シリーズ「コンサル業界の先端」 Vision Forest ~アートを活用した組織変革プログラム 第4回 セルフイノベーション続けるシグマクシスという会社 | コンサル業界ニュース

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2015.08.29 シリーズ「コンサル業界の先端」 Vision Forest ~アートを活用した組織変革プログラム 第4回 セルフイノベーション続けるシグマクシスという会社

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コンサルティングファームは時代と共にサービスを変化させ、その方法論を進化させ続けている。シリーズ「コンサル業界の先端」では、コンサルティング業界で新たな価値創造に取り組むコンサルタントとそのサービスを紹介。連載第一回はシグマクシスのVision Forestを取り上げる

[これまでの内容]
第1回 ロジックの限界を超える
第2回 自分で創る感覚」を覚醒させて変革を加速する
第3回 コンサルタントはどうやってイノベーションを起こしたのか

 
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斎藤氏はインタビューの中で「Vision Forestはシグマクシスだからできた」と何度か強調した。聞き手である我々編集部も今回の取材を通じ、シグマクシスという会社の、コンサルティングファームとしてのユニークさの一端を垣間見た。

シェルパとして、最初から最後まで

シグマクシスは、自らの役割を、登山者とともに山に登る「シェルパ」に例え、「戦略実現のシェルパ」としている。クライアントと目標を共有し、そこにいたるリスクも一緒にとりながら、必要なアクションを適切な判断で実行して、成果と喜びを分かち合う、という姿を目指している。決して一方的に調査分析をし、あるべき姿や、そこまでのアプローチをレポートにして提出するだけ、といったコンサルティングを目指しているわけではない。コラボレーションで成果が出るまでやりきる。

「シグマクシスのケイパビリティの軸はコンサルティング能力ですが、実際には、そのコンサルティング能力を使いながら事業も運営している、というのが今の姿です。」と斎藤氏。お客様に対して「最初から最後まで一緒にやります」と言ったからには、成果を出すために事業運営に踏み込むことも辞さない、ということだ。「共に価値を生み出す取組みであれば、クライアントやビジネスパートナーと一緒にジョイントベンチャーを作ったり、出資したりというのは自然な形なのです。」

目指すのは、コンサルティング能力をもった事業運営会社

シグマクシスは2008年の設立当初はコンサルティング業界からプロフェッショナルを集めてスタートし、そこに中途採用と新卒採用・育成を重ねて400名規模となった。そして2013年12月に東証マザーズに上場する。だが、これもコラボレーション型のコンサルティング会社としてまったく新しいビジネスモデルを実現するための手段だったと斎藤氏は振り返る。「なんでわざわざコンサルティングファームが上場するのか、という声が当時はありました。前例もありませんでした。でも日本発のコンサルティング会社としてブランドと社会的信用を確立し、資金を調達して事業を運営する、というダイナミックなサイクルを回す上で、上場は1つのチャレンジすべきステップなのです。」

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シグマクシス社内向けにVision Forestを実施した時の様子。新たな解を自ら作り出すためには、組織として想いを一致させ、メンバーが想像性、主体性をフルに発揮する必要があった。

もともと「コラボレーションで価値を創造する会社になる」と宣言して発足したシグマクシス。着実に自らが目指す姿に近づいているように見えるが、あわせてコンサルティング業界を取り巻く環境も変わってきていると斎藤氏は語る。「これだけ事業環境の変化が激しいと、口や理屈だけのコンサルティング、あるいは頼まれた仕組みを作って納品するだけのコンサルティングは、もう売れない。絶対的な解がない中でクライントは模索しています。そこでコンサルタントが果たすべき役割は、正解になりうる選択肢を提示することではなく、一緒に汗をかき、試し、時には一緒に学びながら、新しい価値を共に作っていくことでしょう。要は、事業を創り、動かしていく能力も必要になってきているのです。」シグマクシスでは、能力開発という観点で、出資先に出向して事業運営に携わるコンサルタントもいる。もはやコンサルティング能力だけでは価値を生み出せないということを体感している同社ならではのキャリアパスだろう。

自分たち自身のイノベーションにも生きるVision Forest

前例のないVision Forestが生まれた背景には、そんなシグマクシスの経営の考え方があったわけだが、同社はその進化の過程でも、自らVision Forestを実践してきた。シグマクシスが取り組んでいるのはビジネスサービスのイノベーションだ。新たな解を自ら作り出すためには、組織として想いを一致させ、メンバーが想像性、主体性をフルに発揮する必要があった。そんなときこそ、Vision Forestだ。

「実際、最初の顧客はシグマクシス自身だったのです。社長以下リーダーが絵を描き、ビジョンと想いを共有し、多様性を大切にしながら組織としてひとつの方向に向かって動いてきた。今でもリーダーだけではなく、組織単位のキックオフなどでも活用してもらっています。仲間たちがVision Forestをクライアントに心をこめて展開してくれているのは、自らの体験で受けたインパクトと、その効果が実感できたからなんだと思います。」斎藤氏が「シグマクシスだからVision Forestは出来上がった」と述べる理由はこんなところにもあるのだろう。同社の中心の広場「マーケット」と呼ばれる場所には、東証マザーズ上場の際にリーダー達が描いた絵が、今も飾られている。

編集後記

今回、ロジックを超えて右脳と感性を覚醒させるユニークなサービス、Vision Forestに注目。正直、初めは、その内容、意味とも分かりにくいものであったが、シグマクシス自身がVision Forestと共に、進化し続けてきたことも伺わせていただくと、その必然性が理解できる。

最初に述べた通りVision Forestはロジックの限界を超え、人財・組織の想いや創造性を引き出す方法論であり、個人の意識を変え、新しい視点からの経営課題を検討し、組織の動き方・仕組みを変えることで、変革への取り組みの推進力を高める方法論である。

創造的なものを受け入れるシグマクシスという組織、そして斎藤氏が感じたロジックの限界、そこで出会ったアートといいう方法論への確信、そこからくる「想い」、こういった要素があったからこそ、生まれたサービスだ。

今後もシグマクシスがシェルパとしてクライアントとリスクを共有しながら最後まで顧客と、喜びを分かち合いながら目的を達成するには、彼ら自身にもたゆまぬセルフイノベーションが必要で、そこにはVision ForestいつもVision Forestがある、ということだろう。今後も進化していくシグマクシスと、その進化を支えていく、Vision Forestの今後に注目したい。

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