2017.06.28 株式会社BONX 宮坂貴大氏(ボストンコンサルティンググループ出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
宮坂貴大氏のプロフィール
スノーボードへの情熱から着想、コンサルタントから起業家へ
チケイ株式会社(現株式会社BONX)を設立した宮坂貴大氏は、神奈川県川崎市出身。東京大学・大学院を卒業した後、2011年にボストン コンサルティング グループに入社。同社を退社した後、2014年11月にチケイ株式会社を設立。代表取締役CEOに就任。(平成28年6月より株式会社BONXに社名を変更)
同氏は学生時代から大のスノーボードファン。留学先のニュージーランドでもスノーボード漬けの生活を送ったという。BCG時代に、「サーフィンで自分が波に乗っている時の様子を撮影したい」という発想で、ウェアラブルカメラのブランドを立ち上げたGoPro社について知る。GoPro社の創業ストーリーと自身のスノーボード経験から着想を得て、スノーボーダーが滑りながらコミュニケーションを取ることができる、ウェアラブルトランシーバー「BONX」の開発に繋がったという。
また、宮坂氏とともにチケイ社設立に注力した、Co-Founder兼CTOの楢崎雄太氏もコンサル出身者。楢崎氏は、東京大学工学部システム創成学科、同大学院学際情報学府を卒業し、ボストン コンサルティング グループに入社した。BCGでは、国内の大手メーカーに対するR&D、SCM、販売戦略構築、中期戦略立案を中心に幅広い領域のコンサルティング業務を経験。
チケイ(現BONX)社 宮坂貴大氏(左)、楢崎雄太氏(右)
出典:同社WEBサイト・チーム紹介ページ https://bonx.co/ja/teambonx/
チケイ(現BONX)社のサービス
アウトドアの楽しみ方を革新する、エクストリームコミュニケーションギア
チケイ社(現BONX社)は、ウェアラブルデバイスの企画、開発、及び販売を行っている。同社の主力商品である「エクストリームコミュニケーションギア BONX Grip」は、アウトドアアクティビティ中の使用に最適化されたBluetoothイヤフォンである。両手がふさがっていたり、激しい運動を伴ったりする場面でも、安全快適に音楽や電話を楽しむことができる。さらには自社独自のアプリを搭載しており、最大10人がアクティビティ中にグループ通話に参加できる。スノーボード、サイクリング、釣りを始め、様々なアウトドアアクティビティでの活用が可能。
同商品は、アウトドアアクティビティ中の使用を想定しているため、デザインにも工夫が凝らされている。例えば、通話を開始する際にボタンを押す必要はなく、ユーザーが話し出すだけでデバイス内のデュアルマイクが自動的に音声を感知・通話が開始される。また、アクティビティ中の安全性のため、開放型のデザインとすることで周囲の音が聞こえるように設計されている。もちろん生活防水や耐衝撃性も兼ね揃える。
これらの機能を実現するために、自社の革新的な技術を駆使している。例えば、発話を検知するため、機械学習により自動で音声環境に最適化。最小限の処理時間で正解に人の声だけを検知することでリアルタイムなコミュニケーションも実現している。また、不安定な電波環境でも安定した接続を維持できる。電波強度に応じて自動的にビットレートを調節し、音質とデータサイズのバランスを最適化している。さらに、アウトドアにはつきものである激しい向かい風の中での会話も、デュアルマイクによるデジタルノイズキャンセリング等を用いて可能にしている。
また、Amazon社が展開する、スタートアップ企業の画期的なアイテムを取扱うショッピングサイト「Amazon Launchpad」の出展製品に選抜され、2017年1月18日より同プラットフォームにて販売が開始された。
出典:同社WEBサイトhttps://bonx.co/ja/
資金調達状況・事業拡大に向けての動き
近年の増資により海外展開、事業提携の動き
同社は、BONX Gripのクラウドファンディングで、2015年に国内で約2500万円、2016年に海外から10万ドル以上の支援調達に成功。
2017年5月には、株式会社ADWAYS、KII(慶應イノベーション・イニシアティブ)、リオン株式会社を割当先とする第三者割当増資により2億円の資金調達を実施。調達資金により「BONX Grip」のグローバル展開、及び新規株主との共同研究・事業開発を推進するという。
グローバル展開では、4月にBONX North America Inc.を米国にて設立し、近々に現地での販売開始を予定。