A.T. カーニーが新卒採用にかける想い|大学生による採用担当者インタビュー | コンサル業界ニュース

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2022.04.15 A.T. カーニーが新卒採用にかける想い|大学生による採用担当者インタビュー

コンサル業界ニュース編集部に在籍する大学生インターンがコンサルティングファームの採用担当者にインタビューを行う連載企画。第三回は、外資系戦略コンサルティングファームとして幅広いグローバルネットワークを有するA.T. カーニーです。同社でマネージャーとしてコンサルティングにも従事する傍ら、新卒採用にも携わる三野 泰河氏にA.T. カーニーの魅力や求める人物像、採用活動への想いなどをお聞きしました。コンサルティング業界に関心のある学生の方は、ぜひご一読ください。

 

プロフィール:三野 泰河 氏

2016年にA.T. カーニーに新卒入社。エネルギー業界大手の中期経営計画の策定、事業会社/PEファンドのM&A案件に係るBDD(ビジネスデューデリジェンス)などのプロジェクトを経験。また、東京都政向けに“ポストコロナを見据えたTOKYOの進化の方向性”にプロボノとして参画。

 

■目次

・A.T. カーニーの強みとは
 - 組織の「純度」を保ち、高い水準のコンサルティングを提供
 - A.T. カーニーの求める “プロフェッショナル”

・A.T. カーニー流、新卒採用の特徴
 - 深い相互理解につながる“1on1”
  - コンサルタントのリアルを体験する “ジョブ”

・入社後の成長を後押しする、A.T. カーニーのキャリア制度と文化
  - 論点設計からプレゼンまでを一年目でやり切る
 - Progress or Outの文化
 - コンサルタントの成長を加速する出向プログラム

・A.T. カーニーの働き方への取り組み
  - 肉体面と精神面に配慮し、ワークライフバランスを担保
  - 社員同士を尊重し合う風土づくり

・学生に向けて

・終わりに

 

 

A.T. カーニーの強みとは

聞き手(コンサル業界ニュース):今日はプロフェッショナルファームとして、学生から注目を浴びるA.T. カーニーの魅力に迫りたいと思っています。まず初めに、A.T. カーニーの「強み」について教えていただけますか。

 

組織の「純度」を保ち、高い水準のコンサルティングを提供

A.T. カーニー三野泰河氏(以下、三野氏):A.T. カーニーの強みを一言で表すと、組織の「純度」であると考えています。

近年、コンサルティング業界は多くのファームが組織拡大を追及するなかで、門戸が広がり多種多様な人材が集まる場となってきていると思います。こうした変化のなかで、当社としては、多様性の良きところを受け入れつつクライアントに対して真に迫った提言をすべく、コンサルティングファームとしてあるべき組織の“純度”を追い求め続けています。

聞き手(コンサル業界ニュース):組織の“純度“を保つために、どのようなことに取り組まれていますか。

三野氏:まずはコンサルティングファームとしての人材育成の目線感・時間軸を大きく変えた、ということがあると思います。当社は「“強い個”、“尖った個”、“経営を語れる個”を10年〜20年スパンで育てる」ということを標榜しています。これは、代表の関灘が就任してから掲げた取り組みです。

“強い個”というのは、教科書や講義では身につかない、ホンモノの思考能力やコミュニケーション能力といった基礎能力をもつ人材です。ビジョン設定・現状把握・問題発見・課題設定・解決策の設計において、Something Newを求めるクライアント企業の皆さまからの高い期待に応えられる人材を指します。

その次のステップに位置付けられるのが“尖った個”です。自信と実力を身につけてきた“強い個”が、特定の業界・クライアント企業・テーマにコミットするなかで、ビジネス領域(B領域)をコアコンピタンスとし、テクノロジー領域(T領域)やクリエイティブ領域(C領域)の専門性も高めているような人材です。

そして、経営全体を俯瞰し、経営観の多様性を知り、独自の経営観を築くことで、CEOを始めとした経営陣と“経営を語れる個”になります。

このような一朝一夕には育たない骨太な人材を育成していきたいと考えており、それを実現できるような制度や環境を次代のコンサルタントたちへ提供したいと考えています。

 

