2018.07.17 デロイト トーマツ、アジアパシフィック地域での展開を加速。3年間で3億円の戦略投資
デロイト トーマツ グループは7月13日、アジアパシフィック地域のデロイトの他のメンバーファームと共に、新たにDeloitte Asia Pacific(デロイト アジア パシフィック 以下、デロイトAP)を設立すると発表した。
デロイトAPは、日本(デロイト トーマツ)のほか、中国、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア(インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ、グアムを包含)の5つのメンバーファームが参画して、本年9月1日に設立される予定。
デロイト トーマツを含む5つのメンバーファームは、各国・地域での従来からの経営体制を保持しつつ、デロイトAPを通じて、AP地域での連携を強化していく。域内の総勢4万4,500人にのぼるプロフェッショナルの広範な専門能力を集約し、これまで以上に一体的に活用・展開すると共に、以下のテーマに焦点を当てて、向こう3年間にわたりAP地域全体で総額321百万米ドル規模の戦略投資を実行する計画だ。
・クライアントへのサービス提供体制の拡充:
革新的で質の高いサービスの開発・展開を進めると共に、AP地域内で提供するサービスの一貫性を高め、サービス品質の一層の向上を追求。これにより、国・地域の枠を越えたシームレスなサービス提供体制を一段と強化する。
・監査品質の一層の向上と均質化:
AP地域全体として、より高品質な監査の実施に注力し、各国固有の法令等を尊重しつつ監査品質の高度な均質化を目指す。
・人材の採用・育成の加速:
AP地域全体として、優秀な人材を積極的に採用し、多様なキャリア成長機会を提供することで、次世代リーダーの育成を加速させる。
詳しくは以下のリリースをご覧ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20180713-2.html
アジア地域での新旧DTCの戦い
デロイトトーマツは、国内約40都市に拠点を持ち、国外案件についてはデロイトグループの各国法人と連携をとってビジネスを展開している。
今回のデロイトAP設立によって、アジアパシフィック地域での高品質でシームレスなビジネス展開を狙う。
一方、現在、日本発の独立系コンサルティングファームとしてアジア地域に拠点を拡張し、強みを強化しているのがアビームコンサルティングだ。同社はアジア地域に14拠点を持つ。
コンサル業界は再編がめまぐるしいのが特徴だが、現在の「デロイトトーマツコンサルティング」と「アビームコンサルティング」はもともと「等松・トウシュロス コンサルティング」として一つのファームであった。
それが、1993年に「経営コンサル部門」と「IT部門」に分離。前者(経営コンサル部門)は「トーマツコンサルティング」を経て2008年より「デロイトトーマツコンサルティング(現DTC)」に。
後者(IT部門)は1997年にデロイトグループに参入し、「デロイトトーマツコンサルティング(旧DTC)」に改名。その後、エンロン事件の流れを受け、トーマツ、デロイトグループから独立。2003年にアジア発の独立系コンサルティングファームの旗を掲げ現在の「アビームコンサルティング」が誕生した歴史がある。これら「新・旧DTC」の今後のアジアでのビジネス展開に注目していきたい。
アビームコンサルティングのアジア展開については、当ニュースの過去記事もご覧ください。