2021.08.11 【就活生必見】ドリームインキュベータ採用担当に聞いたDIの魅力
コンサル業界ニュース編集部に在籍する大学生インターンがコンサルティングファームの採用担当にインタビューを行う連載企画。
第一回目は、ドリームインキュベータ(以下、DI)でシニアマネジャーとして活躍する一方、採用担当も担う金子剛 氏に、コンサルティング業界に興味を持つ学生に向けて、DIの魅力や社風、新卒採用における選考ポイントなどについてお聞きしました。
プロフィール:金子剛 氏
東京大学工学部卒業、同大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修了後、新卒でDIに参加。学生時代から宇宙関連技術を研究する中で技術~事業~社会とつなぐことで社会的課題を解決するというDIのビジョンに共感し、新卒でDIに参画。DIでは特に自動車、システムインテグレータ、エレクトロニクス、通信、インフラ等の製造業分野を中心に、新規事業戦略策定やR&D・研究の組織改革のプロジェクトを経験。一方、ビジネスプロデュース分野では、豊田市の次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクトのプロジェクト・マネジメント支援、次世代自動車普及に向けた政策連携活動に従事。また、近年では技術起点での新規事業立案事業性評価に注力しており、ユーザーニーズの分析や技術優位性の把握から事業構想立案、R&D戦略立案まで一貫した支援を行う。
“日本経済を元気にする”を目標に、新しいことへ挑戦
聞き手(コンサル業界ニュース):まず始めに、DIの魅力や強みについて教えてください。
DI金子剛氏(以下、金子氏):DIの魅力と言えば、“従来と異なる構想を考え、新しいことに挑戦している”点だと思います。
元々、外資系の戦略ファームがグローバルナレッジを活かしたコンサルティングを行っていたのに対し、DIは新しい戦略ファームとしてビジネスプロデュースということを掲げて社会課題解決の仕組み・構想を描き、クライアント企業だけでなく、他企業、時には自治体などとも連携して、新しいビジネスを創るような取り組みを行っています。
直近ではソーシャルインパクトボンドといった新たな社会課題解決の仕組みの活用を考えています。 そういった“従来と異なる構想から新しいことへ挑戦している”点はDIの魅力ですし、様々なクライアント様の新規事業を支援することで培ってきたノウハウはDIの強みだと考えています。
未知な事に対してワクワクしながら考える人が多い風土
聞き手: DIの社風や年代によって社風の感じ方の違いなどはありますか。
金子氏:社員の年齢幅は比較的狭いので、年代での違いという点はわからないですが、全体の社風としては、“新しいこと・未知な事”にワクワクする人が多い印象を持っています。
例えるならば、学園祭などの実行委員が好きな人かなって思います。ただ、意外と面白いのはそういう人の中でもみんなを引っ張って先導するタイプの人もいれば、裏方で一生懸命企画書を練り上げているタイプの人もいて、色々な人がいると思います。その辺は個々人の性格的な部分もあるので色々な方がいると感じます。ただ、どのタイプの人であったとしても新しいことをやること・チャレンジすることが楽しいと感じているという点では共通していると感じます。
独自の切り口で考えられる思考力を持ち、会社の価値観と合う人材
聞き手:新卒採用における選考で重視しているポイントや、選考過程が進むに連れて変化することはございますか。
金子氏:選考で重視するポイントとしては主に2点あって、思考力と人間力です。選考の序盤では論理的な思考ができるか、他者の意図・現在の論点を意識して議論できるかなど基礎的な部分を見ています。選考の後半になると、より個々の能力がDIに合うかどうかを見ています。例えば、思考力でも“解き方が分からないものに対してどれだけチャレンジできるか”や“独自の切り口で考えることができるか”のように、ゼロから考えるようなことができるかという面を見ています。一方、人間力ではコミュニケーションも当然なのですが、先ほどお話させていただいた部分の“新しいことに対して前向きに取り組めるか”や“解のないお題に対して一生懸命考えられるか”を見るように変わっていきます。最終的にはキャリアに対する価値観がフィットするかどうかが重要ですね。弊社の採用は人数を絞っており、長く働いてほしい気持ちがあるので最後は価値観の部分も重要と感じています。