A.T. カーニーの求める“プロフェッショナル”

聞き手:貴社にとっての“プロフェッショナル”とは、どのような人材なのでしょうか。

三野氏:A.T. カーニーが求めるプロフェッショナルとは、“ジリツ”した行動がとれる人間です。“ジリツ”には「自立」と「自律」があり、両方を兼ね備えた人材を指します。

「自立」した人材とは、自分の頭で考え抜き、自らが正しいと信じるものを提言できる人だと考えています。その意味で、A.T. カーニーのコンサルタントには、クライアントや業界のためになるのであれば、たとえ上長と意見が異なっても自分の考えを主張する姿勢が求められます。

一方、「自律」した人材とは、約束したことをきちんと守ることや仕事の期待値を超えていくことにコミットできる人だと考えています。コンサルタントの仕事というのは時間ではなくアウトプットでの評価が基本ですから、成果創出に向けて自らを律し、行動し続ける必要があると考えています。

この二つの要素を兼ね備えることが、弊社にとっての“プロフェッショナル“であり、育んでいきたい”強い個“の土台としての性質だと考えています。故に採用においても、この二つの性質を持つような方々を厳選して採用したいと考えていますし、この10年で業界が大きく変化していく局面にあっても、大切にしたい指針だと考えています。

 

 

A.T. カーニー流、新卒採用の特徴

聞き手:新卒採用について、選考フローや狙いについて教えていただけますか。

 

深い相互理解につながる“1on1”

三野氏:新卒採用の選考フローはES、テスト、面接、ジョブに分かれています。ジョブは4日間、実際の働き方に近いことをやっています。

採用プロセスにおいては、相互理解を深められるように気を配っており、具体的には社員と1on1で時間を取れるようにしています。

例えば、面接は1on1で話ができるように設計されており、ジョブでは学生一人ひとりに社員がマンツーマンで付いて、4日間でプレゼンまでしてもらいます。こうした1on1の取り組みは、学生と社員がお互いに人となりを理解し合う意味で重要だと考えています。

聞き手:学生にとって、1on1は企業理解につながるという意味でとても魅力的ですね。企業側としては採用コストが多くかかりそうですが…。

三野氏:確かに採用コストは多くかかりますね…笑 ただ、前述した二つの「ジリツ」の性質を納得いくまで見極める、そして学生の皆さんにとってもカーニーという組織・社風を知っていただくためにも1on1を大切にしています。

1on1はミスマッチを防止することにもつながっていて、実際、ここ数年では入社後の試用期間で退職した人はいません。

 

コンサルタントのリアルを体験する “ジョブ”

聞き手:先ほど少し話にあがった“ジョブ”がとても気になったのですが、詳しく教えていただけますか。

三野氏:ジョブは実際の業務に近いことを体験してもらうためのものです。入社後の実際のプロジェクトでは、もちろんマネージャーなどの指示や周りのサポートはありながらも、チームの一人ひとりが「正しいことはなんなのか」、「何をクライアントに伝えたいのか」をひたすら問われ続けます。

武道などの“道“にも近いコンサルタントの仕事や業務観に対する理解を深めてもらうためにもジョブは大切な機会だと考えています。

聞き手:学生のなかには、コンサルタントにカッコ良さやキラキラしたイメージを持っている人も少なくないと思うので、ジョブはイメージギャップの払拭につながりそうですね。

三野氏:はい、コンサルタントの仕事は地道に取り組まなければならないことも多いですからね。実際の働き方に近いジョブに取り組んでもらうことで、入社後にギャップを感じないよう工夫しています。一方ジョブ中は、学生と社員の交流のため、ホテルでのランチセッションや会員制のレストランでのディナーなどもあり、そうした面でキラキラしたイメージを持つ方もいるかもしれません。

ジョブについて補足すると、実際の業務の形に近い状態を再現するため、マンツーマンで業務を見てくれる社員の他に、学生が気軽に相談できるよう、比較的年齢の近い社員をサポートとしてつけています。

