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2016.03.09 コンサル業界の景気を見る ~2015年12月決算から~

コンサルティング業界の景気はどうなっているのだろう?

各社の売上・利益からそれを垣間見るため、上場しているコンサルティング会社の12月締めの決算をまとめてみた。

ドリームインキュベータ (東証1部:4310)

プロフェッショナルサービス事業は増収、増益

まずはドリームインキュベータから。

同社の平成28年3月期、第3四半期連結累計期間の売上高は9,672百万円と前年同期と比べ1,344百万円(16.1%)の増収、営業利益は360百万円で前年同期と比べ-74.4%となった。

同社のコンサルティング事業は「プロフェッショナルサービス事業」とされ売上高全体の約20%を占めている。このプロフェッショナルサービス事業は、戦略コンサルティングやプロデュース支援の他、M&A支援(Financial Advisory)や教育事業を含むクライアント向けのプロフェッショナルサービスで構成。

下期の受注が高水準に推移した結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,898百万円(前年同四半期は1,813百万円)、セグメント利益(営業利益)は992百万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)967百万円)となったとしている。

詳しくはこちら! ドリームインキュベータ 第16期 第3四半期報告書:
http://www.dreamincubator.co.jp/wp/wp-content/uploads/2014/04/IR160128_3Q_02.pdf

シグマクシス (東証マザーズ:6088)

全社で増収、増益

シグマクシスの第3四半期累計期間の業績は売上69.7億円(前年比15.6%)、営業利益3.59億円(前年は3.19億円の損失)となっている。

この業績について同社は四半期報告書の中で「新規案件の成約を順調に重ね、各種案件も滞りなく進捗させております。これらのプロジェクトによる稼働率の向上及び複数の成功報酬案件を成約したことが、収益面の改善に貢献し下容積が順調に推移」とする。

同報告書の中では、グローバルセキュリティエキスパート株式会社や、米IPsoftとの協働、IBM Watson導入コンサルティング、また、PMOに加え、ビッグデータ、SNS活用などを視野に入れた事業戦略、業務デジタル化、新規事業、イノベーション創発といったプロジェクトが増えてきていることなどに触れている。

詳しくはこちら! シグマクシス 第8期 第3四半期報告書:
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02648/fe74b22a/ee60/45a4/8081/c9595466c73a/S1006WD2.pdf

野村総合研究所 (東証1部:4307)

コンサルティング事業は増収、減益

野村総合研究所も決算を発表する業績が伺える会社の一つだ。

同社の第3四半期累計の売上は、コンサルティング、金融ITソリューション及び、産業ITソリューションで前年同期を上回り、売上は313,621百万円(前年比+4.3%)、営業利益は43,229百万円(前年比+16.3%)となったとしている。

コンサルティング事業を見てみると、累計売上高20,607百万円(前年比+2.1%)、営業利益3,424百万円(前年比-21.1%)となった。おおよそ売上全体の15%を占めている。

売上増、営業利益減少の結果について、四半期報告書で同社は「マイナンバー制度対応をはじめとした業務コンサルティングや、顧客のIT部門の構造改革を支援するシステムコンサルティングが増加した一方、人件費も増加した」としている。

詳しくはこちら! 野村総合研究所 第51期 第3四半期報告書:
https://www.nri.com/jp/ir/financial/pdf/1603yuuhou_3Q.pdf

三菱総合研究所(東証1部:3636)

シンクタンク・コンサルティングサービス事業は増収、増益

三菱総合研究所は決算期が8月であるため、12月決算は第一四半期決算となった。

第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は13,432百万円(前年同期比3.8%減)、営業損失は752百万円(前年同期は318百万円の損失)となっている。

全体の15%を占めるシンクタンク・コンサルティングサービス事業について「官公庁向けでは、システム開発管理案件やエネルギー関連の調査案件、民間向けでは、金融機関向けのリスク管理・規制対応支援案件や顧客データ分析案件などが売上に貢献し、売上高(外部売上高)は2,064百万円(前年同期比8.9%増)、経常損失は893百万円(前年同期は916百万円の損失)となった」とのこと。なお、残りはITサービスだ。

シンクタンク・コンサルティングサービスにおいては主要な取引先である官公庁や
企業の会計年度の関係により、例年3月から4月にかけて売上計上が集中することから、第1四半期の業績は他の四半期と比べて著しく低くなる傾向があるとしている。

