経営共創基盤の10年【第2回 】IGPIが投資ファンドとは異なる投資主体である理由 | コンサル業界ニュース - Part 3

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2017.11.13 ~INTERVIEW~ 経営共創基盤の10年【第2回】IGPIが投資ファンドとは異なる投資主体である理由

専門分野を活かしつつ現場の経験を積ませ、経営のプロフェッショナルを輩出させる

聞き手:投資先企業に送り込む人材も大切だと思いますが、人材育成についての考え方を教えてください。

塩野氏:ここで話の冒頭に戻りますが、IGPIの目的は経営人材を作ることです。だから、IGPIを卒業して社長やCXOになることを歓迎しています。非営利組織や政府機関のマネジメントでも良いと思います。CEOの冨山が東京電力やパナソニックの社外取締役に就任しているように、他のコンサルファームと違い社員に社外取締役にも積極的に就任させています。

当社では社内の組織を機能別や業界別に分けていません。いつでもCEOに代われるジェネラルなプロフェッショナルを育てています。世界中で問題解決をできるプロフェッショナルをつくりたいのです。IGPIのコンサルタントには弁護士や会計士などの有資格者も多いのですが、特に機能別に分けることをしていません。

担当する企業や産業をあえて区切らず、様々なことを経験すれば、経営者として必要な色々なスキルが身に着くとの考えからです。たとえ士業出身でも自分の専門分野に、新たな強みを付け加える。これにより経営人材を作れると考えているので、組織的に分けていません

戦略コンサルからIGPIに入ったような会計やファイナンスに詳しくないコンサルタントが、投資先で事業を見て、会計の実態をより詳しくなる。また、一方で事業会社から来た実行力のある人は、戦略の考え方を見る。そんな風に、それぞれが経営者になるために経験を積むのです。

経産省や文科省も言っているように、日本には優秀な技術とノウハウはあっても、流動的、カオス的な環境でプロジェクトを実行して「0から1」「1から100」にできる人材がいません。だから、プロジェクトを成し遂げられる経営人材を作ることは大切なのです。

今までなかった「政府系金融機関×PEファンド×海外投資」で海外企業の投資

聞き手:塩野さんは今後どのようなことに取り組んでいかれるのですか。

塩野氏:2017年6月末に、国際協力銀行(JBIC)とIGPIが「JBIC IG Partners」を立ち上げました。この合弁会社はファンドを通じて海外の企業へ投資を行っていきます。

※塩野氏は「JBIC IG Partners」の代表取締役CIOに就任

JBICはこれまで海外でプロジェクトファイナンスや大型融資などを行っていました。しかし、直接的に企業の株式を取得し、その経営に携わるPEファンドのGP業務までは行っていません。JBICのグローバルな信用力とネットワークにIGPIの経営や技術に対する知見を交え、各国政府と組み海外企業へ投資を行う合弁会社です。海外企業と日本企業のビジネスをうまくマッチングするなどして、日本企業や産業のためになればいいと考えています。

海外投資を行っている日本のPEファンドはほとんどなく、激変する国際情勢もあり、非常にチャレンジングな業務となります。しかしながら、日本裨益と日本企業のために、なかなか上手くいかない海外企業への投資、経営について、JBIC IG Partnersというプロフェッショナル組織がグローバルに企業をサポートしていけたら良いと思っています。

 

2017年10月
コンサル業界ニュース
編集部による取材

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