聞き手:就活生に期待することや学生のうちに培っておくとよいスキルなどはありますか。
金子氏:思考力に関して申し上げますと、日常の物事・疑問に対して“なぜ?”と深く考えて自分なりに答えを作ることが大事なのかなと思います。例えばコンビニでふと雑誌を見かけたときに、ファッション誌以外にもモノをテスト・評価する雑誌が最近増えているな…と感じたときに、それがなぜなのかな、と考えてみるとかですかね。Amazonのレビューが信じられないからなのかな、とか、でも雑誌で評価するって広告収入って問題なのかなとか、というように何か既存の枠組みを使ってということではなく、自力でどれだけ考えることができるかが重要だと思います。世の中に起きていることの背景にある構造を理解しようとする経験をどれだけ積めているのかが大切かと思います。
よく、コンサルのフレームワークなどを学んでいる学生の方もいますが、学ぶことには意味はあると思いますが、そこにこだわらない方がいいかと個人的には思います。
人間力では、ありきたりな回答になってしまいますが、色々な人と触れ合うことが大切です。サークルとか、他大学の学生とかではそうはいっても近しい人かなと思うので、もっと飲食店のアルバイトとか異なる境遇の人と関わるとよいのかなと思います。そういった異なる人と関わり、新しい考え方に触れることで、意図を汲み取ったり・理解したりするスキルにつながるのかなと感じます。
DI志望の学生はコンサル以外からも
聞き手:就活市場で競合と捉えている企業について教えていただけますか。
金子氏:具体的に意識してどこを競合とかを定義することはしていないです。
実際、学生の方々に興味を持っていただく側面が複数あって、その個々人によって悩まれる企業様が異なることが多いです。戦略コンサルティング会社として志望する学生はMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニー)が競合ですし、新規事業や事業創造を志望される方だとリクルートやDeNAなどのメガベンチャーになりますし、日本や社会をより良くするという観点で官公庁と迷う方もいらっしゃいます。
このように、学生側がコンサルティングとしてのDIなのか、ベンチャーなどの事業創造をしているDIなのか、官民連携を行うDIなのかによって、競合が違ってきます。実際に自分の同僚の中にもリクルートと悩んでDIに入った人や経済産業省と悩んでDIに入社を決めた人もいます。大きくはこの3パターンが多い印象ですね。
聞き手:同僚の方の中にもリクルートや経済産業省と悩んだ結果、DIに入社した方がいらっしゃるとのことでしたが、具体的な決め手はどのような点だったのでしょうか。
金子氏:決め手もケースバイケースですが、例えばコンサル同士で悩んでいる人だと、DIのビジネスプロデュース、事業投資・ベンチャー投資など、コンサルに留まらない経験を得られる可能性がある点に魅力を感じて入る方がいます。また、官公庁と悩む人だと、若くして大企業の上層部と対峙して議論できるという点を決め手とする人もいます。なので、先ほどの視点のうち2つや3つを掛け算して考えた結果、DIへの入社を決めてくれているのかなといった印象です。
序盤の選考を突破するカギは「今何を答えるべきか」を的確に考えること
聞き手:選考の序盤で落ちてしまう学生にはどのような人が多いのでしょうか。
金子氏:例えば、グループディスカッションの際に、議論の目的や論点を外してしまうとなかなか難しいのではないかと思います。たまに目的もなくSWOT分析したり、重要ではないところでMECEにこだわっていたりと議論の方向にフィットしない動きをされている方がいるのでそういうのはもったいないなと感じます。フレームワークに固執してしまうのであれば、むしろ知らない方がいいと思います。大事なことはなにをゴールにどう決めるのかみたいなことを常に客観的に意識して考えることかと思います。
