ITコンサルタントおすすめの資格6選|未経験から目指す方法も解説 | コンサル業界ニュース

コンサル業界ニュース

ホーム > ITコンサルタントおすすめの資格6選|未経験から目指す方法も解説

2023.01.26 ITコンサルタントおすすめの資格6選|未経験から目指す方法も解説

it-consultant_license_01

近年、ITの高度な発達により、グローバル社会においてあらゆる企業で求められているDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改革。またそれに伴ってセキュリティの強化といったITに関連するプロジェクトも増えていることで、ITコンサルタントの需要は年々高まっています。このような需要拡大を背景に、未経験でありながらもITコンサルタントにチャレンジしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。 

本記事ではITコンサルタントとして活躍するのに、どのような資格が役立つのか解説します。将来のキャリアステップにも触れるため、ぜひ参考にしてください。 

   

  

​​目次 

​ITコンサルタントおすすめの資格6選|未経験から目指す方法も解説 

​ITコンサルタントとは 

ITコンサルタントに資格は必要か

ITコンサルタント関連の資格の全体像

ITコンサルタントにおすすめの資格
 ITの知識やスキルに関する資格
  応用情報技術者試験
  ITコーディネータ
  ITストラテジスト 
 プロジェクトマネジメントに関する資格 
  プロジェクトマネージャ(P2M)
  PMP
 経営知識に関する資格 
  中小企業診断士

未経験からITコンサルタントになるには?
 SEからITコンサルタントを目指す 
 IT営業からITコンサルタントを目指す 
 異業職から未経験でITコンサルタントを目指す

まとめ

 

ITコンサルタントとは

it-consultant_license_02

 ITコンサルタントとは、経営課題に沿ってシステム開発の提案やシステムの最適化を行うなど、企業の経営をITの側面から支援するIT戦略のスペシャリストです。ITコンサルタントと一言でいっても、扱う分野はさまざま。企業のあらゆる業務においてITが不可欠となっている今、DXを目的に導入される新システム、またそれらシステム開発に伴うセキュリティ強化やITのインフラ整備など、ITコンサルタントの対応すべきプロジェクトは非常に多岐に渡ります。 

混同されやすい職種として「経営コンサルタント」がありますが、経営コンサルタントは、クライアント企業の経営状態を調査し、課題を特定した上で、今後の経営方針を策定するところから始まります 。特定された課題に対してIT領域に特化したソリューションを提供するのがITコンサルタントです。 

また、ITコンサルタントは「SE・プログラマー」とも役割が異なります。ITコンサルタントは経営戦略の視点からIT戦略を考え、プロジェクト管理・統制を行う上層レイヤーの仕事になります。ITコンサルタントが策定した開発プランに対して、システムの開発設計・要件定義を担うのがSE、実装を担うのがプログラマー、という棲み分けが一般的です。 

  

  

ITコンサルタントに資格は必要か

2023年1月現在、ITコンサルタントになるために特定の免許や資格は必要ありません。ただ、ITコンサルタントはIT関連の専門的な知識やスキルをはじめ、営業系の顧客対応、管理系のプロジェクトマネジメントなど、求められるスキル要件が幅広いのが特徴です。これまでの経験や実績によって評価されるのが一般的ですが、特に未経験からITコンサルタントを目指す人は業務に役立つ資格を取得すれば、転職の際に評価されやすくなるといえます。また、フリーコンサルタントの場合もクライアントから信頼を得るのに効果的といえるでしょう。

    

   

ITコンサルタント関連の資格の全体像

ITの業務に関する資格は国家資格、民間資格、ベンダー資格の大きく3つに分かれています。 

国家資格とは国の法律に基づき定められた資格です。公的に認められた資格のため信頼性が高いと考えられており、例えば「ITストラテジスト」などが挙げられます。 

民間資格は民間団体や企業によって主催されている資格で、主催団体独自の基準に達すると資格を取得できるものです。「ITコーディネータ」などがIT系の民間資格に該当します。 