当社には、長期的なキャリアを相談できるメンターと、日常の悩みを相談できるバディの二人体制で若手の成長をサポートする制度があるのですが、同じような体制をジョブにも取り入れています。

聞き手:学生にとって、気軽に相談できる先輩がついてくれるのは心強いですね。選考のことだけでなく、入社後のことなど色々と聞けることでより明確に将来を想像できそうです。

 

 

入社後の成長を後押しする、A.T. カーニーのキャリア制度と文化

聞き手:続いて、貴社のキャリア制度や文化についていくつか質問させてください。

 

論点設計からプレゼンまでを一年目でやり切る

聞き手:新卒の仕事内容と期待することを教えていただけますか。

三野氏:まず仕事内容についてお答えします。コンサルティングの業務には、「論点を立てる」、「仮説を決める」、「検証する」、「メッセージを出す」、「視覚化する」「プレゼンする」という一連のフローがありますが、当社では新卒一年目からこれらの全工程を担ってもらいます。つまり、当社では一年目からコンサルティング業務を一通り経験できるということです。これは、他ファームと比較して特徴的な点だと思います。

新卒に期待することに関する回答としては、「一年目からプロフェッショナルとしてジリツ(自立・自律)的に動く」ということです。昨今、コンサルティング業界の間口が広がっているようにも感じますが、当社のコンサルタントにおいては、真のプロフェッショナルとして考え、行動することが求められます。クライアントが正しい方向に進むために、必要であれば、上司と意見が異なっても主張できる、そんな姿勢が求められます。

 

Progress or Outの文化

聞き手:A.T. カーニーは若手が活躍している印象を持っています。入社される方に共通する点などあれば教えてください。

三野氏:社会への価値貢献やバリューを出すためには、一定の修行に加えて葛藤がつきものですが、その覚悟を持っている点は共通していると思います。その覚悟があれば、“Progress or Out”に基づいて、周囲がサポートする体制は整っています。

聞き手:Progress or Outとは、具体的にどのようなものでしょうか。

三野氏:一般的なコンサルティングファームの言葉に“Up or Out”があると思いますが、“Progress or Out”はそれとは意味が異なります。前者は、「ここまでに昇進しなければクビ」といったドライなものですが、後者は本人が成長する意志や前に進もうとする意志を示し続ける限りはアウトにならない文化です。つまり、頑張り続ける気概を見せ続ければ、周りがしっかりサポートしてくれる、そんなイメージです。

 

コンサルタントの成長を加速する出向プログラム

聞き手:A.T. カーニーのキャリア制度として力を入れているものなどあれば教えてください。

三野氏:当社に籍を置きながら外部の企業で働ける出向プログラム制度があり、出向先としては、例えば大手スタートアップや老舗企業、誰もが知っているような大企業の新規事業の開発組織、経産省などがあります。

背景について補足すると、10~20年でコンサルタントのキャリアを形成しようと考えると、外部からのコンサルティングを突き詰めるだけでよいのか、という問いが自然と出てきます。これに応えるものとして確立されたのが出向プログラムです。

出向には大きく二つのメリットがあり、一つは自分のキャリアを広げるために、当社に籍を置きながら外の世界を知る機会が得られる点です。二つ目は、出向先企業の一員になるので、外部からアプローチするコンサルタントとは違った形で人間関係や組織の力学を学ぶことができる点です。このようなメリットもあるので、社内からは結構人気がある制度です。

聞き手:転職せずにそのような機会が得られるのはとても良いですね。

 

オフィス風景

 

 

A.T. カーニーの働き方への取り組み

聞き手:働き方について、何か具体的な取り組みがあれば教えていただけますか。

 

肉体面と精神面に配慮し、ワークライフバランスを担保

三野氏:働き方に関する取り組みとしては大きく三つあります。

一つ目は、「時間の管理」です。すべてのコンサルタントは、限られた時間の中で、最大限の効果・価値を発揮しようという意識をもって仕事に取り組んでいます。会社としてもそれに沿ったルールに基づいて管理しています。