フラットな社内制度
聞き手:ワークライフバランスについて、具体的にどのような取り組みをしているのか教えていただけますか。
金子氏:コンサルティングは基本的にプロジェクトベースで働く仕事にはなるのでプロジェクトマネジャーとメンバーで調整することが基本になります。したがって有給休暇などもプロジェクトが終わったタイミングで一気に取る人もいれば、プロジェクト中にうまくワークを調整して取る人もいたり、様々ですね。全体としては、キャリア相談室があり、キャリア・ワークライフバランスに関する相談を定期的に実施しています。
聞き手:近年女性の働き方について注目が集まっているかと思いますが、何か取り組んでいることはありますか。
金子氏:育休などの女性のライフイベントに合わせた制度は当然ながら整備されています。それ以外に関しては基本的にはフラットかなと思います。特段性別で分けることはせず、個々人の状況等をプロジェクトマネジャーが配慮した上で働いています。
社内でコンサル以外を選んでも不利益にならないキャリアパス
聞き手:人それぞれの部分もあるかとは思いますが、入社後のキャリアパスや昇進のスピードなどについて教えていただけますか。
金子氏:どちらも確かに人それぞれですが、特にキャリアパスの方が人によって違う印象を受けます。まず昇進スピードについてコンサル部門をベースにお話しすると、DIに新卒で入ると4~6年目でマネジャーになって、8~10年目にシニアマネジャーになるのが一般的です。
キャリアパスは、DIではスキルを身に付けるために3年ほどはコンサルをやるという位置づけをしており、その後が人によって変わってきます。そのままコンサルを続ける人もいますが、事業を経験してからコンサルに戻るケースもあります。社内の評価では年次(何年在籍か)が基準になりますが、そういった場合は事業を経験している間の期間はコンサルの年次を止める選択を用意していて、まっすぐなキャリアアップ以外も個々人が選びやすい仕組みを取り入れています。
聞き手:新卒入社1年目で任せられる仕事はどのようなことですか。また、年次が上がるに連れてどのように変化していきますか。
金子氏:まず1年目は調査や分析がメインになってくると思います。例えば、ある技術を顧客に売るという新規事業の案がある時に、具体的なニーズがあるかどうかをインタビューでニーズ調査を行い、課題の洗い出しなどをします。2年目や3年目になると、ニーズ調査で終わらず課題を見つけ出し、さらにそこから難易度が上がって営業戦略や展開についても考えるようになります。4年目や5年目になると営業展開戦略に留まらず競合優位性をどのように作っていくかを考えることが求められるようになります。マネジャーになると、チームメンバーからのニーズ調査、営業戦略、競争戦略、ビジネスモデルなどのアウトプットを全て上手く統合して、クライアントと議論してマネジメントするといったように仕事内容も変化していきます。
聞き手:入社して3年以内など比較的短いスパンで退職してしまう方はどういった理由の方がいらっしゃいますか。
金子氏:やはり、最初にお話しした部分で新しいことにチャレンジしたいということでベンチャーに行かれる方や起業される方が多い印象です。例えば、偶然友人がベンチャーを立ち上げるということで、そこに参画するので、とか。 個人的には“日本経済を元気にする”のであれば、事業を成功していただいて、そこに元DIのアルムナイ(卒業生)が携わっているのであればそれはそれで良いのではないかとは思います。実際にそういったDIのアルムナイの方と協業に近いようなことをやっている例もありますね。
終わりに
今回は、新卒採用のキーマンである金子氏から、DIの魅力や新卒採用の軸やキャリアについて貴重なお話を伺いました。就活生が知りたい選考のポイントやDIの雰囲気について、普段ではなかなか聞けない情報がたくさんありました。ぜひ就活生のみなさんには、本記事で紹介した選考時のポイントなどを意識し、DIに対する企業理解を深めてもらえればと思います。