2021.03.05 マッキンゼー、日本のデジタル競争力向上のために求められる大規模変革
マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社(以下、マッキンゼー)と在日米商工会議所(以下、ACCJ)は、共同調査を行い、日本が今後10年間で経済および社会のデジタル化を推し進める上で取り組むべき課題を示したレポート「2030日本デジタル改革」を発表した。
日本は2020年時点で、世界大3位の経済大国であるが、デジタル競争力では27位、デジタル人材の充実度が22位となっており、Eコマースやモバイルバンキング、デジタル行政サービスなどの普及率は一桁台に留まるなど、他の国と比較すると経済面での強さとは対照的に、デジタル面での競争力が低いことが分かる。さらに、全世界500社以上のユニコーン企業のうち日本企業は、わずか5社と少ない現状にある。
2030年までに日本は、デジタル分野における革新的な方策を取り入れる必要があり、以下の4つのテーマが改革のカギとなる。
◆デジタル人材:
・世界に通用するデータサイエンスやソフトウェア開発、AIに強い人材層を構築し、デジタル技術と働き方に精通する
・あらゆる人材のスキル向上のため、個別最適化した学習方法でデジタル時代にふさわしいスキル一式を提供
・学校運営と教師の指導力の効率性を改善し、初等教育から大学教育までの教育界のデジタル化を推進
◆産業の改革:
・製造業かいがデジタルを活用した技術革新を行い、ハードウェアやロボティクス、自動車用技術などの強みを強化
・小売業界が、デジタルを使ったオムニチャネル型の購買体験を提供し、顧客動向の変化に的確に対応
・ヘルスケア業界が、先駆的に高齢者に向け、個別最適化された遠隔ソリューションを導入
・金融機関か、クラウドインフラやオープンネットワークを活用することで、多様なモバイル環境から接続可能なソリューションを構築
◆デジタル政府:
・政府がビジョンと高い目標を提示し、国民と企業の双方を対象とするデジタルサービスを提供
・政府と産業界が協力することで、スマートシティを拡大
◆経済の再生:
・スタートアップ界隈に、事業コンセプトから株式公開やバイアウトまでのベストプアクティスが定着することで、世界進出をするベンチャー企業を創出
・ITサービス会社とテック系企業が、顧客企業におけるデジタル人材の育成やグローバルな成功事例を導入することで、顧客企業の改革促進を支援
詳しくはこちらのプレスリリースをご覧ください。
レポート全文はこちら