ベンダー資格とは、ハードウェアやソフトウェアを開発したベンダーが自ら行っている資格試験のことです。例えば参画しているプロジェクトにおいて、Oracle社の製品やサービスが使われている場合、Oracle社の資格(ベンダー資格)を取っておけば親和性が高く、仕事にも役立ちます。  

資格はそれぞれレベル分けがなされていることも覚えておきましょう。例えば、国家資格「情報処理技術者」は、経済産業省が定めたITスキル標準(ITSS)のレベル1から7までスキルレベルが分けられていますが、ITコンサルタントに求められる水準としては、レベル4以上が目安になるといえます。 

  

   

ITコンサルタントにおすすめの資格

ITコンサルタント、特に未経験から目指すうえで、いくつかおすすめの資格があります。これらの資格は主に、ITの知識やスキルに関するものと、プロジェクトマネジメント関連のもの、そして経営知識に関するものに分類されます。それぞれについて詳しく解説するので、順番に確認していきましょう。 

  

ITの知識やスキルに関する資格

  

応用情報技術者試験

応用情報技術者は情報処理推進機構が提供している、ITエンジニアスキルを測定する国家資格「情報処理技術者」のひとつです。応用情報技術者試験よりも一段階、難易度の低い試験に基本情報技術者試験があります。基本情報技術者試験では上長の判断と指示のもとでIT知識と技術を駆使し、システムの設計や開発を行います。一方で応用情報技術者試験の場合は自分自身の判断でIT経営戦略を立案し、システム設計、開発に携わることのできる資格です。この応用情報技術者を取得すると、IT技術や知識を基礎から一歩先へ進め、高度IT人材となるための応用知識と技能が身に付いていることを証明できます。 

ITSSのスキルレベルは3ではありますが、合格率は20%程度で、合格に必要な勉強時間は未経験者の場合500時間程度といわれ、決して難易度は低くありません。ただ、取得できれば後述するITストラテジスト試験やプロジェクトマネージャ試験など「高度試験」の午前試験が免除される※こともポイントといえるでしょう。 

※免除されるのは、応用情報技術者取得から2年まで。また、免除には申請手続きが必要です。 

  

ITコーディネータ 

ITコーディネータは、ITコーディネータ協会(ITCA)が主催している民間資格で、経済産業省が推進している資格として知られています。経営に基づいた基本的なIT戦略を支援していくための資格となります。ITコンサルタントとして活躍するのにベースとなる内容ですので、未経験の方には特におすすめです。 

ITコーディネータによって証明できるのは、経営者の立場からITシステムの構築や、適切なサービスの取捨選択を判断することのできるスキルです。 

国家資格「情報処理技術者」の高度情報処理技術者試験と同じ、ITSSのスキルレベル4相当とされていますが、試験の難易度はそこまで高くなく、合格率は6〜8割で勉強時間の目安も50時間ほど。社会人として仕事をしている人でも比較的挑戦しやすい資格といえるでしょう。 

  

ITストラテジスト 

ITストラテジストも情報処理推進機構によって実施されている国家資格「情報処理技術者」のひとつで、ITSSのスキルレベルは4となっています。経営戦略を実現するためのIT戦略を策定し、日々の業務改革から商品・サービスの創出まで、企業の方向性を決めて成功に寄与する人材のための高度な資格です。ITストラテジスト資格のなかには、従来のシステムアナリスト試験、そして上級システムアドミニストレータ試験が要素として含まれています。 

ITストラテジスト資格では、企業が必要としているIT戦略を見抜き、業績アップを可能とするITシステムを構築できるスキルがあることを証明できます。 

合格率は14%ほどと難しく、また勉強時間は実務経験者でも150〜200時間ほどといわれていますので、数年単位で学習計画を立てる必要があります。

   

プロジェクトマネジメントに関する資格

  

プロジェクトマネージャ(P2M)

