2019.02.17 監査法人トーマツ、米国証券取引委員会と罰金200万ドルで合意
【ワシントンDC】2月13日、アメリカの証券取引委員会(SEC)は、監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反したことによる罰金として200万ドルを支払う事に合意したと発表した。
SECの規則では銀行クライアントの監査について、会計監査の独立性を保つために、監査法人幹部や監査チームのスタッフが、監査担当企業の銀行口座に一定水準を超す金額を預けないように求めているが、監査法人トーマツのスタッフ88人が監査先にあたる銀行の銀行口座を保有し、監査報告書を発行していたことが問題視されていた。また、SECは当時トーマツのCEOであった天野太道氏が14年にトーマツ内で規則違反を発見していたにもかかわらず、監査先の金融機関に伝達したのが15年に入ってからで、十分な対応をとっていなかったことも問題視していた。
当時、トーマツではこの事態を受け、2015年7月に当時CEOの天野太道氏が一身上の都合により辞任することを発表していた。今回のSECとの合意によると、天野太道氏は2年後に復職を申請することができるとされている。
詳しくは以下の米証券取引委員会(SEC)のリリース(英語)をご覧ください。
https://www.sec.gov/news/press-release/2019-9
なお2月15日いは、この件に対して、監査法人トーマツ会社「本事案の発生から、当監査法人は、独立性の周知・検証に関する管理態勢の更なる整備とその運用強化を進めて参りました。従って、本件は当監査法人の現在の品質管理態勢への影響は有りません。当監査法人は、今後とも監査品質の向上に最善を尽くす所存です。」とのコメントを発表している。
(引用元:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20190215.html)
なお、このSECのリリースでは銀行名が明らかにされていないが、日経ではこの銀行が三菱UFJ銀行であることが特定されている。
日経の記事:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41246640U9A210C1EE9000/