2022.11.22 「成長」に派手さはいらない|優秀な学生が注目する「JMAC」の魅力に迫る
コンサル業界ニュース編集部に在籍する大学生インターンがコンサルティングファームにインタビューを行う連載企画。第6回は、日本初のコンサルティングファームとも言われており、優秀な学生からの注目を集める日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)です。コンサルティング業界に関心のある学生は、ぜひご一読ください。
■プロフィール
目次
・成長速度を上げる仕掛け
‐ 「没頭」こそ、成長のカギ
‐ 圧倒的な裁量
‐ あえての「余白」
‐ ナレッジ共有とフラットな文化
‐ 大手ファームに負けない「高水準の報酬」
・社会的意義とインパクトの追求
‐ 生産・オペレーションから戦略・マーケまで
‐ 大手クライアントが80%
・新卒採用について
‐ 自己成長の先に何を見出すか
‐ 集団天才を目指す
‐ 一人ひとりの人生に寄り添う
・おわりに
成長速度を上げる仕掛け
聞き手:
本日は、優秀な学生の注目を集める貴社の魅力に迫っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
早速ですが、最初にお伺いしたいテーマは「成長」についてです。
「没頭」こそ、成長のカギ
聞き手:
コンサルティング業界志望の学生がファームを選ぶ際、「成長できるか」という点は特に気になる点かと思います。「成長」に対して、貴社はどのような考えを持っていますか。
大谷氏:
「成長」に必要な要素はさまざまですが、まず大切なのは「何のために成長したいのか」を明確にすることだと思います。
加えて、取り組む対象にどれだけ興味を持てるのか、さらに言えば、どれだけ没頭できるかが成長のカギになると考えています。
聞き手:
「コンサルタントとしての成長」といった意味で、貴社はどのような環境だと思いますか。
大谷氏:
なぜコンサルタントをやるのかといった目的が明確であれば、JMACはコンサルタントという仕事に没頭できる環境が整っていると思います。
例えば、JMACには「自由配属制度」というものがあります。読んで字の如く、配属先を自分の意思で自由に選べる制度です。
新卒が一般企業に総合職として入社する場合、一般的には配属先の希望は聞かれるものの、どこに配属されるかは蓋を開けてみなければ分からないケースが多いものです。しかし、それではミスマッチの可能性がありますよね。
JMACでは、自由配属制度によって、自分が本当に興味のある分野に取り組めますので、仕事に「没頭」できて 、結果的に成長にもつながりやすいのです。
聞き手:
配属先を自分で選べるのはとても魅力的です。ただ、各部門の採用計画もあるでしょうし、さすがに全員というわけではなく、中には希望の部署に入れない人も出てくるのでしょうか…。
福嶋氏:
いえ、基本的に全員、希望の部門に入れます。
聞き手:
え、そうなんですか!?笑
福嶋氏:
もちろん、人事として各部門の採用目標人数はありますが、一人ひとりの意思を尊重することが本人の成長にもつながりますし、結果としてクライアントや会社のためにもなると考えています。
高津氏:
補足すると、配属先を選ぶためには部門のことを知る必要があります。
そこで、新卒のみなさんは「仮配属」という形で興味のある領域と別領域の2つの部門を体験してもらい、そのうえで行きたい部門を選んでもらうようにしています。
聞き手:
そうなのですね。単に選べるだけでなく、体験してみたうえで決められるというのはとても良いと思いました。
圧倒的な裁量
聞き手:
「成長」にはプロジェクトへの向き合い方が大きく影響すると思いますが、貴社のプロジェクトの特徴を教えていただけますか。
大谷氏:
プロジェクトは少数精鋭で大体2〜4人ほど。一人あたりの裁量が大きいのが特徴ですね。
他のファームではプロジェクトの人数が多く、クライアントの前に出ないメンバーがいるケースもありますが、JMACの場合は若手でもクライアントにしっかり向き合うことが求められます。
聞き手:
