2017.11.07 ~INTERVIEW~ 経営共創基盤の10年【第1回 】新しい形態のファームを目指してきた10年
IGPIの理念とか我々の強みが生きる分野で、かつ社会的な意義があることをやっていく
聞き手:新たな取り組みのスタートにルールや基準はあるのでしょうか。
村岡氏:IGPIの理念とか我々の強みが生きる分野で、かつ社会的な意義があればよい。それがあれば、新しい事を否定しない。何でもあり得ます。
株式会社IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンスという、AIのグループ会社を作っていますが「AI×経営」が今後の大きな経営のテーマになると考え始めたものです。
もしかしたら10年後にはロボットや自動車を作っていてもおかしくはない。ただ、あくまで、当社は経営のプロ集団であるので、その知見と基盤が生きるのが前提です。ロボットを作るにしても、エンジニアのプロではなく、経営のプロ集団がロボット会社を作る。そこに当社がやる意味があれば、あり得ます。
10年後の経営者の悩みを先取りしなければならない
聞き手:IGPIとして今後の10年で大切にしていきたい事は何でしょうか。
村岡氏:大切なのは企業経営者の方の悩みを先取りすること。経営プロフェッショナルとして、現在の悩みではなく5年、10年先の企業経営者の悩みに対して答え続けていかなくてはいけない。
IGPIの今後10年を語る村岡氏
今やっている仕事が、企業経営者にとって真に役に立っているのかどうかを問い続けないといけません。企業経営者に示唆を与えたり、ダメ出しをしないといけない。気づきを先に掴んで経営者に適切に伝えるノウハウと、その根性を持っていないといけない。紙の資料を作ることはコミュニケーションの一つのツールであり、それとは全然違うスキルが必要です。
また、相反する事を手掛けることを大切にします。例えばグローバルとローカルや、コンサルティングと投資、再生とベンチャー。それを続けていくのは組織として簡単ではないです。日本語ができない人間と英語ができない人間が一緒に合宿をして議論もする。また評価軸も、弁護士、会計士、戦略ファーム出身者、投資ファンド出身者がいて、全員を同じベクトルで評価しないといけないし、公平感のある評価をしないといけない。
でも、このチャレンジは続けていくし、相反する事由を有することが、ユニークネスになるから、この旗は降ろしません。例えば東北地方での経験で苦労したことは有形無形の資産になり、コンサルティングに現場感を注入する。逆にAIの経験が公共交通事業の発展にも寄与している。
複数の軸を経験できることが価値で、マネジメント人材を育てることの最短距離となる。投資も、コンサルも事業再生もベンチャーもやる。このファームの中で2年おきに違う領域を経験していくだけでも確実に成長するので、転職する以上のキャリアを積むことができます。
OBから上場企業の社長も輩出
聞き手:OB・OGも活躍も目立つようになってきましたが。
村岡氏:ここ特に1年、2年、我々のOB・OGが社外でも活躍し始めています。経営共創基盤プリンシパルの安井元康氏はその一人ですが、彼が上場企業、株式会社MCJの取締役社長(最高執行責任者COO)になったのは、経営力が認められたからで、我々が言ってきた「マネジメントのプロを生む」という目的が実績として出てきた証拠です。今後もそういう人間を育てるためのプラットフォーム(基盤)になりたいと考えています。
また、日本国内では10年でそれなりの評判もいただいて、色々な意味で自信がついてきました。ただグローバルというプラットフォームではIGPIはまだまだ知名度が足りない。これは今後10年の大きなチャレンジになる。少なくとも中国を含めたアジアで、IGPIが現在日本でやっていることと同じような質と量の展開をできるようにしたいと考えています。
コンサル業界ニュース
編集部による取材