2017.06.30 ネットエイジ(現ユナイテッド) 西川潔氏(アーサー・D・リトル出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
西川潔氏のプロフィール
事業会社、コンサル、外資系企業、多様な経験から起業
ネットエイジ社を設立した西川潔氏は、1956年東京大学教養学部の出身。KDD(現KDDI)での勤務を経て、アーサー・D・リトルに入社。その後、AOLジャパン(米大手インターネットサービス会社)などを経て、1998年にネットエイジ(現ユナイテッド)を設立、代表取締役社長となる。
(但し、2007年5月に代表権を持たない取締役会長に就任)
同氏は、1999年に起業活性化を目的とする「渋谷ビットバレー構想」を提唱。その後も、様々なインターネットビジネスを手掛け、現在はエンジェル投資家としても活動している。
ネットエイジ(現ユナイテッド)社のサービス
スマホコンテンツとアドテクで目指す「日本を代表するインターネット企業」
西川潔氏が創業したネットエイジ社は、1998年からモバイル広告・インベストメント事業を展開。現在は他3社との合併を経て2012年よりユナイテッド株式会社として、スマホコンテンツとアドテクの2事業を主軸に展開している。
スマホコンテンツ事業では、エンターテイメントアプリやゲームアプリを開発・運用している。代表的なエンターテイメントアプリであるスマートフォンきせかえコミュニティ「CocoPPa(ココッパ)」では、各ユーザーが自分で制作したイラスト等の素材を投稿、他ユーザーとシェアすることができる。同アプリは2016年5月時点で累計5000万インストールを突破。ユーザーの約89%が海外という日本発のグローバルスマートフォンサービスとなっている。
一方、ゲームアプリには、同社の出資先であるワンダープラネット株式会社(スマートデバイス向けフルネイティブアプリ・ゲームの企画・開発・運営・販売)と協業した「クラッシュフィーバー」等がある。画面タップでパネルを壊していくロールプレイングゲームで、最大4人まで協力プレイが可能。2016年11月時点で全世界700万ダウンロードを突破している。
また、スマホコンテンツ事業と並ぶ主軸アドテク事業では、広告主向け広告配信プラットフォームの「Bypass(バイパス)」、メディア向け広告管理プラットフォームの「adstir(アドステア)」、モバイル動画広告プラットフォームの「VidSpot(ビッドスポット)」を運営。各サービスにて自社のアドテクを活用し、広告主の広告効果の最大化やメディアの広告収益の最大化など、顧客のニーズを実現。2015年3月には「Bypass」の累計広告主数が3000社を突破。
同社モバイルアプリ例
出典:同社WEBサイト:スマホコンテンツ事業 アドテク事業
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
ネットエイジ時代から東証マザーズに上場。事業拡大にも積極姿勢
西川氏が設立したネットエイジ社は、2006年8月に東京証券取引所マザーズに株式上場。現在、ユナイテッド社も同市場に上場している。
また、積極的な新規事業案の事業化や、最先端技術の取り入れ等、事業拡大の動きが見られる。例えば、同社は社内からの新規事業創出を目的とした施策の一つとして「スタートUアップ」という社内制度を実施している。社員が新規事業案をプレゼンし、選抜された1案が必ず事業化されるという。近年では、同制度がきっかけとなり2017年5月から「MRサービス研究開発室」が新設された。MRとは、目の前の空間を認識し、現実の風景に3Dの映像を重ねて表示する最先端の技術。ゲーム業界や航空業界、建設業界など幅広い分野での応用が期待される。