2017.01.07 ケアネット大野元康氏(ボストンコンサルティンググループ出身)
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コンサルグファームを卒業後に「起業」にチャレンジしている人は多い。
本特集「コンサルティングファームを経た起業家たち」では、コンサル出身の起業家を詳細に紹介します
大野元康氏のプロフィール
コンサルと医療法人経営経験を持って起業へ
ケアネット社代表取締役社長の大野元康氏は、岐阜県の出身。1986年に東京大学経済学部を卒業した後、山一證券へ就職。その後、1990年から日本総合研究所、1991年からボストンコンサルティンググループに勤め、1995年には医療法人社団健育会に転職。1996年にケアネットを設立、代表取締役社長に就任した。
コンサル時代に様々な業界を目にする中で、古い体質が残る医療の世界に参入の余地があると考え、医療業界で事業を始めることを決めたという。
出典:同社WEBサイト http://www.carenet.co.jp/
ケアネット社のサービス
インターネットで実現。医療・製薬業界における効率的な情報提供サービス
大野元康氏が設立したケアネット社は、医師・医療従事者と製薬企業を対象に事業を展開。医師・医療従事者に向けては、医薬や医療の情報提供サービスを展開し、製薬企業に向けては医薬営業支援サービスを行っている。
医師・医療従事者に向けた情報提供サービスでは、日常診療に役立つ専門コンテンツを配信するウェブサイト「ケアネット・ドットコム」の運営や、医療者の自己学習を支援する医療教育動画サイト「CareNeTV」の運営、さらには医学映像DVD教材の製作・出版まで手掛ける。現在、ケアネット・ドットコムは20万人を超える医療従事者に利用されており、DVD教材も医学出版界では最大規模の販売数30万枚を超える成功を収めている。
また、製薬企業に向けては「MRPlus」という医療情報提供サービスを通じ、営業・プロモーション活動を支援。ケアネット社の医師会員に対し医薬情報(病態、作用機序・メカニズム、効果効能安全性、診断・治療法等)をインターネット配信し、それに対する医師の反応を製薬会社にフィードバックする。さらに「ナビゲーション機能」によりMRが医師と効率的に面会できる機会も創出。多忙な医師に対する製薬企業の営業活動の生産性向上に貢献している。
「ケアネット・ドットコム」Webサイト
出典:同社WEBサイト http://www.carenet.co.jp/service/
資金調達・事業拡大に向けての動き
2007年マザーズ上場。海外企業との事業提供も
ケアネット社は、2007年4月に東京証券取引所マザーズへの上場を果たしている。
近年では、2014年に製薬企業向けソリューションを提供する世界的企業のIndegene Lifesystems社(インド・バンガロール)と、2015年に世界最大級の医療情報サイト「Medscape」を運営するWebMD社(米国・ニューヨーク)と業務提携を実現する等、国境にとらわれない事業拡大の動きが見られる。
2015年12月期の連結売上は1,911百万円、営業利益は153百万円。2017年1月の時価総額は約38億円となっている。