2023.09.11 三菱UFJリサーチ&コンサルティング|日系グローバルファームの企業特徴| フリーコンサルタントのPOD
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)の総合シンクタンクとして知られるコンサルティングファームです。今回は社員数約1,120名、売上⾼約180億円と国内屈指の大手である三菱UFJリサーチ&コンサルティングの事業内容や特徴を紹介します。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの事業内容
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの事業には「コンサルティング事業」と「シンクタンク事業」の2つの柱があります。コンサルティング事業は主に企業向けのサービス。シンクタンク事業は中央官庁向けの政策研究・調査業務が中心です。それぞれの事業を紹介しましょう。
コンサルティング事業
企業の経営課題に切り込み、ビジネスを新たなステージへと導くのがコンサルティング事業本部の仕事です。国内外の経営・事業戦略、デジタル戦略、組織・人事戦略、マーケティング戦略、グローバル展開支援など、年間に手がけるプロジェクトは約2,000件におよびます。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが提供するサービスの詳細は、次のようなものです。
■戦略コンサルティング
企業の戦略の策定から実行支援まで一貫して支援しています。
経営課題の解決にあたっては、戦略の策定だけに留まらず、解決策=ソリューションの御提供まで行っていm。。
コンサル会社の提供するソリューションとは、コンピュータ等からなる情報システムと捉えられがちですが、我々はMUFGと一体となった広義のソリューション(ファイナンス・ソリューションやビジネスソリューションやマネージメントソリューションなど)を提供し、MUFGが一丸となって伴奏しております。
■デジタルイノベーション
デジタルツールの活用やデジタルトランスフォーメーションまで、IT・デジタルに関するコンサルティングで顧客のビジネス変革を支援しています。業務改革・働き方改革・BPR(業務効率化・省力化・自動化・テレワークなど)や、システム改革(システム刷新・パッケージ化・クラウド化など)が主流です。
■組織・人事戦略・人材育成
人事制度構築・ジョブ型人材マネジメント・デジタルHRなど、経営の土台となる「組織」、「人事」、「人材」に関するコンサルティングを提供。役員マネジメントやグローバル人材マネジメント・ M&A・組織再編(人材マネジメント領域)なども得意としています。
■サステナビリティ
シンクタンクを併設している強みを生かしながら、環境、社会的責任、ガバナンス・リスク管理・コンプライアンスに関するコンサルティングを実施。社会的責任(CSR)対応や マネジメント高度化も支援しています。
政策研究(シンクタンク)事業
政策研究・シンクタンク事業では、高い専門性に基づいた調査・研究をベースに環境、医療・福祉、経済・産業などの分野で政策立案を支援。政策推進支援のためのリサーチを行うだけでなく、知見を社会に還元するためにシンポジウムやセミナーの開催、執筆、公演、メディア出演などによる情報発信も積極的に行っています。
政策研究事業部が取り扱った最近のテーマとしては次のようなものがあります。
- ・日本の温室効果ガス排出・吸収量の算定・予測・増減要因分析
- ・気候変動枠組条約に関する隔年報告書・国別報告書の作成
- ・仕事と介護の両立に関する実態調査研究
- ・子どもの貧困の社会的損失推計
- ・地域包括ケアシステム構築に向けた制度やサービスのあり方に関する研究
- ・中小企業知財金融促進事業
- ・生態系を活用した防災・減災に関する検討調査
- ・日本のものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの会社概要
【代表者】
代表取締役社長 池田 雅一氏
【会社公式URL】
【設立年】
1979年7月
【資本金】
20億6千万円
【企業理念】
“Humanismに立脚し、RomanticismとRealismの両立を目指す。”
私たちは、明るい未来を拓くため、人と社会に対する信頼を基盤として、理想と実現性を踏まえた先駆的な知的価値を創造します。