若いうちからどんどんチャレンジしたい人にとって、裁量が大きいのは魅力的ですね。
昇進についてはどうでしょうか。外資系ファームの場合、実力主義で昇進スピードが早いといった印象がありますが、大きな違いはありますか。
福嶋氏:
JMACも当然、実力主義ですので、その点では外資系ファームとそう変わらないと思います。
コンサルタントはアシスタントからプリンシパルまで6段階あり、年齢に関係なく、力がある人はどんどん昇進します。
一人前のコンサルタントを目指す意味では、JMACを代表してプロジェクトをリードする役割を持つ「チーフ」が大きな目標になりますが、新卒入社の場合、 最短5年ほどでチーフに昇進する人もいます。
武田氏:
外資系ファームのマネージャーは、一般的にはディレクターが取ってきた案件を回す役割です。一方、JMACのチーフは案件獲得とプロジェクトのリードの両方を担います。
その意味では、JMACのチーフは外資系ファームのディレクターとマネージャーの両方を兼務しているイメージに近いですね。プロジェクトの規模は外資系ファームに比べると小さいものの、裁量がかなり大きいのが特徴です。
成果を出し続けてクライアントの信頼を得られなければ、当然、案件獲得どころではないので、チーフには専門的な知識やスキルだけでなく、コンサルタントとしての総合力が問われます。
聞き手:
確かな力が問われるということですね。そのレベルまで最短5年というと…成長や昇進スピードは外資系ファームと遜色ないどころか、むしろ早い印象すら受けます。
高津氏:
そうですね、この辺りはまだまだ学生の方に伝えきれていない歯痒さがあります。
JMACには、本人の頑張り次第でどんどん活躍のステージを上げていける環境があることを知っていただきたいです。
あえての「余白」
聞き手:
貴社のコンサルタントの働き方や業務への取り組み方について、何か特徴があれば教えていただけますか。
大谷氏:
どちらもかなり自由度が高いと思います。
まず、働き方で言えば、時間や場所などはコロナに関係なく、昔から柔軟ですね。
業務の取り組み方については、JMACの場合、先輩は後輩に対して経過確認やアドバイスなどの必要なフォローは行いますが、日々の細かい進捗チェックなどは行いません。基本的には納期に向けて自分で計画して回していくスタイルです。
自由度が高い分、自分で考えて行動しなければなりませんが、そうした創意工夫の余白がコンサルタントとしての成長にもつながると考えています。
武田氏:
JMACで活躍するコンサルタントは、プロジェクトを進める際の自由度の高さに面白さを感じる人たちが多いですね。一方、細かくマネジメントして欲しいタイプの人にとっては少々辛い環境かもしれません。
ナレッジ共有とフラットな文化
聞き手:
その他、コンサルタントとして成長していくための取り組みなどはありますか。
武田氏:
JMACでは、ナレッジの蓄積や共有に力を入れています。
例えば、自分たちが取り組んだコンサルティング事例をデータベースなどで共有し合っています。
大谷氏:
あと、研究会というものもありますよ。イメージとしては大学のゼミに近いかもしれません。例えば、誰かが働き方改革に関する研究会を立ち上げて、そこに興味がある人たちが集まり、皆で議論し合うといった具合です。
新卒のメンバーから役員レベルの人まで、年次や役職に関わらず参加していて、フラットなのも特徴ですね。
聞き手:
何だか楽しそうですね!新卒と役員が一緒に議論するのも面白いですし、何より若手にとっては、先輩の知見・技術を吸収する場があるのは嬉しいと思います。
武田氏:
はい、年次や役職に捉われないフラットな社風もJMACの特徴だと思います。
私たちの言葉にコンサルティングの「技術」というものがあるのですが、社内全体に「技術の前では平等」という考えが根付いていて、年次や役職に関係なく対等に議論しましょうという雰囲気があるんです。
聞き手:
一人ひとりがプロフェッショナルとして尊重し合う文化があるのですね。
大手ファームに負けない「高水準の報酬」
聞き手:
