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2022.04.01 景品表示法の内容及びその定義を記載し、違反と判断される基準を事例を交えて紹介

景品表示法

日々目にする食品や雑貨などの品物についている表示。消費者はその情報をもとに購入するかどうかの判断を行います。一方で近年では誇大表示や偽装表示などの問題もあり、正確かつ適切な情報によって消費者を守るための法律として、景品表示法が施行されました。 

本コラムでは景品表示法の内容や定義について、特に景品類の規定を中心に違反例や注意点を挙げながら解説します。 

  

  

景品表示法とは

景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。読んで字のごとく不当な表示や過大景品から消費者を守るためのもので、独占禁止法の特例法と位置付けられています。 

  

景品表示法の定義

景品表示法の定義は、不当な表示と過大な景品類をともに禁止する法律です。表示とは、商品のパッケージなどにある、産地や成分などの記載部分のことで、文章で書かれる内容が法律によって守られています。 

景品類とは、一般的なおまけや粗品・賞品などを指しています。景品表示法における景品類とは、消費者への集客手段の一つとして商品やサービスに付随するグッズや金銭などのことです。景品類等は細かく分類されており、それぞれに提供できる限度額が法で定められています。 

  

景品表示法の目的 

景品表示法は消費者が不利益を被るような不適切な表示や、過大な景品の提供を抑止することを目的としています。景品類がおまけや商品などに該当する場合は消費者にとってメリットであるかのように感じられますが、集客手段として過熱化することで本来的な商品・サービスの品質低下を招く可能性もあります。そのため、それを阻止する狙いもあります。 

いずれにせよ、景品表示法は消費者の消費行動を守ることが第一義といえるでしょう。 

  

  

景品表示法に違反した場合 

事業者等が万が一景品表示法に違反する不当な表示などを行った場合、法律によりペナルティが課せられます。以下にその措置を挙げました。 

   

措置命令

景品表示法違反に対し、その行為が再び行われないために必要な事項や、当該行為の差し止めなどを命令するものです。 

この措置命令では当該行為がすでになくなった場合でも発令することが可能で、措置確定後これに従わない場合は処罰の対象となります。事業の代表者等は懲役2年以下の実刑または300万円以下の罰金、事業者は3億円以下の罰金が科せられるという厳しい内容となっています。 

  

納付命令 

一方の納付命令は課徴金の納付を命ずる措置のことです。景品表示法に違反した事業者は、課徴金の対象となる売上額に3%を乗じた金額を課徴金として納付することが命じられます。 

これは2016年4月1日から施行された改正景品表示法によるものです。 

※出典:一般社団法人全国公正取引協議会連合会.「景品表示法とは」 (2022-1-24). 

  

  

景品表示法の具体的な項目

景品表示法では景品類が細かく分類されており、それぞれに限度額が設定されていることを先に述べました。以下にその4種類を概説します。 

  

総付景品 

総付景品とは事業者が消費者に対して、懸賞によらない方法で提供する景品類のことです。 

例えば、特定の商品を購入するともれなく一律でプレゼントする場合や、先着順に景品を付与するケースなどが挙げられます。 

取引価額が1,000円未満だと景品類の最高額は200円、同様に1,000円以上の場合は取引価額の10分の2までの額と定められています。 

  

一般懸賞 

一般懸賞はくじ引きや特定の行為を通じて当選した、商品・サービスの利用者に景品類を提供することです。 

取引価額が5,000円未満の場合、景品類最高額はその取引価額の20倍が最高額となります。 

同じく5,000円以上だと10万円が最高額となりますが、いずれのケースでも景品類の総額は懸賞に係る売上総額の2%までと決まっています。 

  

共同懸賞 

共同懸賞とはその名のとおり、特定の地域や業界事業者などが協力して商品・サービスの利用者に景品類を提供することです。例としては商店街の福引などがこれに相当します。 

この場合の景品類の最高額は取引価額に関わらず30万円まで、総額は懸賞に係る売上総額の3%までと定められています。 

  

オープン懸賞 

上記の一般懸賞では商品・サービスの利用者が対象でしたが、直接そのユーザーでなくても申し込むことができるのがオープン懸賞です。例えば雑誌や新聞、テレビやインターネットサイトなどから応募できる懸賞などが該当します。 

景品類の最高額は2006年3月までは1,000万円とされていましたが、同年4月の法改正によって上限額が撤廃されました。 

※出典:一般社団法人全国公正取引協議会連合会.「景品表示法とは」 (2022-1-24). 

  

  

景品表示法における注意点 

景品表示法には多くの注意点があります。主に商品を提供する事業者等の側に課せられるものが多いです。ひとつずつ見ていきましょう。 

  

景品規制がある 

景品規制とは、顧客の不当な誘引を防止することを目的とした措置です。総付景品をはじめ、各種の懸賞では景品類の上限額が定められているものがあるのはそのためです。また、業界ごとに独自の景品規制が定められている例もあり、新聞業・不動産業・雑誌業・医療用医薬品業ではそれぞれに景品額上限や各種の条件が設定されています。 

  

競争を否定するものではない 

景品表示法は消費者側が不当な不利益を被らないための防御策でますが、その一方で商品・サービスの品質や価格面での競争を否定するものではありません。過大な景品を目当てにした購買意欲が先行すると、商品・サービスそのものの質が低下する可能性がありますが、適切な競争であれば、事業者と消費者双方にとって有益な循環を生み出します。 

そのため、景品表示法は販売競争が不適切な方へと向かないようにする法律であるといえるでしょう。景品類の提供や懸賞の実施などを計画する事業者は、これら景品規制についてよく理解しておく必要があります。

   

法改正による影響がある 

景品表示法はこれまで見てきたとおり、数度の法改正によってその内容が変更されています。 

オープン懸賞についての解説項目でも述べたように、景品類の上限額が撤廃されたり、あるいは2016年に景品表示法違反の措置として納付命令が新設されたり、改正の度に大きな動きがある法律の一つです。 

特に、景品類の価額規定の変動は重要な問題で、正確に法の定めを理解していないと誤って違反した額を設定しかねません。景品表示法違反は厳しい処罰の対象となるため、法改正の動きとその結果には鋭敏に留意する必要があります。また、法改正が行われた場合は、新たな法に沿って各種の表示や景品額の見直しをしなくてはなりません。 

※出典:消費者庁.「景品表示法」 (2022-1-24). 

  

  

まとめ 

景品類の存在は消費者の購買意欲を掻き立て、商品やサービスの魅力を増す効果があります。 

また集客法としてもその有効性が知られており、キャンペーンなどでは必ずといっていいほどよく目にする施策です。それだけに価額や表示について厳密な法規定があり、事業者にとってはこれらの遵守が重要となります。 

  

  

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