2016.04.25 オイシックス高島宏平氏(マッキンゼー出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
高島宏平氏のプロフィール
学生時代の起業、マッキンゼーでの経験を活かし再度起業へ
オイシックス代表取締役の高島氏は、1973年神奈川県生まれ。1998年に東京大大学院工学系研究科情報工学専攻を修了。同年、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に入社。Eコマースグループの中心メンバーとして、大手企業のネットビジネス参入プロジェクトに参画。同社を2000年に退社し、オイシックス株式会社(以下オイシックス)を設立。
ネットビジネスでの起業を目指していた高島宏平氏は、生鮮食品のネット通販に目を付けた。当時、カタログを使った自然食品の宅配会社は数社あったが、生産者援助のコンセプトが強かった。より消費者目線に立った食品会社をつくろうと、学生時代に起業した「有限会社Co.HEY!」のメンバーとマッキンゼーの同僚ら10人で同社の起業に至った。
出典:同社WEBサイト http://www.oisix.co.jp/
オイシックス社のサービス
生鮮食品のネット通販で市場開拓
高島宏平氏の設立したオイシックス社は、生鮮食品のEC事業を主軸に事業展開。定期宅配型のEC事業では、野菜・日配品・肉・魚などの日常的に食べる食品や、水や野菜ジュースなどの飲料を中心とした単品商品を定期的に届けるサービスを提供。それに対し、必要な時に必要な分だけ購入できる都度購入型のサービスも展開。フルーツやカニなどを消費者のニーズに合わせて産地から直送するという。
現在は全国各地の約1000の生産者と契約、会員数も2014年には8万人以上となったが、起業当時は珍しかった生鮮食品のネット通販サービスにおいて、消費者に商品の魅力をどう伝えるかを考えたという。その結果、同社サイトでの取扱商品にはユニークなネーミングがされている。例えば、かぶ種「はくれい」は桃のようなジューシーさをイメージしてもらうため「ピーチかぶ」と名付けられた。さらに、生産者の思いをサイト上に掲載することで、消費者に商品が生まれるまでのストーリーを伝える工夫もしている。
同社は、2013年に東証マザーズに上場。2014年にはビジネス界のアカデミー賞と言われる「スティービー国際賞」(米国)の「カンパニー・オブ・ザ・イヤー」でブロンズ賞(銅賞)を日本の食品小売業として初めて受賞。その事業内容が世界的にも評価された。15年3月期の売上高は約180億円。今後は1000億円を目標という。
出典:同社WEBサイト http://www.oisix.co.jp/
事業拡大に向けての動き
他社との提携でさらなる事業展開の加速を図る
同社は2013年に三越伊勢丹エムアイデリ(三越伊勢丹が運営する会員制食品宅配サービス)や、ディーンアンドデルーカジャパンとの業務提携を開始した。オイシックス社が有するインターネットでの販路や流通を提供する一方で、高付加価値商品の取扱い拡充による自社のブランド力の強化や、実店舗販売におけるシナジーなどを狙うという。
ディーンアンドデルーカジャパンとは業務提携に加え資本提携も結んでおり、第三者割当により新たに発行されたディーンアンドデルーカジャパン株式500株をオイシックスが引き受けた形だ。