二つ目は、キャリア開発のための研修を充実させている点です。これまでオフラインでやっていた研修制度を徐々にオンライン(動画)に移行することで、いつでもどこでも学べるようにしています。

三つ目は、先ほど触れましたが、プロジェクト外で気軽に相談できるバディ制度です。年齢的に近い先輩社員を付けることで、メンタル面も含めて気軽に相談できるようにしています。

聞き手:様々な制度が整っていますね。働き方に関するものとして他にもお聞きしたいのですが、貴社には育休制度などはあるのでしょうか。

三野氏:はい、もちろんあります。女性はもちろんのこと、男性の育休も推奨されていて、10年前くらいから男性のほとんどが育休を取得しています。

私自身も昨年に2ヶ月ほど育休を取りましたが、パートナーには「6ヶ月ぐらい取ればいいのに…」と奨められることもありました。笑

聞き手:そうなんですね!コンサルティング業界はどうしてもハードワークのイメージがつきものですが、貴社がこれほど高い育休取得率を実現されているのには驚きました。

 

社員同士を尊重し合う風土づくり

聞き手:コロナ禍において、人間関係の希薄化が懸念されていますが、何か取り組んでいることはありますか。

三野氏:二つあって、一つ目が四半期ごとにスタッフミーティングを行っています。そこでは、プロジェクトでクライアントにどういうバリューを与えて、どこを評価され、どのように感謝されたかを表彰する場が設けられています。

二つ目が、個人のキャリアやパーソナルな生き様のようなことを話す会が設けられています。これは、お互いの共通認識を持ち、連帯感を醸成するのに役立っています。

聞き手:スタッフミーティングは、特に若手にとって知見のキャッチアップに役立ちそうですね。

少しここまでとは異なるタイプの質問になりますが、例えば遊びなど、会社の人と業務外で関わる機会はあるのでしょうか。

三野氏:業務外で遊ぶことも多いですね。コロナ前の話になりますが、静岡にある有名なサウナに行ったり、同期で家族含めてサマーキャンプに行ったり…。あと、パートナーから若い社員まで、皆で旅行へ行ったこともありますね。移動中の車内で自動車の各メーカーの違いや車の歴史、世の中に与える影響など…ちょっとマニアックな話題で盛り上がったのを今、お話しながら思い出しました。笑

聞き手:なんだか楽しそうですね!笑

三野氏:はい、実は和気あいあいとしたアットホームな面もあるんです。笑

もちろん、こういった活動は強制ではないですし、会社としては家族との時間も大切して欲しいので、基本的に集まりたい人が集まってるイメージです。

 

 

学生に向けて

聞き手:最後に、コンサルティング業界や貴社に注目している学生の方々に向けて、メッセージをいただけますか。

三野氏:自分の可能性を自分で限定しないで欲しいということを伝えたいですね。

実は、私は大学生のときに、「自分はコンサルには向いてないかも…」と思っていましたが、思い切ってA.T. カーニーを受けたんです。もし、あの時、受けていなかったら今の自分はなかったと思います。

「自分はこういう人間である」という感覚は大事にしつつも、一回チャレンジしてみて、それで合わないと思ったら別の道に行けばいいと思います。コンサルティング業界全体を受けてみるのも良いと思いますし、その中に当社が含まれていれば嬉しく思います。

 

 

終わりに

今回は、A.T. カーニーのマネージャーで新卒採用も担当されている三野氏に、同社の強みや新卒採用の特徴、入社後のキャリア制度まで、幅広くお話を伺いました。

各ファームの規模拡大を背景に多様な人材に対しコンサルティング業界の門戸が広がっていくなか、A.T. カーニーは組織の純度を保つことで高い水準のコンサルティングを提供し続けています。そして、これを実現できている背景に、コンサルタントとしての成長を後押しするキャリア制度や働きやすい環境の整備、成長への意思を持つ人を支える風土づくりがあることが分かりました。この記事が、コンサルティング業界に興味をもつ学生にとって、参考になると嬉しいです。

 

 

 

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