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2021.10.18 NRIが就活生から支持される理由|大学生による採用担当者インタビュー

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コンサル業界ニュース編集部に在籍する大学生インターンがコンサルティングファームの採用担当にインタビューを行う連載企画。

第二回に登場する企業は、OpenWorkが実施した「就職注目企業ランキング【大学別編】の調査で「21卒東大生が注目する就職企業1位」に選ばれるなど、学生からの注目度が高い野村総合研究所(以下、NRI)です。今回はNRIで経営戦略コンサルティング部門の採用担当を担う八木創氏に、NRIの魅力や新卒採用市場における人気の理由、採用ポイントなどをお聞きしました。コンサルティング業界に興味を持つ学生の方は、ぜひご一読ください。

 

プロフィール:八木 創 氏

2016年入社。航空会社や鉄道会社などモビリティ領域を中心に、全社戦略の策定支援や新規事業戦略の策定およびサービス開発・立ち上げを行う傍ら、『デジタル国富論』(ビジネス書籍)の出版など対外発信も積極的に行う。現在、経営戦略コンサルティング部門の新卒採用を担当。

 

NRIの魅力は「官民双方への支援」と「経営戦略コンサルティング×デジタル」

聞き手(コンサル業界ニュース):NRIは就活生からの人気が非常に高く、今日はその理由についていろいろとお聞きしたいと思っていますが、まず初めにNRIの「魅力」や「強み」について教えていただけますか。

NRI八木創氏(以下、八木氏):NRIは、官民双方の支援が存分にできる点が魅力だと考えています。日本やアジア中心に、国や官公庁向けのシンクタンクとして数十年活動を続ける一方、民間の大企業への支援も長く続けており、ありとあらゆる会社のアカウントがあると言ってもよいくらいです。日本最大級のファームであり、官民どちらか一方に強いファームやシンクタンクと比較して、双方の仕事が豊富にあるのはユニークな点です。官民双方へのプロジェクトを通じて、世の中全体に大きく働きかけができるのはNRIの強みだと感じています。

また、NRIには経営戦略コンサルティング部門だけでなく、日本最高品質のITソリューション部門があり、必要に応じて彼らに協力を仰いで戦略のみならずデジタルの実装まで支援することができます。国や産業のあるべき姿を提言するだけに留まらず、民間企業向けの支援をするなかで、社会を良い方向に変えていけるよう取り組んでいます。

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年次によらないフラットな雰囲気

聞き手:NRIの社風について教えていただけますか。

八木氏:「立場」ではなく「正しさ」が尊重される人間関係があると思います。他のコンサルティングファームの場合、一般的にパートナーの下にマネージャーやシニアコンサルタント、コンサルタント、その下に新卒のアソシエイトやアナリストがいるといった、ピラミッド構造になっています。一方、NRIはそういった構造になっていません。

例えば、1年目の社員と数年目の社員でも「コンサルタント」というポジションで対等なので、「正しいことは正しい」というフラットな文化で議論できます。 また、社員同士の仲が良いのも個人的には好きな特徴です。私の例ですが、若手数十人のLINEグループで希望者を募り、平日の夜や土日にフットサルを行うことも月に数回のペースでありました。最近はコロナの影響でなかなかできませんが。他にも、1泊2日の川下りなど年次に関係なく社員同士でレジャーに行くといったケースもよくあります。内定者の頃には同期十数名で1週間かけて九州一周旅行に行きました。

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「NRIって、こんなこともできるんだ!?」と驚かれる

聞き手:他の事業会社との連携にも強みを持っているように感じますが、具体的にどのような取り組みをされていますか。

八木氏:ジョイントベンチャーやコンソーシアム(共同事業体)の設立なども積極的に行っています。例えば、これまで日本航空様やKDDI様、コマツ様、ソニー様、NTTドコモ様など、多くの事業会社とジョイントベンチャーを立ち上げ共同で事業運営を行っています。他にも、三井化学様と日本IBM様とのコンソーシアム(共同事業体)構想を通じ、「資源循環型の社会をどう作るか」という課題に取り組んでいます。NRIにないものを持っている企業とは、リスクがあっても積極的に手を組んでいます。「NRIって、こんなこともできるんだ」とお客様に思ってもらえることが多い印象ですね。

 

採用のポイントは「スキルよりも思いや熱意」

聞き手:NRIのコンサルタントの採用フローや見ているポイントについて教えていただけますか。

八木氏:昨年の例をお話します。本選考では面接が中心です。具体的には1次面接、2次面接と続き、グループディスカッション、2日間のジョブ、部長や役員(他ファームでいうシニアパートナー級)との面接という流れでした。序盤の面接においては基礎的な論理的思考力や伝達能力を見ていますが、一貫して見ているポイントは、その学生が「どのような思いを持っているか」や「どれくらい本気でコンサルタントに興味があるか」を見極めるようにしています。