【沿革】
1979年7月
株式会社東銀リサーチインターナショナル設立
(2000年1月に「株式会社東京リサーチインターナショナル」に社名変更)
1979年9月
株式会社セントラル経営センター設立
(1988年10月に「株式会社東海総合研究所」に社名変更)
1980年10月
ダイヤモンドセミナー株式会社設立
(1985年6月に「ダイヤモンドビジネスコンサルティング株式会社」に社名変更)
1985年10月
株式会社三和総合研究所設立
2002年4月
株式会社三和総合研究所と株式会社東海総合研究所が合併して、社名を株式会社UFJ総合研究所に変更
2006年1月
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が発足
(株式会社UFJ総合研究所、ダイヤモンドビジネスコンサルティング株式会社、株式会社東京リサーチインターナショナルの三社が合併)
三菱UFJリサーチ&コンサルティングのファーム特徴
経営戦略や組織人事などを専門とするコンサルティング部門と、政策研究やマクロ経済調査を担うリサーチ部門を持ち、顧客のニーズに応じて2部門が連携しながら、顧客の課題解決にあたる三菱UFJリサーチ&コンサルティング。ファームの特徴を紹介します。
MUFG各社と連携してのソリューション提供
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの特徴は、MUFGの三菱UFJ銀行や三菱UFJ信託銀行などとの連携が可能な点です。MUFG内でも同社の活用機会の拡大に取り組んでいるため、グループ各社から、年間に3000件近い案件紹介があり、営業効率が高いことも強みといえます。
強固な営業基盤があるため、コンサルティング会社としての収益基盤が安定しており、大企業から中堅・中小企業までさまざまな顧客との中長期的な信頼関係構築も可能です。MUFGの一員として、グループ・シナジーを発揮しながら、民間企業だけでなく、官公庁などの案件に取り組んでいます。
コンサルティング部門×シンクタンク部門
一つのコンサルティング会社の中にコンサルティング部門と、政策研究・シンクタンク部門を持ち、顧客のニーズに応じてコンサルタントと研究員が柔軟に連携しながら、解決策を提供できる点も強みです。
同社のコンサルタントは主に民間企業を担当、研究員は主に国や自治体を顧客として公共性の高い仕事を担っています。最近では「民間」と「公共」の境界線も明確でなく、公共分野でも、民間の手法を取り入れたサービスが求められるようになりました。
そうした官民の線引きの難しいプロジェクトでも、同社では社内横断的にコンサルタントと研究員によるチームを発足させて案件に取り組むことで、官民の垣根を越えたシンクタンク・コンサルティングファームを目指しています。
業界の中では比較的のんびりした雰囲気
コンサルティング会社といえば、専門性の高いスキルを持ったプロ集団で、徹底した成果主義の下にメンバー間の競争が激しいイメージがありますが、同社はアットホームな雰囲気であるとされています。
銀行系の会社に特有な年功序列のカルチャーも色濃くなく、職務上の階層が違ってもコミュニケーションの断絶がなく、社員同士が 「さん付け」 で呼び合うフラットな組織だと言われます。
アットホームな社風の理由は、銀行からの転籍者がほとんど在籍せず、プロパーの社員で構成されているため。雇用の形態も、外資系コンサルティング会社のようにパートナー契約を交わす形ではなく、正社員として腰を落ち着けてキャリアを発展させていける環境です。
まとめ
MUFGグループの総合シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティングの事業内容とファームの特徴をご紹介しました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングはMUFGグループ各社からの多数の案件紹介による営業効率の高さが特徴です。またコンサルティング事業と政策研究(シンクタンク)事業の2つを主軸としているため、顧客ニーズに合わせて両部門の連携が可能となっており、より最善の解決策が提供できる点も強みになっています。
MUFGグループという強固な営業基盤がある同社は、確かな信頼と安定性を維持しながら、部門連携という強みをもとに官民の垣根を越えたシンクタンク・コンサルティングファームを目指し続けています。