2016.04.25 フライヤー大賀康史氏(アクセンチュア、フロンティアマネジメント出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
大賀康史氏のプロフィール
アクセンチュア、フロンティアマネジメントを経ての起業
フライヤー社の代表取締役CEO大賀康史氏は、2003年に早稲田大理工学研究科機械工学専攻を修了。同年、アクセンチュアに入社し、製造流通業本部、同戦略グループで経験を積んだ。その後、企業再生コンサルティングを手掛けるフロンティア・マネジメントに転職。
コンサルとして働いていた頃、本のハイライトや概要が分かれば、必要な書籍を効率的に見つけられると考えたのが起業のきっかけだったという。大賀氏と同じくフロンティア・マネジメントでコンサル経験を持つ、苅田明史氏と2013年に同社を起業。
フライヤー社のサービス
本の要約サイトで「ひらめきあふれる世界を」
大賀康史が設立したフライヤー社は、本の要約サービスのウェブサイト「フライヤー」を運営。フライヤーで要約される本は、出版社やコンサルティング会社、投資銀行で働いたキャリアを持つ社員が書店の店頭で選ぶほか、出版社や提携するグロービズ経営大学院大学からの紹介など、ルートは幅広い。本が決まった後は社員が精読して要約を作成。「読みやすいか」「要所を押さえているか」といった点を意識して社内外で複数回、記事を校正して高品質を目指す。
サイト上で紹介されている本の画像をクリックすると、約4ページの要約が読める。見出しや画像を間に挟み、読みやすいように体裁が整えられており、10分ほどで読み切れる。ビジネス書は毎年、新刊本6,000冊以上が発行されており、書店での立ち読みやECサイトのレビューだけで、読者が自分に合う1冊を見つけるのは難しい。フライヤーの要約により本の内容を効率的に把握でき、ビジネスに役立つ知識や教養もまた効率的に身につけることができる。「読書体験を豊かにするディスカバリーサービス」を目指している。
同サイトはパソコン、スマホ、タブレット端末に対応し、無料と有料のコンテンツがある。無料での利用者はフライヤーが定める20冊が読め、その中の1〜2冊は毎月入れ替わる。有料プランには月額500円のシルバープランと、月額2,000円のゴールドプランがある。シルバープランは過去に要約された書籍の中から1ヵ月に5冊まで読め、読んだ書籍は翌月以降、何度でも読める。ゴールドプランは毎月追加される20~30冊の最新の要約を含め全て読み放題。会員数は全部で4万人を超える。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
2014年7月に資金調達。2016年10月に約4億円でメディアドゥに全株売却が発表された
同社は、シードアクセラレーションプログラム「MOVIDA JAPAN」の出身。2014年7月に、East Ventures、西川アソシエイツ、nomadの三社(運営するファンド等)を引受先とする第三者割当増資を実施している。本第三者割当増資で調達した資金により、エンジニアやコンテンツライターを拡充し、Androidアプリの開発を始めとするサービス開発の側面と、海外コンテンツや教養分野など取り扱いコンテンツの両側面から、事業強化を図るとしていた。
2016年10月、株式会社メディアドゥが株式会社フライヤーの株式を取得し、子会社化することについて決議したことを発表。取得価格は、合計4億800万5,200円で、株式譲渡実行予定日は11月1日となっている。