詳しくはこちら! 三菱総合研究所 第47期 第1四半期報告書:
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=2319892

船井総研ホールディングス(東証1部:9757)

全社で増収、増益

船井総研ホールディングスは12月決算のため、通期での決算を発表。

通期で売上14,717百万円(前連結会計年度比17.9%増)、営業利益3,497百万円(前連結会計年度比16.9%増)で増収増益となっている。

同社全体で見ると「主力事業の経営コンサルティング事業におきまして、当社グループ最大の特徴ともいえる月次支援型コンサルティング業務の契約継続率の向上や業種・テーマ別経営研究会の会員数の順調な増加が、増収に大きく寄与。また、ロジスティクス事業におきまして、顧客の販促活動の活発化により、売上高が増加した」とのことだ。

経営コンサルティング事業も前連結会計年度より大きく実績を伸ばし過去最高の売上高を達成。売上高は12,593百万円(前連結会計年度比15.9%増)、営業利益は3,335百万円(同2.8%減)となり、増収減益だが、減益の要因は、持株会社体制への移行に伴うものであり、実質大幅な増益となるとしている。

主力部門である住宅・不動産業界向けコンサルティング部門、医療・介護業界向けコンサルティング部門においても売上高を伸ばしたとし、その他、すべてのコンサルティング部門においても好調を維持したとのこと。

業務区分別では「売上高の70%以上を占める月次支援型コンサルティング業務において前連結会年度比10%を超える成長を維持、また、国内でも最大規模の展開を行っている業種・テーマ別研究会の会費収入においては、住宅・不動産業界向け、士業業界向け及び外食・フードサービス業界向けの経営研究会を始めとして、経営研究会会員企業数が前連結会計年度と比較して大幅に増加したため、安定した顧客基盤の維持、拡大につながり、収益力確保に貢献したという。

詳しくはこちら! 船井総研ホールディングス 平成27年12月期 決算短信:
http://hd.funaisoken.co.jp/file/160208_accounts.pdf

タナベ経営 (東証JASDAQ:9644)

コンサルティング事業で増収、増益

タナベ経営の第3四半期累計期間の売上高は、65億29百万円(前年同期比6.1%増)となり、営業利益7億94百万円(前年同期比15.4%増)、経常利益8億17百万円(前年同期比13.1%増)、四半期純利益は5億81百万円(前年同期比92.1%増)。

同社はに経営コンサルティング事業、セールスプロモーション(SP)コンサルティング事業の2つの事業があるが、経営コンサルティング事業の売上高は、34億73百万円(前年同期比8.3%増)となり、セグメント利益は9億15百万円(前年同期比8.5%増)となったとしている。

「中堅・中小企業の戦略パートナーとして、顧客最適の視点でチームを編成し、戦略コンサルティングを実施。「ビジョンづくり」「人材採用力強化」「事業承継」「ジュニアボード(若手役員候補教育)」等のチームコンサルティングが増えた結果、経営協力契約数は、期中平均416契約(前年同期411契約)と安定的に推移し、経営協力単価も伸長したことで、順調な売上の伸びとなった」としている。

詳しくはこちら! タナベ経営 第54期 第3四半期報告書:
http://www.tanabekeiei.co.jp/t/ir/2016/02/05/201603q3repo.pdf

山田コンサルティンググループ(東証JASDAQ:4792)

経営コンサルティング事業で増収、減益

山田コンサルティンググループの第3四半期連結累計の売上高は6,049百万円、営業利益1,040百万円となった。売上高は前年同期比1.3%微増、人員増強に伴う人件費の増加などから営業利益は前年同期比で減益となっている。

経営コンサルティング事業の第三四半期連結累計売上は4319百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は713百万円(同7.4%減)となっている。事業再生コンサルティングが、引き続き減少傾向にあり、事業承継及びM&Aコンサルティングが順調であったが、コスト増をカバーできず、営業利益は減益になったとのことだ。

同社は「資本・株式・株主に関するコンサルティング事業」業績を経営コンサルティング事業とは別に発表しており、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業は売上高669百万円(前年同期比13.6%減)、営業益58.7百万円(同68.5%減)となっている。M&A関連業務の売上が前年同期で遅れている、一方、ファイナンシャルアドバイザリー業務等の

詳しくはこちら! 山田コンサルティンググループ 第72期 第3四半期報告書:
http://www.yamada-cg.co.jp/cms/doc/20160219_160742Zbwa.pdf

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