プロジェクトマネージャ、通称「P2M」も、国家資格「情報処理技術者」のひとつで、ITSSのスキルレベルは4の資格です。日本プロジェクトマネジメント協会が行っている資格試験で、内容は「PMC(プロジェクトマネジメントコア)」「PMSプログラム」「PMS(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)」「PMR(プロジェクトマネージャ・レジスタード)」の4段階に分かれています。4段階ある試験は後にいくほど難易度と実践性を増し、最高段階のPMRになると論文や面談、ワークショップで資格認定が行われます。 

P2M資格によって証明されるのは、ITコンサルタントとして必須のプロジェクトのマネジメントを担うスキルです。プロジェクト計画の進行だけではなく、プロジェクトメンバーの選定とマネジメント、ステークホルダーとのやりとり、各所とのコミュニケーションのスキルが必要とされる資格です。 

エンジニアの実務経験かつプロジェクト管理の経験がある人を想定している試験で、合格率も13%程度と低く、非常にハードルの高い資格試験のひとつといえます。 

  

PMP

PMP (Project Management Professional)も、プロジェクトマネジメントに関連する資格試験です。先出のプロジェクトマネージャと違うのはアメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が主催する国際資格であるという点で、PMPを保持していれば国際的なプロジェクトにおいてもその技術と知識を発揮できる素地となるでしょう。PMPはCIOマガジン上において「北米で最もレベルの高いプロジェクト管理の資格」としてランクインしており、信頼性の高さは随一といえます。 

それだけに、受験には相応のマネジメント経験とプロジェクト指揮監督の実務経験を要します。学歴等によりますが、多ければマネジメント経験60カ月とプロジェクト指揮監督実務7,500時間が受験の最低要件のうちに含まれることもあり、PMP資格では非常に高い実務スキルの証明が可能です。ただ、一度取得すれば良いのではなく、3年ごとに更新が必要です。 

   

経営知識に関する資格

  

中小企業診断士 

中小企業診断士は中小企業支援法において定められた国家資格です。中小企業が抱えるさまざまな課題に対して問題点を洗い出し、解決のための助言を行う、中小企業向けの経営コンサルタントが中小企業診断士です。 

中小企業診断士の資格を取得すれば、中小企業を相手に総合的な成長戦略を策定したり、戦略を実行するためのアドバイスを行ったりするスキルがあることを証明できます。ITコンサルタントとしてもより高度な経営視点をもって活躍できるといえるでしょう。 

ただ、1次・2次と分かれている試験で合格率はわずか数%、また勉強時間も独学だと1000時間、5年以上ともいわれ、極めて難易度の高い資格となっています。

  

  

未経験からITコンサルタントになるには?

it-consultant_license_03

ITコンサルタントになるには、どのようなキャリアを築けば良いのでしょうか。ここではITコンサルタントまでのキャリアステップを解説します。

   

SEからITコンサルタントを目指す

SEとITコンサルタントは、共にシステム開発プロジェクトに従事する職種である一方、役割や仕事内容に違いがあります。ITコンサルタントはSEの上層レイヤーとして位置付けられており、SEとしての経験をベースにITコンサルタントへ転職するケースは多くあります。 

ITコンサルタントはさらに一歩進めて、顧客の要望を満たすためのソリューションやベンダーを選定しつつシステム開発や構築の全体をコーディネートしていく仕事です。 

SE経験者のITコンサルタントとしての採用ニーズは高い傾向にあるため、これまでのスキル・経験を活かして活躍できるという意味でも、SEからの転職はおすすめです。 

  

IT営業からITコンサルタントを目指す

IT技術に関して深く理解した上で適切な提案を行うIT営業は、当然ながらIT関連の高い知識が身に付く仕事です。 

また、ITコンサルタントとして活躍するためにはIT知識だけでなく、論理的思考力やマネジメント能力、コミュニケーション能力などの幅広い能力が必要ですが、IT営業としての経験はそれらのスキルを得るのにも役立つと考えられます。 

営業とコンサルタントは異なる職種ではありますが、ITという同じ分野であることに加えて、コンサルタントに必要なスキル・能力としては共通する点が多いので、スムーズなキャリアチェンジが実現できるでしょう。 

  

