2017.11.08 新日本監査法人、AIによる会計仕訳の異常検知アルゴリズムを実用化
新日本有限責任監査法人(以下、新日本監査法人)は、会計仕訳データからAIが取引パターンを学習して異常仕訳を自動的に識別するアルゴリズムを開発した。
先端デジタル技術の監査現場への活用を推進するため新設したDigital Audit推進部により、監査先企業に順次展開する。
新日本監査法人は、このアルゴリズムを含む先端デジタル技術を駆使し、効率的で深度ある監査の実現を目指すとのことだ。
異常仕訳の抽出は、監査人が一定の仮説に基づいて検索条件を設定し、これに該当する異常な仕訳を抽出する手法が行われているが、このアルゴリズムは、AIの要素技術の一つである機械学習を用い、何万パターンにもおよぶ会計仕訳から、収益の過大計上や費用の過少計上などの異常な仕訳をAIが自動的に検知。監査人はAIにより抽出された異常仕訳の分析に集中できる十分な時間を確保することで、監査品質の向上を図るとのこと。
新日本監査法人は2016年7月にも公開情報(財務諸表など)に含まれる過去の虚偽や訂正の事例からAIが監査先企業の将来のリスクを予測する不正会計予測モデルを導入しいた。今回、公開情報よりも詳細で膨大なデータである内部の非公開情報を利用するアルゴリズムを新たに導入し2つの技術をあわせて監査現場で活用することで、リスク識別や異常検知の高度化を目指す。
新日本監査法人が監査現場で活用する2つの技術
※下記プレスリリースより
新日本監査法人は、先端デジタル技術を駆使した深度ある監査の実現「Smart Audit」を目指し、2016年11月に先端デジタル技術の監査への導入を研究開発するアシュアランス・イノベーション・ラボ(AIL)を設置している。今回100名体制で新設したDigital Audit推進部は、AILと協働し、開発した監査ツールなどを監査チームに展開していくという。
詳しくは以下のリリースをご覧ください。
https://www.shinnihon.or.jp/about-us/news-releases/2017/2017-11-06.html