2017.07.28 ローランドベルガー長島聡氏が著書「AI現場力 『和ノベーション』で圧倒的に強くなる」を上梓
ローランドベルガー日本代表の長島聡氏が26日、著書「AI現場力 『和ノベーション』で圧倒的に強くなる」(日本経済新聞出版社)を発表した。日本の製造業の現場をよく知る長島氏が、同社の日本が独自に打ち出している、日本型のイノベーション量産手法である「和ノベーション」の考え方を紹介。それとともに、日本企業が生産性を高めていくためのAIの活用についても解説していく。
「AIに職を奪われる」など世の中にもまだまだ誤解が多い、AIの特徴と限界について細かく分析。その上でいかに日本企業がうまくAIを活用していく方策についての解説を6章構成で展開していく。
1章 AIという幻想から目覚めよ!
2章 AIで人間の能力を伸ばす
3章 対話革新――AI×ビッグデータを駆使したコミュニケーション
4章 新・顧客価値創造――和ノベーションが拓く可能性
5章 カッティング・エッジ――圧倒的な強みをもつモジュールへ
6章 AIで現場力を高める組織体へ
また、「和ノベーション」とは、日本の製造現場に精通するローランドベルガーの日本法人が掲げた独自のイノベーションコンセプト。この言葉には、日本の「和」に加え、対話の「話」、仲間の「輪」の意味も含まれる。
日本の製造現場で和ノベーションに照らしてAIを活用すると次のような強みを生せるという可能性についても述べられている。
・AI×ビッグデータで「話」=顧客と企業や企業内の対話を革新する
・「先読み」「引き寄せ」「構え」で、顧客を機転とした「輪」=バリューチェーンを作り出す
・AIを活用した新たなバリューチェーンの中で、圧倒的な強みを発揮する
・AIを使った「加速学習」で人と組織の能力を最大限に高める
本書で紹介されているケースはマツダ、VW、ミスミ、デンソーといった大手企業から、プリファードネットワークス、由紀精密、IBUKI、リンカーズ、アスタミューゼといった中堅・新興企業など多数。
長島聡氏 早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、各務記念材料技術研究所助手を経て、1996年、ローランドベルガーに参画。工学博士。日本の代表取締役社長を務めながら、エクサインテリジェンスの顧問、カイゼン・マイスターの顧問、リンカーズのアドバイザー、アスタミューゼのアドバイザー、カブクのアドバイザリーなどを務めている。