NRIは人材が中長期的に在籍する前提の仕組みをとっています。なので、現時点での作業能力であるケースを解く速さや正確さというより、経営層に言いづらいことでもきちんと発言できる度胸・胆力や、周囲のフィードバックを受け入れる素直さ、知的好奇心など、コンサルタントとしての素養・伸びしろを持っているかが大事な基準になっています。

選考フローの中で、最初は若手、次に中堅、その後パートナー級の社員もしくはファームトップといった風に複数の年次の社員とのマッチングを行います。それによって、お互いのミスマッチを極力減らせると考えています。

 

学生には社会への関わり方や自分が好きになれそうなものについて仮説を考えて欲しい

聞き手:コンサルタント希望の就活生に期待することや学生のうちに培っておくと良いことはありますか。

八木氏:現状の仮説で構わないので、「自分が社会へどう関わっていきたいか」を考えてみて欲しいです。志望理由を考える際に、最初は会社の良い所を探しがちです。もちろんそれも大切だと思いますが、我々としては社会人になったときに「“誰に”、“どんな”価値提供をしたいのか」や、「どういう社会、業界や産業の課題解決に取り組みたいのか」を選考やインターンを通じて考えてもらいたいと思っています。

また、やはり学生のうちしかできないことに全力で打ち込んで欲しいです。その中で「自分が好きになれそうなものは何か」を見つけられると良いと思います。どれだけやりがいがあっても、仕事は好きでなければなかなか続けられないものです。大学生のうちに何かに全力で打ち込んで、「打ち込むことが苦でないこと」を見つけられたら幸せだと思います。その要素を分解することでモチベーションの源泉などが見えてくるのではないでしょうか。

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「リアル」なコンサルティングを感じられるインターンの魅力

聞き手:NRIは学生からの人気がとても高い印象ですが、インターンの一番の魅力はどのような点にあるのでしょうか。

八木氏:一番はNRIのコンサルティングのリアルに触れられることだと思います。取り扱うテーマは毎年社会・産業的に注目されている領域の中で、その領域に強みを持つ現場のコンサルタントにワークを作り込んでもらっています。インターン生はいくつかチームに分けられますが、各チーム、テーマはバラバラでターム毎にも変えています。そこでリアルなコンサルティング業務を体感してもらうことができます。

また、現場のコンサルタントとの交流の機会も豊富にあります。毎日、ワーク中の議論にコンサルタントが多く参加しますし、採用担当が1対1で選考やワーク内容についてフィードバックする機会も何回か設けています。学生の皆さんには、インターンを通してコンサルタントの仕事やNRIのリアルについて理解してもらい、ご自身の適性やカルチャーフィットを見極めていただけると嬉しく思います。

聞き手:インターンの中で活躍しているのはどのような学生ですか。

八木氏:素直で勇気がある方だと思います。インターンでは非常に難しいテーマに挑戦してもらいますので、チームとしても個人としても上手くいかないことが多い中で、何度か学生に1対1でフィードバックさせたいただく機会があります。そこで改善点を素直に受け入れて自分を変える勇気を持てる方。そしてチームメンバーに働きかけて最後まで仮説を修正し続ける勇気のある方が、活躍していますし成長されています。

ただ、活躍や成長ももちろん大事ですが、参加した学生の方から「楽しかった」と言ってもらえるのが何よりこちらとしては嬉しいです。選考の一環である他社のジョブと対照的にNRIのインターンはあくまで就業体験が主目的であり、学生の皆さんに「コンサルが楽しくてやりがいがありそうか」を判断してもらうサポートにはこだわっています。

 

「なでしこ銘柄」や「くるみん」に認定

聞き手:ワークライフバランスや女性の働き方について教えていただけますか。

八木氏:仕事とライフイベントの両立についてはコンサルティング業界の中でも特に配慮されていると思います。育休の取得率は女性が100%、男性は65%です。男性についても年々取得する人が増えていて、私の同期(入社6年目)にも現在1年間の育休を取っている男性社員がいます。

NRIのコンサル部門は比較的長く働く人が多いため、ライフイベントに合わせた制度を整えているのはもちろん、社員が使いやすい雰囲気があります。上の年次の社員に家庭を持っている人が多く、今までも仕事と家庭を両立してきました。

業務の進め方は、マルチアサイン(同時期に複数のプロジェクトを平行)の形をとっており、セルフコントロールが一層重要となります。例えば子どもの保育園の送り迎えなど、配慮して欲しい私的な予定も予定表に入れる文化があり、もちろん他の社員はそこに予定を入れません。テレワークも、コロナ禍の前から推進していました。私もコロナ前から週半分程度しか出社していなかった期間があります。時短制度なども含め、柔軟に働きやすい環境が整っていると思います。

