2023.09.05 IBM、メインフレーム・アプリケーションのモダナイゼーションを加速するwatsonxの生成AI機能を発表
【米国ニューヨーク州アーモンク-2023年8月22日(現地時間)発】
IBMは本日、IBM Z上におけるCOBOLからJavaへの高速変換を実現し、プラットフォーム上での開発者の生産性向上を支援する生成AIを活用した新製品「watsonx Code Assistant for Z」を発表した。本製品は、COBOLアプリケーションのモダナイゼーションを加速するよう設計されており、2023年第4四半期に提供開始する予定である。
watsonx Code Assistant for Zは、今年後半に提供開始が予定されている「IBM watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeed」 とともに、watsonx Code Assistant製品ファミリーに新たに加わる。
watsonx Code Assistant for Zは、生成AIと自動化ツールを活用してメインフレーム・アプリケーションのモダナイゼーションを加速させようとする企業を支援するために設計されており、IBM Zのパフォーマンス、セキュリティー、レジリエンシーといったIBM Zの特長を維持することを目標としている。
データ処理言語のCOBOLは、世界中の組織で多くの重要なビジネスや業務プロセスを支えている。規模が大きくなった際、watsonx Code Assistant for Zを使用することで、他のアプローチと比較して、開発者はCOBOLビジネス・サービスを選択的かつ段階的に、適切に設計された高品質のJavaコードに変換することが容易になる。
IBMは、モダナイゼーションの各段階に対応するツールを提供するために、これらの機能を設計している。お客様には、以下の価値提供が期待されている。
- アプリケーションのモダナイゼーション・ライフサイクル全体を通じた、コード開発の加速と開発者の生産性向上
- IBM Z上にいつもあるコードの変換、最適化を含む、アプリケーション・モダナイゼーションの取り組みにおける総コスト、複雑性、リスクの管理
- より広範なITスキル所有者に対するアクセスの拡大、および開発者の知識・技術習得の加速
- AIモデルのカスタマイズとベストプラクティスの適用による、高品質で保守しやすいコードの実現
AIを活用したメインフレーム・アプリケーションのモダナイゼーションが必須に
IBM Institute for Business Valueの新しい調査によると、企業は今後2年間で、アプリケーション資産をゼロから再構築するよりも、既存のメインフレーム資産を活用する可能性が12倍高くなることが明らかになった。しかし同時に、この調査では、組織にとっての第一の課題は、リソースとスキルの不足であることも明らかになっている。
watsonx Code Assistant for Zから得られるJavaコードは、オブジェクト指向である。IBMはこのソリューションを、COBOLアプリケーションの残りの部分、CICS、IMS、Db2、および他のz/OSランタイムと相互運用するために最適化されるように設計している。Java on Zは、x86プラットフォームと比較してパフォーマンスが最適化されるように設計されている。
ガバナンスとイノベーションの土台を築く
生成AIを導入する際には、機密データやお客様の知的財産を保護することが重要である。IBMは数十年にわたり、信頼と透明性へのコミットメントに基づく基本原則に従ってきました。この原則に基づくアプローチにより、watsonxプラットフォームは、企業が自社の信頼できるデータと知的財産を活用し、事業運営全体において拡張可能なテーラーメイドのAIソリューションを構築できるようにすることを目指している。