2018.01.10 ~INTERVIEW~A.T.カーニー石田真康が歩む戦略コンサルタントと宇宙ビジネス活動という2つの世界
とにかく食わず嫌いをやめて好きな事から始めてみる
聞き手:2つの世界を持つことに一歩踏み出して、さらに両立するコツを教えてください。
石田氏:まず、自分が好きな事から始めてみればいいのです。コンサルタントのみならず多くの人は皆、本当はやりたい事を持っていると思います。ただ、踏み出さない色々な理由があります。忙しくて時間がない、何かやるなら意味あることをやりたい、最初から大きなことをやりたい、ゼロから始めるのは怖いなど。そうした色々な感情が行動に移すことのハードルを高めているのではないでしょうか。
私も20代はそうした意識があったのですが、自分は20代を終える時に病気をしたせいか、そういったものを全部捨てることができました。結果として、宇宙に関わることであれば何でもいいから始めてみようと思うに至りました。
最初は、なかなか一歩を踏み出せないかもしれません。でも気軽に、私のように週末ボランティアから純粋にやりたい事を始めてみる方法もあります。
ボランティアに行くと、色々な人が集まっています。そして必ずしもコンサルタントとして磨いたスキルが活きない作業も沢山あります。けど、それを面白いと思って楽しめるかが大事だと思います。新しいことを始めるのだから、小さなことでも色々やっていこうと思う気持ちが大切です。例えば、私もハクトでは、有名な方に支援をお願いする手紙を書くようなこともしていました。ロジカルシンキングも使わないけど、本当に好きなことだから、純粋に楽しいと思って活動していました。
「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、好きな事があるんだったら、まずは一歩目を踏み出せばいいんじゃないでしょうか。そして段々と自分のスキルを活かせるようにしていければ良いのだと思います。
一つの世界だけを見て転職やキャリアなどで悩みを深くするよりは、二つの世界や3つの世界を持っていけばいいのではないでしょうか。
宇宙ビジネスからコンサルタントのキャリア論まで熱弁する石田氏。
聞き手:仕事以外の活動でコンサルタントのスキルを活かせるでしょうか。
石田氏:コンサルタントのメリットは、その汎用的なスキルが会社の外の世界も意外に役に立つということでしょう。
実際、コンサルタントとして10年以上をかけて培ってきた様々なスキルを宇宙ビジネスに関する活動でもフルに使っています。
特に戦略コンサルタントとして当然揃えている「整理する力や構造化する力」は相当役立っています。例えば、宇宙産業は色々なプレイヤーがいたりするので、ゴチャゴチャしていて、わかりにくい。でも整理して構造化してあげると、「わかりやすい」と言われてすごく喜ばれます。あるいはシンポジウムやパネルディスカッションのモデレーター(司会者)も一般には意外に難しいのですが、ファシリテーション力はコンサルタントとして日常的に磨かれているものであり、適性を感じています。
自分がやりたいことで、普段の仕事のスキルを使ってみるのもいいと思います。
簡単なことをやっていても面白くないし苦労をするから面白い
聞き手:最後に今後の活動について聞かせてください。
石田氏:僕の根底にあるのは日本発の新しい宇宙産業を作りたいということです。この時代に生まれたからこそ、巡り会えた機会を活かしたいと思います。
宇宙ビジネスの振興は時間が掛かりますが、それだけ意義があることです。簡単なことをやっても面白くもないし、苦労するから面白いのです。今年発表した政府の宇宙産業ビジョン2030では2030年代早期に産業規模を倍増することを掲げています。将来的には小型の商業ロケットが毎週打ち上げられるようになっていたり、私たちが生きている間に火星に行けるようになっていたり、今まで夢だったことが現実になるかもしれません。考えただけで単純にワクワクしてきますよね。
そのために今後もカンファレンスの開催、講演、執筆活動、コンサルタントとしての活動などで出来る限りのことをやっていきたいと思います。
コンサル業界ニュース
編集部による取材
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