NRIは経済産業省が選定している女性が働き続ける環境整備や女性人材の活用を積極的に進める企業群「なでしこ銘柄」や、厚生労働省が子育てサポート企業として「くるみん」の認定を受けています。どの企業やファームも「働きやすさ」をアピールする時代ですが、ぜひその実績が客観的に認められているのかチェックしてみることをおすすめします。

参考)NRIの取り組み|外部からの評価

 

意欲と能力を示せればチャレンジできる風潮

聞き手:キャリアパスや入社後に任せられる仕事について教えていただけますか。

八木氏:キャリアの進む方向としてはいくつかあります。パートナーになるキャリア。グループや部を率いるマネージャーや、ファームを率いる経営層のポジションに進むキャリア。そして国の委員会やセミナーやTVに呼ばれる業界の専門家など、現役のコンサルタントとして常に最前線に立ち続けるキャリアもあります。大体10年目や15年目で将来どのような立場に進むか考えますが、それまでは1人のコンサルタントとしてのキャリアの歩み方は自由ですし、上記の複数のキャリアを達成している社員もいます。

入社して任せられる仕事として、まず1年目は調査や分析、プレゼンなどを行い、2〜3年目になるとプロジェクトリーダー(他ファームでいうマネージャーなどが主に行う役割)を任されることもあります。4〜5年目辺りでは、さらに大きいプロジェクトのリーダーや書籍やレポートの執筆などの対外発信、提案活動を主体的に行うようになり、10年目以降になると先ほど述べたように、活躍の仕方が変わっていきます。

ただ、明確な規定があるわけではなく、やれることを示せれば1年目からプロジェクトをリードするなど、様々なことに挑戦することができます。若手でも書籍を執筆することができますし、他のファームでは上の役職の人がやるような仕事へのチャレンジを積極的に勧めてもらえます。年次が上の社員がメンバーやアドバイザリーとして入ることで、若手の成長を後押しする環境になっています。私自身2年目でプロジェクトリーダーを担い、4年目でビジネス書籍の執筆もさせてもらいましたが、他のファームに入っていれば確実に経験できなかったはずです。

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他のコンサルファームと比較すると在籍期間が長い

聞き手:若手は中長期的な成長を前提としているとのことでしたが、大体どのぐらいの期間働く方が多いですか。

八木氏:大体5年は働く方がほとんどです。私の同期でも1年目や2年目で辞める人はいませんでした。10年ほど経つと、ベンチャー企業の立ち上げや大企業の経営企画、ファンド、政界など転職する方は多様な方面に進んでいます。転職の理由としては、解決したい課題や追求したいことが変わってきて、そのベストな方法論がコンサル以外になったと考える方が多い印象です。ただ、NRIの居心地は良かったようで、出戻りもあります。

 

今後は新しいことにチャレンジする人材をさらに増やしたい

聞き手:今後のNRIの課題点はどのような点にあるとお考えですか。

八木氏:個人の見解ですが、グローバル展開は今後も注力すべき課題だと思います。もともとコンサルは北米が発祥であり、現在NRIはアジアを強い領域としているので、ヨーロッパ、アメリカ、その他の今後の成長市場へと広げていくことが今後のチャレンジであると感じています。そのため、ただ「海外トランスファーを経験したい」ではなく、海外拠点へ赴任し、主体的に挑戦したいという気持ちを持っている方を求めています。

また、ジョイントベンチャーやコンソーシアムの設立などもNRIのユニークな点ですし、お客様からも一層ニーズが高まってきている取り組みですから、その活動に積極的に挑戦してくれる人を増やしていきたいです。そういった人材が増えれば、ファームとしても更なる成長に繋がるのではないかと思います。

 

学生に向けて

聞き手:最後に、現在就職活動中の学生に向けてメッセージをいただけますか。

八木氏:コロナの影響でリアルを体感する場が減ってしまっている中、例年と比較しても入社後のミスマッチのリスクは高まっていると思います。Webではどうしても古い情報や出所がないあいまいな情報が多いです。自分なりに仮説を立ててそれをセミナーの質疑応答や座談会で検証する、といったやり方で正しく有益な情報を収集してください。

また、コロナによって家でゆっくり自分を振り返る時間は増えていると思います。「今まで自分が好きになれたものは何か」など過去の意思決定を振り返って、自分にとって大事な要素を洗い出すことでミスマッチは減らせると思います。正確な情報が取りづらいからこそ、会社を決める際の物差しが今まで以上に大事になっていますので、ぜひトライしてみてください。

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オフィスエントランスの風景

 

終わりに

今回は、NRIの経営戦略コンサルティング部門の採用担当者である八木氏に、NRIの強みや採用活動についてお話をお聞きしました。若手のうちから成長機会を得られるだけでなく、ライフステージの変化に対応した社内制度が充実しており、中長期的な観点でキャリアアップを目指せる環境がある点など、魅力が多いNRI。学生の方は、ぜひ今後の就職活動の企業選びの参考にしてみてください。

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