2015.03.03 マッキンゼー出身の口石氏が設立したベンチャー、サイフューズが14億円を調達。
2月27日、株式会社サイフューズは、事業会社及びベンチャーキャピタル等12社を割当先とするシリーズB第三者割当増資を実施し、総額約14億円を調達したと発表した。ジャフコ、大和企業投資、DBJキャピタル、ニッセイ・キャピタル、日本ベンチャーキャピタルなどのベンチャーキャピタルだけでなく、エムスリー、サイバーダイン、株式会社JTファイナンシャルサービス等も含めた12社が割当先となっている。増資後の資本金は約20億円となる。
バイオ3Dプリンターの開発を進めるベンチャー
株式会社サイフューズは、佐賀大学中山功一教授の九州大学医学部整形外科時代の研究成果である、生きた細胞を立体的に積層する独自技術の実用化を目指して2010年に創業された再生医療ベンチャー。2010年より澁谷工業株式会社と細胞塊の積層を自動化するバイオ3Dプリンターの共同開発に着手し、2013年から国内の大学向けにレジェノバ(Regenova)という名前で販売を開始している。主な事業モデルはバイオ3Dプリンターの販売、立体組織製品の研究開発、及び立体組織の製造受託となっている。
口石幸治氏は2005年マッキンゼーに入社
サイフューズの代表取締役社長の口石幸治氏は慶応義塾大学機械工学科卒業後、1995年より松下通信工業(現パナソニックモバイル)において携帯電話のエンジニアとして、商品企画から、詳細設計、生産立ち上げ支援などに幅広く従事した後、2001年よりRYUKA 国際特許事務所において、発明の発掘と出願を支援。2005年よりマッキンゼー・アンド・カンパニーにおいて、国内外製造業のオペレーション改革を中心に、大手電機メーカーのビジネスデューデリジェンス、外資系ヘルスケア企業の組織設計およびポストマージャインテグレーション支援等を行った。2009年 サイフューズ起業のために同社を退社している。
バイオ3Dプリンターで従来よりも厚く弾力性に富んだ組織を製造
サイヒューズのプラットフォーム技術では、直径0.5㍉程度の細胞塊を微細な針で串刺しにしながら積層し、細胞塊が融合した段階で針を除去することにより、細胞と細胞由来のコラーゲンからなる弾力性のある組織を作製することができるという。この技術を自動化したバイオ3Dプリンターは、3Dデータと材料(細胞塊)を投入すると3次元造形された細胞構造体を出力する。出力された細胞構造体は専用のバイオリアクタ内で数日から数週間の成熟期間を経て目的の強度・機能を発現するようになるということだ。
この技術は様々な種類の細胞に応用可能で、従来よりも厚く弾力性に富んだ組織を製造できるので、幅広い疾患領域での再生医療及び創薬研究にブレークスルーをもたらすと期待されている。
今回の資金調達を受けて人員体制を拡充し、バイオ3DプリンターRegenovaの海外販売を開始するとともに産学連携による研究シーズの一層の拡充を図るとんのことだ。また、臨床用の細胞加工施設を立ち上げて全国の大学病院等から組織製造を受託する体制を整備することにより、当社プラットフォーム技術の実用化、普及拡大を図るということだ。
詳しくは以下のリリースをご覧ください。
http://www.cyfusebio.com/news.html?2015#675