少々聞きにくい話になりますが…報酬体系について教えていただけますでしょうか。
武田氏:
全然、大丈夫ですよ。笑
学生のみなさんにとっても興味がある話だと思いますので。
報酬体系は、チーフになるまでは経験と能力・実績にあわせて 給与が上がっていくような形です。
チーフ以上になると、基本的に業績給になり、案件次第で給与が変わってきます。チーフである程度実績を上げている人であれば、大手ファームと比べても遜色ない水準はもらえると思います。
聞き手:
実績を上げた人には、しっかりと報酬で報いる仕組みが整っているのですね。
社会的意義とインパクトの追求
聞き手:
学生にとって、「どの領域に取り組むか」というのも関心が高いテーマかと思います。貴社のビジネスドメインの特徴について教えていただけますか。
生産・オペレーションから戦略・マーケまで
武田氏:
JMACは戦中〜戦後復興期の工場管理改善にルーツがあり、日本のものづくりを支える役割を担ってきました。そうした背景もあり、製造業の生産やオペレーションは特に強い領域と言えます。
聞き手:
確かに、「JMACと言えばものづくり支援が強い」という印象はありますね。
大谷氏:
ただし、ここは学生の方から誤解されがちな点でもあります。
確かに、JMACは生産やオペレーション支援に強みを持ちますが、そこしかやっていないわけではありません。実際には経営戦略や新規事業、マーケティング、営業、人事制度・組織活性化など、幅広いテーマに対応している総合系ファームです。
JMACにはこうした領域の広さがあるので、コンサルタントとしてのキャリアを考えている学生のみなさんに多くの選択肢を提供できると思っています。
聞き手:
なるほど、しかも選択肢が広いだけでなく、自分で配属部門を選べるということですから学生にとっては願ったり叶ったりですね。
大谷氏:
そうですね。何に社会的意義を感じるかは人それぞれですが、社会に対する問題意識やコンサルタントとしてやりたいテーマが明確な人にとっては、それを追求しやすい環境があると思います。
大手クライアントが約80%
大谷氏:
あと、ビジネスドメインの特徴について補足すると、JMACのプロジェクトの約80%は大手企業がクライアントです。
よく中小企業をターゲットにしているファームだと思われるのですが、これは間違いで、コンペでぶつかるのもほとんどが大手総合ファームなんです。
聞き手:
80%と言うと相当な割合を占めていますね。大手クライアントのプロジェクトに興味がある学生には、ぜひ知っていただきたいポイントです。
新卒採用について
聞き手:
ここからは新卒採用について伺いたいと思います。
自己成長の先に何を見出すか
聞き手:
新卒採用の選考において、学生のここに注目しているといった点はありますか。
武田氏:
平たく言うと、主に「地頭」と「人柄」の良さを見ていますね。
加えて、JMACには「自分がやりたいことは自分で切り開く」という文化があるので、やりたいことに対する強い意志にも注目しています。
面接で「製造業の支援がしたい」とか「社会課題を解決したい」と言う学生が多い印象がありますが、もう少し具体的に語れると良いな…と思っています。
大谷氏:
あと、「自己成長したい」と言う学生も多いですね。
成長意欲という点では良いのですが、「自己成長したい」だけで終わってしまうと勿体無いな…と感じます。
冒頭でもお話ししましたが、何のために自己成長したいのか、そこが何より大切だと思います。お客さまのためだったり、業界の活性化だったり、色々あると思います。
何か目的があって、それを達成するために自己成長したいという想いをアピールしてくれると、とても魅力的ですね。
集団天才を目指す
聞き手:
新卒採用において、他に意識していることはありますか。
大谷氏:
そうですね…色々なタイプの学生を採用したいと思っています。
JMACには、設立当初から「集団天才」というコンセプトがあります。これは、「コンサルタント一人ひとりは凡人だが、組織力を発揮すればいかなる課題も解決できる。」といった考え方です。
