2016.11.26 TVision Insights郡谷康士氏(マッキンゼー出身の起業家)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
郡谷康士氏のプロフィール
マッキンゼー、リクルート中国の経験を活かし起業へ
TVision insights代表取締役の郡谷康士氏は、東京大学法学部卒業。2005年にマッキンゼーアンドカンパニーに入社し、国内外のマーケティング戦略・事業戦略案件を数多く担当。その後リクルート中国において事業企画統括部長とイベントビジネス事業部長を歴任し、2012年に上海でデジタル広告代理店、游仁堂(Yoren)を創業。2015年にはTVision Insights (TVI)を創業し代表取締役に就任。
同氏は、特にデータ活用によるマーケティングの最適化や、O2O統合型マーケティング領域のスペシャリスト。過去には、中国で雑誌単一媒体だった【皆喜中国】(ゼクシィ)を雑誌・ウェブ・イベントの三本柱からなる複合媒体へと改革。また中国大手SNS人々網とリクルートのJV案件への参画など、コンサルタントとして日系企業・外資企業の中国市場への進出にも貢献。
出典:同社WEBサイトhttp://tvisioninsights.co.jp/
TVision insights社のサービス
最先端技術でテレビの「視聴質」を計測
TVision insights社では、リビングルームに最適化された顔認識技術を用いて視聴者一人ひとりの自然な視聴体勢をデータとして取得。テレビCMに関わる「広告主」「広告代理店」「テレビ局」などのクライアントに取得データを提供している。顔認識技術から取得したデータは、二つの指標に転換される。一つ目が視聴者のテレビの前にいる「存在度合」を指標化することで「放映枠の質」を評価する「VI(Viewability Index)」。二つ目がテレビへの「注目度合」を指標化することによって「コンテンツの質」を評価する「AI(Attention Index)」である。
このサービスはクライアントである「広告主」「広告代理店」「テレビ局」に対し各々のメリットを提供。広告主は、ターゲットとする視聴者を年齢・性別ごとに細かく分析することで、アプローチの最適化と強いエンゲージメントの獲得が可能に。広告代理店は、視聴者の日常的な様子を知ることで視聴者の新たな関心やニーズ、本音といったインサイトが発掘され、CMの質をさらに高める取り組みができる。そして放送局は、視聴者がいつ・何を注意深く見ていたかなどの視聴者動向に関する豊富なデータから、視聴者のエンゲージメントと広告枠価値の向上を図ることができる。
TVision insights社はこのサービスによりMicrosoft Innovation Award2015の最優秀賞受賞、及び日経コンピュータの「ミライITアワード2016」に選出されるなど、高い関心と評価を受けている。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
日米トップクラスのVCに対し第三者割当増資を実施
TVision insights社は、2016年10月にAccomplice、Golden Venture Partners、Jump Capital、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、およびProject 11 Venturesなどの日米トップクラスのベンチャー・キャピタルを引受先とする総額約680万ドルの第三者割当増資を実施した。
これにより同社は、日米両国におけるパネルの強化、チーム体制の強化、計測技術の進化・拡大などを図る。今後、テレビの持つ本来のポテンシャルを顕在化し、既存のユニークデータの更なる価値向上に向けた取組を進めていくとしている。