略的アドバイスや支援を提供する専門家のことです。
会社員の場合、年収の相場は600万円〜1,500万円です。フリーランスの場合、月額報酬が100万円以上の案件が多くあります。AIコンサルタントは特に専門性が求められるため、今後さらに年収が上がることが予想されます。
AIコンサルタントが求められる理由とは?AI活用事例や市場の将来性と合わせて解説
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、企業や組織の情報セキュリティに関する問題を解決するために、専門知識を活用してアドバイスやコンサルティングを行います。
会社員の場合、年収は500万円〜1,200万円と幅が広いです。フリーランスの場合、月額報酬は60万円〜100万円以上の案件があります。
BPRコンサルタント
BRPコンサルタントとは、事業や業務プロセスを見直し、改善することに特化したコンサルタントです。会社員で中堅以上になると、年収1,000万円を目指すことも可能です。フリーランスの場合は、月額報酬が50万円〜150万円が一般的です。
BPRコンサルの全体像|プロジェクト種別や必要なスキルを解説
PMOコンサルタント
PMOコンサルタントとは、プロジェクトマネジメントオフィスの設立や改善に関するコンサルティングを行う仕事です。会社員の場合、年収は500万円〜1500万円が相場です。フリーランスの場合は、100万円〜200万円の案件が多くあります。
PMOのフリーランス単価は?高単価実現に必要な視点・役立つ資格も解説
ITコンサルタントの求人・案件を探す
では、ITコンサルタントの求人や案件を探すにはどうすればいいのでしょうか?転職をする場合は、大手正社員向け転職サイトなどで求人を探します。フリーランスの場合は、PODのようなフリーコンサル向けのマッチングサービスを利用して案件を探すことができます。
ITコンサルタントを募集する企業
ITに限った話ではありませんが、コンサルタントの需要は年々増えている状況です。dodaの調査資料における、求職者1名に対して中途採用の求人が何件あるかを算出した有効求人倍率を参照すると、コンサルティング業界は8.23倍(前月比112.0%)という結果でした。この値は、他の業種と比較してもっとも高い値です。
ITコンサルタントは一般企業でも募集をしていますが、ITコンサルティング企業が主な就職・転職先です。具体的に企業名を挙げると、以下のような企業があります。
- ●アクセンチュア
- ●野村総合研究所
- ●日本IBM
またSEやプログラマーなどを雇用しているSlerも就職・転職先として注目されています。代表的な企業として、以下のような企業が挙げられます。
- ●富士通
- ●NEC
- ●NTTデータ
※ 出典:転職求人倍率レポート(2023年1月)|doda
フリーランスITコンサルタントの案件
会社員求人と同様、フリーランスのITコンサルタントに対する案件も増えてきている状況です。そして先ほど紹介したように、PODのようなフリーランスと企業のマッチングを支援するサービスも増えています。
PODでは、フリーコンサルタント向けに幅広いプロジェクトテーマが用意されています。またプロジェクトごとに求められている役職も明記されているので、自身の希望にあった案件を探すことができます。
具体的に以下のようなプロジェクトがあるので参考にしてください。
- ●大手人材派遣会社の中期戦略策定
- ●大手化粧品会社でのチャネル戦略
- ●自動車メーカーへのSAP導入
- ●大手アパレル会社の基幹システム刷新
- ●AIスタートアップでの全社戦略策定
まとめ
当記事では、ITコンサルタントの平均年収や年収を上げる方法、そして求人・案件の探し方について紹介しました。ITコンサルタントは他の職種と比較しても年収が高いという特徴があります。そして役職を上げたり専門領域を広げることで、さらに高収入が期待できる職業です。
また、会社員よりもフリーランスの方が高い年収が見込めます。近年はフリーランスでも案件を探しやすくなっているので、スキルのある人はフリーランスとして働くのもいいでしょう。
最後に、PODはフリーコンサルタントと企業とのマッチングをサポートするサービスです。IT関連のフリーコンサル案件も非公開含めて多数ご案内しています。フリーのITコンサルタントとして活躍をお考えの方は、お気軽にご相談ください。