2016.12.25 クラウドリアルティ鬼頭武嗣氏(ボストンコンサルティンググループ出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
鬼頭武嗣氏のプロフィール
幅広いコンサル経験からの起業
クラウドリアルティ鬼頭武嗣氏
クラウドリアルティ代表取締役CEOの鬼頭武嗣氏は、東京大学の出身。工学部で建築を専攻し同大学院の工学系研究科へ進学。2007年に大学院を修了し、ボストンコンサルティンググループに入社。食品や住宅メーカーの組織編成や、情報通信企業の新規事業立上げ等、幅広い案件に参画。2010年にメリルリンチ日本証券株式会社へ転職。投資銀行部門に配属されて不動産投資信託の株式公開の業務などに従事。2014年にクラウドリアルティを設立し、代表取締役に就任。
出典:同社WEBサイト https://www.crowd-realty.com/
クラウドリアルティ社のサービス
クラウドファンディングで繋ぐ、少額個人投資と地方再生
鬼頭武嗣氏が設立したクラウドリアルティ社は、不動産に特化した投資型クラウドファンディング・マーケットプレイスを提供している。言い換えると、これまであまり活発でなかった個人による投資と、資金調達が困難な地方の建築及び不動産を、クラウドファンディングを通じて結びつける仕組みを構築している。
不動産に対する金融機関からの融資は、債券の回収率、利益率、規模等の観点で、地方の小規模物件にとっては敷居が高いことが多い。必要な資金を調達することが困難な地方物件に投資を促すようなビジネスを展開することが同社起業のきっかけという。
この実現に際し鬼頭氏が目を付けたのがREIT投資である。REIT投資とは、不動産の投資信託のようなものであり、日本の不動産金融の世界には2001年にJ-REIT市場が誕生している。REIT投資は少額投資が可能となることが特徴の一つである。これにより、出資に踏み出しやすくなった個人投資家からの資金と、地方の投資需要を繋いでいる。
現行プロジェクトとしては、エストニア共和国の不動産に関する投資・有効活用を行う現地業者に対する投資案件が運用中。5万円からの出資、13カ月の運用期間で利回り9.0%を想定している。募集金額500万円に対し560万円程度の申込総額を達成。
クラウドリアルティ案件例
出典:同社WEBサイト https://www.crowd-realty.com/project/list/
資金調達・事業拡大に向けての動き
第三者割当増資によりシステム・体制面の強化を図る
クラウドリアルティ社は、2015年の11月にグローバル・プレイン株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施。調達資金により今後システム・体制面の増強を図るという。また、2016年には金融業として事業を行うために必要な行政手続きを終え、第二種金融商品取引業の登録を完了。財務局から免許番号を取得している。