そうした背景もあり、地頭が素晴らしい人だったり、泥くさい仕事を嫌がらずにできる人だったり、とにかく人柄が良い人だったり、将来起業したいとかもありですし…色々な個性を取り入れたいと思っています。
聞き手:
コンサルティング業界というと、とにかく地頭が良い人といった印象を持たれがちですが、必ずしもそうではないということでしょうか。
武田氏:
そうですね。コンサルタントなので、一定水準の地頭の良さは求められますが、色々な個性を持ったメンバーが補完し合うことで組織として強くなれば良い。そういった意味でも、全員がずば抜けて地頭が良い必要はないと思っています。
一人ひとりの人生に寄り添う
聞き手:
もう一点、多様性に関する質問になりますが、女性コンサルタントの採用状況と今後の展望について教えていただけますか。
大谷氏:
現時点では女性コンサルタントの比率が低いですが、今後はもっと増やしていきたいと思っています。
豊島氏:
女性コンサルタントの比率に課題はあるものの、以前に比べると随分と変わってきたんですよ。最近では、子育てをしながらコンサルタントとして活躍する女性が増えてきている印象です。
背景には、働き方がより自由になってきていることに加えて、男女関係なく、一人ひとりがコンサルタントとして活躍できるような支援制度や体制の整備が進んでいることがあると思います。
私も育児をしながらJMACで働いていますが、その立場で言うと、人生設計にも配慮した制度がきちんと整っていますし、産休・育休などの制度を活用したうえで、コンサルティングの前線で活躍している女性も増えてきています。
聞き手:
キャリアと家庭の両立ができるような仕組みが整っているのは安心ですね。ちなみに、育休については、男性コンサルタントの方も取得できるのでしょうか。
豊島氏:
はい、もちろんです。女性だけの話ではなく、育休を取得しながらコンサルタントとして活躍する男性もいますよ。
学生に向けてひとこと
聞き手:
最後に、学生に向けてひとことお願いします。
武田氏:
学生の就職先として、コンサルティング業界は昔よりも随分と人気になっています。そのこと自体は、業界に長く携わっている者として嬉しいことですが、コンサルタントという職業がステータス化している側面もあり、それがミスマッチにもつながっているように感じています。
先にもお話ししましたが、大切なことは、なぜコンサルタントになるのか、コンサルタントになってどういうことを成し遂げたいのかだと思います。コンサルティング業界を目指す学生の方には、ぜひ就職活動を通じてこうした点を深堀って欲しいと思います。
大谷氏:
JMACは日本初とも言われるコンサルティングファームで長い歴史があります。そうした背景からか、もしかすると学生の中にはJMACに「派手さに欠ける」といった印象を持っている方もいるかもしれません。
これはある意味的を射ていて、JMACはブランドとしてのコンサルタントというよりも、純粋にコンサルタントという職業が好きな人に選ばれているファームだと思います。
確かに派手さには欠けるかもしれませんが、コンサルタントという仕事に没頭し、成長できる環境がJMACにはあると自負しています。この業界に興味がある学生の方は、ぜひ、いちどJMACにも注目してもらえると嬉しいです。
おわりに
今回は、日本初のコンサルティングファームとも言われる日本能率協会コンサルティング(JMAC)の皆さんに話しを伺いました。
自ら配属先を選べる自由配属制度をはじめ、裁量の大きさ、業務における自由度の高さ、ナレッジ共有の文化など、JMACにはさまざまな成長の仕掛けがあり、コンサルタントという仕事に没頭できる環境があることが分かりました。
また、生産・オペレーションをはじめ、経営戦略やマーケティング、人事など、幅広い領域を支援する総合系ファームであり、プロジェクトの約80%が大手クライアントという点も特徴です。
自らを「派手さに欠ける」と表現されていましたが、驕らず・飾らず・愚直にコンサルタントという仕事に向き合う姿勢はとても印象的でした。コンサルティング業界に興味がある学生の方にとって、本記事がJMACに対する理解を深めるきっかけになれば嬉しいです。