2017.10.04 デロイトが発表のJリーグビジネス版ランキング1位は浦和レッズ
9月28日、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は、サッカーJリーグ全クラブ(J1~J3)の2016年のビジネス版ランキング「Jリーグマネジメントカップ2016」の結果を発表した。J1~J3のそれぞれ1位は、J1浦和レッドダイヤモンズ、J2レノファ山口FC、J3栃木SCとなった。これは、2017年7月にJリーグから公表された53クラブの2016年の財務情報を中心に、マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の4つをそれぞれのステージに分けて数値化し、ランキングにしたもの。
「Jリーグマネジメントカップ」は、ゲームで勝つ「フィールド・マネジメント(FM)」だけでなく、いかにビジネスとして収益を上げ事業拡大をするかという「ビジネス・マネジメント(BM)」の側面にスポットライトを当てたランキング。デロイトUkではすでに20年以上前から、欧州各国のBMをランキングしており、今後は日本でもスポットライトを当てて、より一層の競技パフォーマンス向上と、スポーツビジネスの活性化に繋がって欲しいという想いで開始した。
◆J1 浦和レッドダイヤモンズの勝因はリーグトップの安定した入場者数
浦和はマーケティング4位、経営効率、経営戦略ではともに1位、財務状況分野で2位と安定。吹田スタジアムの稼働で勢いに乗るG大阪を僅差でかわし、2014年シーズン以来、2度目の1位となった。好成績を牽引した要因は安定した入場者数であり、それが多くのスポンサー収入やグッズ販売につながったと考えられる。中でもグッズ関連物販利益の規模は他クラブを圧倒した。一方で、新規観戦者割合や集客率には課題もあり、今後の施策に注目される。
◆J2 レノファ山口FCは経営効率、経営戦略、財務状況で1位
山口はマーケティングで2位、経営効率、経営戦略、財務状況で1位となった。山口は2014年にJFLに加入してから毎年、J3、J2へと順調に昇格してきており、それが好影響を与えている。一方、2016年はJ1への昇格を果たせなかったため、来期はJリーグ加入後初めて昇格がない中で迎えるシーズンとなり、真価が問われるシーズンとなる。
◆J3 新規参入の勢いを活かした栃木SCが1位
栃木はマーケティングが1位、経営効率、経営戦略でともに3位、財務状況では7位。ポイントでは大分と並んだが、マーケティング分野で大分を抑え、僅差で1位となった。
【数値化方法】
マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況に対して、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが以下のKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)を設定した。
〇マーケティング:平均入場者数、スタジアム集客率、新規観戦者割合、客単価
〇経営効率:勝点1 あたりチーム人件費、勝点1あたり入場料収入
〇経営戦略:売上高・チーム人件費率、販営費100万円あたり入場料等収入、グッズ関連物販利益額
〇財務状況:売上高、売上高成長率、自己資本比率
上記KPIに基づいてリーグ別にランキングに応じたポイントを付与(J1の第1位は18ポイント、J2の第1位は22ポイント、J3の第1位は13ポイントで、順位が1つ下がるごとに1ポイント減らす)し、最終的に4つのステージの累計ポイントによってランキングする。BMポイントが同率の場合、マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の順で順位が上のクラブを上位クラブとする。Jリーグからの開示情報が一部精緻化されたことに伴い、今回よりKPIに「グッズ関連利益額」を追加している。
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