異業職から未経験でITコンサルタントを目指す

前述のとおり、ITコンサルタントになるために必須の資格はなく、恒常的に市場ニーズの高い職種なので、異業種や異職種から未経験でITコンサルタントを目指すことも不可能ではありません。ただしITコンサルタントとして業務を遂行するためには、ITに関する専門的な知識が必要不可欠であるのはもちろん、プロジェクトマネジメントや経営に関する知識など幅広いスキルがなくては務まらないのもまた事実です。当然ながら、IT領域に関わらず、コンサルタントとしての論理的思考力やコミュニケーション能力なども必須となります。 

つまり、まったくの未経験から挑戦する場合は資格取得を含めた勉強、また同系統の業職種の経験を経るなどが鍵をにぎるといえるでしょう。 

  

  

まとめ

ITコンサルタントに必須の資格として決められたものはありませんが、未経験の場合はIT関連、またはプロジェクトマネジメント関連、経営関連の資格を取得しておくと、資格に応じた知識があるということが評価され、転職活動やフリーコンサルタントとしての活躍に効果的であることを紹介しました。 

ここで取り上げた資格試験は、未経験でも挑戦しやすい基本的なものから、難関ではありながらそれだけ国内だけでなく国際的にも評価を得られる資格まで幅広くあります。いずれも、ITコンサルタントとして活躍するのに役立つ内容ですので、自分の経験や目指すキャリアビジョンに合わせて計画的に勉強していただけたらと思います。 

コンサルタントの中でもIT分野は、企業からのニーズが高まり続けている領域であり、フリーコンサルタントとして独立を考えている方にとってもおすすめの職種です。 

市場価値の高いITコンサルタントだからこそ、未経験からITコンサルタント、そしてフリーコンサルタントとして独立など、資格を有効に活用しながらキャリアアップに積極的に挑戦してみましょう。 

  

   

   

フリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」  

「POD」は、経営・戦略やIT上流・要件定義、SAP、DX、新規事業、PM・PMO、先端技術(AI・Fintech)等、幅広い分野のプロジェクトを取り扱う、フリーコンサルタント向けの案件紹介サービスです。  

「フリーコンサルタントに興味があるけれど、どの程度稼げそうか…」、「理想の働き方を実現したいけれど、可能だろうか…」、「年収アップを実現できるか…」など、独立に際して気になることがあれば、事前に相談してみてはいかがでしょうか。 

  

Professionals On Demand

コンサル業界ニュースメールマガジン登録


 

Related article

Pickup

Feature

マッキンゼー出身の原聖吾氏が設立した医療系スタートアップが11億円の資金調達

マッキンゼー出身の起業家 原 聖吾 氏が2015年に起業した医療系スタートアップ「株式会社情報医療」(※以下「MICIN」)が、2018年4月末までに三菱商事株式会社など4社から11億円を調達したことを発表した。

2018.05.15

~INTERVIEW~A.T.カーニー石田真康が歩む戦略コンサルタントと宇宙ビジネス活動という2つの世界

宇宙ビジネスに取り組むきっかけ。それは、30歳を手前に病に倒れた時、少年時代に抱いた宇宙への憧れを思い返したことだった。石田氏は戦略コンサルタントとして活動しながらどのように宇宙ビジネスに取り組んでいるのか語ってもらった。

2018.01.10

~INTERVIEW~ 経営共創基盤の10年【第4回】コンサル業界の枠を超えたプロフェッショナルファームの実像

経営共創基盤(IGPI)の代表的な実績の一つが、東日本の地方公共交通など8社を傘下に持つ「みちのりホールディングス」への出資と運営だ。経営難の地方公共交通事業を再建しローカル経済にも貢献している意味でも高い評価を得ている事業。なぜ右肩下がりが続く構造不況業種の地方公共交通に出資したのか、どのように事業再生の成功にまでに至ったのか。みちのりホールディングス代表取締役の松本順氏(経営共創基盤・取締役マネージングディレクター)に聞いた。

2017.11.22


ページの先頭へ