2016.04.25 英治出版原田英治氏(アクセンチュア出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
原田英治氏のプロフィール
現アクセンチュアでコンサル経験を積み起業へ
英治出版代表取締役の原田英治氏は1966年、埼玉県生まれ。祖父の代から続く一世印刷株式会社の創業家に生まれ育った。1991年に慶應義塾大学法学部法律学科を卒業し、同年アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社。1995年に同社を退社し、家業の一世印刷の取締役となる。翌年には同社役員を辞任し、有限会社原田英治事務所を設立、代表取締役に就任。2000年に社名を英治出版株式会社に変更。
子供の頃から社長になることが夢だったという原田英治氏は、大学卒業後すぐの起業を考えるも、経営やITシステムを学ぶためアンダーセン・コンサルティングに入社。同社では、大企業のシステム関連プロジェクトなどに従事。数十億円にも及ぶ事業の規模感を目の当たりにし、事業を実施する準備の大切さと結果を出す責任感を学んだという。
英治出版社のサービス
ブックファンドで実現「著者を応援する事業としての出版」
原田英治氏が設立した英治出版社は、ブックファンドという新しい出版の形を創出。ブックファンドは、出版や企画に共感する出資者から資金を集めて本を出版し、販売実績に応じて損益を分配する仕組だ。従来は出版社に主導権のあった、本の判型、発行部数、スケジュール、広告予算などの条件を、企画者の本来の目的に則した形で実現できるという特徴がある。
同社は1999年の設立以来、ビジネス書を中心に300点以上を刊行してきた。そのうちファンドを成立させた事例は既に60点以上に上る。過去事例は、企業から社会へのメッセージ発信・実現を支援する「企業ブランディング」から、個人著者の出版を支援する「個人ブランディング」、英治出版が企画し共感した出資者とともに出版する「戦略企画」、出版を通じ社会に利益を還元する「社会貢献」まで多岐に渡る。
ブックファンドによる出版物の利益の活用方法は、企画者や出資者の意向が反映されやすい。例えば、2006年に『南の島の「プルワン」』という書籍出版に際し成立したブックファンドでは、企画者と企画に共感した出資者の希望で、著作権料(保証印税)のすべてが孤児院建設費用と、同書500冊をスリランカの学校へ寄付するための必要経費に充てられたという。
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
コンサルティング会社への第三者割当増資を実施
同社は、2006年にスカイライト コンサルティング株式会社を対象にした1500万円の第三者割当増資を実施。
また、2003年から韓国Book21と業務提携を開始。翌年には日韓初の合弁出版社「エイジ21」を設立するなど、出版インフラの海外拡張にも注力している。2006年に「エイジ21」を自社100%出資子会社とした。